こんにちは、ブジカエルです。
2024年2月の精神保健福祉士国家試験合格を目指しています。
試験まで1か月を切り、得点UPを目論み、苦手領域のノートを作っています。
今回は、ソーシャルワーク専門職の成立要件についてのノートです。
テキストや過去問解説を何回読んでも覚えられません。
ちなみに、苦手領域のノートを作るのは、学校の試験対策動画でも直前期の学習方法として勧められていました。
ソーシャルワーカーの専門職性についての議論の歴史
当該項目については、中央法規「相談援助の基盤」テキスト第2版p173~。
20世紀初頭にアメリカ、イギリス、日本などにおいて、社会福祉の専門教育が開始されて以来、議論が続いている。
1915年 フレクスナー
「未だ専門職でない」
- 全米慈善矯正事業大会における1915年、「ソーシャルワークは専門職か?」と題した講演で講演で、
- 「ソーシャルワークは、現段階において専門職業としての基準に適合しない」と述べ
- 専門職業の6つの基準を示した
- 個人的な責任を伴う、理論を携えた活動であること
- 活動と活動に伴う責任が、固有の科学と知識に由来すること
- 実用的であり、明確な目標があること
- 教育によって伝達できる技術があること
- 組織化を図る傾向がある(専門職能団体などの組織化を目指すこと)
- 利他的な動機があること
1957年 グリーンウッド
「もはや専門職である」
下記の5基準に照らし、ソーシャルワークはもはや十分専門職であると、そのプロフェッション性を強く主張した。
- 体系的な理論をもっていること
- 専門職としての権威をもっていること(専門職に付託された権限と信用)
- 広く社会から承認されていること(地域社会、コミュニティからの承認)
- 倫理綱領を持っていること
- 専門職としての独自の文化をもっていること
中央法規のテキストには下記が典拠として記されている。
Greenwood, E., ‘The Elements of progessions’, Social Work, 2(3), pp45-55, 1957.
が、もしかしたら論文名は’Attributes of Profession’ が正しいかも。
1969年 エツィオーニ
エツィオ一二(Etzioni, A. N.)は、
1964年の論文で、専門職としての完成度が低く、専門職化の途上にある職種を「半専門職(セミ・プロフェッション)」とし、その代表的な職種として教師、看護婦、ソーシャルワーカーを挙げた(Etzioni, A., 1964)。
1969年の論文で、専門職の構成要素として以下の4つを挙げた。
その上で、ソーシャルワークは専門職業の要件を満たしていない、成長途上の準専門職とした。
- 専門職を養成するための教育および訓練課程があること
- 専門的職務を遂行する上で活用/応用できる知識体系を有すること、
- 構成員の大多数が加入している専門職団体があること
- 倫理綱領があること
Etzioni, A., ‘The Semi-Professions and their Organisation: Teachers, Nurses, Social Workers’, New York: Free Press.
中央法規のテキストには下記が典拠として記されている。
Ezioni, A., ‘The semi-Professions and their Organisation: Teachers, Nurses, Social Works’, Free Press, pp.266-313, 1969.
が、著者の綴り、アルファベットの大文字小文字、ソーシャルワーカーかソーシャルワークか、という複数の点で誤記があるっぽい。
2001年 佐藤豊道
先人が提示した要件を比較し、
自身の論考を加えて、
ソーシャルワークにかかわる専門職性の基礎的要件について、
以下の12項目に整理した。
- 創造性を伴う知的な過程
- 体系的理論
- 倫理基準(倫理綱領)
- 専門職的権威
- 専門職的副次文化(専門職に特有の価値、規範など)
- 専門教育と研修
- 専門職団体の組織化
- 社会的承認
- 公益性の志向
- 科学的、批判的、合理的視座
- 社会的評価
- 個人的責任
さらに、内在的要件と外在的要件を挙げている。
佐藤豊道『ジェネラリスト・ソーシャルワーク研究―人間:環境:時間:空間の交互作用』
(つづく・・かも)