こんにちは、ブジカエルです。
この記事では、大学院入試対策の取り組みについて書いています。
本当に色々なことを忘れてしまうので、取り組みの痕跡を残しておこうという意図もあり。(来年は物忘れ外来に行こう・・)
小論文の書き方
小論文を書く際に踏まえておきたいことは下記記事にまとめたので、これを参考に進めます。
問題
この記事では、2011年度 放送大学大学院修士課程 生活健康科学プログラム 筆記試験問題、第2問(3)に取り組みます。
手元にある過去問で一番古いもの。
(福祉領域)
1990年代後半から増加し続けている生活保護受給者数は、2008年度は159万人になった。近年の生活保護受給世帯の特徴として、単身世帯が7割以上であることや高齢者・傷病者・障害者世帯の割合が大きいことなどがあげられる。
このような生活保護受給状況をもたらしている要因は何かについて、論じなさい。
これを800字以内で書けと。
出題から10年以上経ち、生活保護受給者数をめぐる状況は結構変わりましたが、これは取り組んでおく価値が(私にとっては)大きいかと。
課題の意図把握
第一次選考(筆記試験)で見られるのは、与えられた課題に対する理解力および論述能力。
この問題では、
・生活保護をめぐる状況について基本的な知識があること
・生活保護というテーマに対する問題意識、視点
を適切に書き表せると良いのではと考えました。
と、仮定しました。
本当のところは知らないよ。
知識の整理
解答例
生活保護受給世帯は単身・高齢者・傷病者・障害者等に類型化できる。それぞれの類型世帯が生活保護の対象となる要因について以下に述べる。
単身世帯の割合が多い要因として、まず、国内の全世帯に占める単身世帯の割合が増えていて、単身世帯自体が多くなっていることが挙げられる。また、単身世帯は世帯内での支え合いがないことから、様々な生活リスクに対して脆弱で、貧困に陥るリスクが高い。
高齢者世帯が多い要因としても、高齢化によって高齢者世帯自体が増加していることが挙げられる。所得格差の影響から、低所得世帯が多いことも要因である。老齢基礎年金の額は、生活に必要な最低限の金額に満たない上に、高齢者のみの世帯は孤立しやすく、家族が持つ機能は低下し、貧困に陥りやすい。
傷病と貧困は昔から関連が深い。国民健康保険世帯では、世帯主の傷病が貧困に直結する危険性がある。また、無職や非正規労働者では、公的医療保険制度の恩恵を受けられないケースが増加しており、防貧制度が特に低所得者層で十分に機能していないと言える。
障害者の場合、非正規雇用の割合が高く、年金に頼らざるを得ない場合が多い。しかし障害年金の受給にはいくつかの要件があり、初診日が特定できないなど、障害基礎年金すら受け取れない人もいる。
母子世帯では、母親が働いても貧困から抜け出せないワーキングプアの状態に陥っている世帯が多くある。
前述の上記の類型に該当しない、失業者・無職者を含む「その他世帯」は、平成の大不況を反映して2000年頃以降に急増した。中でもワーキングプアは大きな問題である。バブル経済崩壊後に急増した非正規労働者は、雇用や収入の面で不利な状態に置かれる。賃金が少なく貯蓄が困難、労働社会保険の加入率が低い、経済環境の悪化で解雇されやすい、といったことから、容易に生活保護の対象となり得る。
以上、774文字
2011年以降の状況を反映して、設問にはない、母子世帯とその他世帯を加えました。
Geminiの解答例
近年の生活保護受給世帯の特徴と要因
近年、生活保護受給世帯の構成に変化が見られ、単身世帯の割合が増加し、高齢者や障害者など、特定の属性を持つ世帯の割合が大きいという特徴が挙げられます。このような状況をもたらしている要因は多岐にわたりますが、主なものとして以下が挙げられます。
- 高齢化の進展
高齢者の貧困: 高齢者世帯の増加に伴い、年金だけでは生活が困難な高齢者が増えています。特に、非正規雇用で働いていた高齢者や、年金が低い高齢者などは、生活保護に頼らざるを得ない状況に陥りやすいです。
医療費の増加: 高齢者は、若年層に比べて医療費がかかりやすく、これが生活を圧迫する要因となっています。- 非正規雇用の増加
雇用形態の多様化: 正社員以外の非正規雇用が増加しており、収入が不安定で、生活が困窮しやすい状況にあります。
社会保障の不足: 非正規雇用者に対する社会保障が十分でないため、失業や病気などで収入が途絶えた場合、生活保護に頼らざるを得ないケースが増えています。- 核家族化とコミュニティの崩壊
孤立化: 核家族化が進み、地域コミュニティが希薄化することで、困ったときに頼れる人が少なく、孤立感が深まりがちです。
精神的な問題: 孤立感は、精神的な問題を引き起こしやすく、それが生活保護に至る一因となることがあります。- 経済状況の悪化
デフレ: 長期化するデフレは、企業の業績悪化やリストラを招き、失業率の上昇を招いています。
格差の拡大: 富の集中が進み、貧富の差が拡大していることも、生活保護受給者増加の一因と考えられます。- その他
障害者の増加: 医療の進歩により、障害を持って長生きできるようになった一方で、障害者に対する就労支援や生活支援が十分でないことが問題となっています。
シングルマザーの増加: 未婚の母や離婚した母の増加に伴い、母子家庭の生活保護受給が増加しています。
生活保護受給世帯の増加が意味するもの
生活保護受給世帯の増加は、単に生活保護制度の利用者が増えているというだけでなく、日本の社会構造や経済状況に深刻な問題があることを示唆しています。社会保障制度の見直し: 高齢者や障害者、非正規雇用者など、様々な属性の人々が安心して暮らせるような社会保障制度の整備が求められています。
雇用環境の改善: 非正規雇用の増加や格差の拡大といった問題に対処し、安定した雇用を創出する必要があります。
コミュニティの再生: 地域コミュニティを活性化し、孤立感を抱える人を支援する取り組みが必要です。
精神的な健康への支援: 精神的な問題を抱える人への支援を強化し、自殺予防にもつなげることが重要です。
生活保護受給世帯の増加は、社会全体で解決すべき課題であり、多角的な視点から検討していく必要があります。
終わりに
そう、迷ったんです。
要因別に整理するか、
生活保護受給世帯の類型別に整理するか。
整理する対象を何にするか、を判断するのも早くしないといけないなぁ。
手持ちの小論文の過去問は以上で終わり。
この後は、手書きで練習していこうと思います。
あ、英文はもう少しあるけど。