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精神障害者の地域移行・一人暮らしを支えるソーシャルワーク、社会資源について考える

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

地域で単身あるいはパートナーとの生活をしたいという希望を持つ、精神保健福祉手帳を持つ人を、より良く、より多く支援していくために、我々がどういうことをしていけるのか。仕組みを考えてほしいと、勤務先の偉い人からお題を投げかけられました。

そのお題に答える(応える)準備をします。

目次

社会資源

入院していた人が使えるサービス、
実家で家族と一緒に暮らしていた人が使える/使えないサービス、
グループホームで暮らしていた人が使える/使えないサービス、
色々あると思いますが、フォーマルからインフォーマルまで、とりあえずリストアップ。

というか、にも包括のイメージからそのまま。
厚生労働省:「にも包括」の概要

相談支援
・計画相談支援
・地域相談支援(地域移行支援、地域定着支援)

施設・居住系
・施設入所支援
・共同生活援助
・宿泊型自立訓練

在宅系
・居宅介護
・自立生活援助
・短期入所
・自立訓練
・生活介護
・就労継続支援等、通所先
・生活支援センター、地域活動支援センター

医療
・かかりつけ医
・精神科デイケア
・精神科訪問看護
・地域の連携病院
・地域の歯科、薬局

行政
・居住区のMSW
・居住区の保健関係者

様々な相談窓口
・居住区の総合相談
・いのちの電話
・消費者センター
・基幹相談支援センター
・精神保健福祉センター
・発達障害者支援センター
・その他、ハロワ等就労関係

地域
・社協
・友人
・自治会
・民生委員
・ボランティア
・近隣住民
・家族

★介護保険サービス
・在宅系:訪問介護、訪問看護、通所介護、他
・介護予防サービス
・施設・居住系サービス

単身/パートナーとの生活に向けての準備

アセスメント
現在の住まいの場がどこにしても、ある程度標準的な項目で、生活スキルや必要な支援についてのアセスメントが必要であり、可能かと。

プランニング
最終的な希望/目標(単身なり、パートナーとの生活なり)に向けて、段階が必要であれば設ける。
宿泊型自立訓練だったり、共同生活援助だったり、その人に合うものを選択。

インターベンション
選択されたサービスを利用して、単身/パートナーとの生活の準備を進める。

モニタリング
単身/パートナーとの生活において必要になりそうなことを洗い出す。
プランニング、インターベンション
社会資源の調整を行う。

架空の個別事例で考える

【Aさん(架空)の事例】
独身、男性、60代前半。
診断は統合失調症現在。症状は安定しているが、環境の変化が苦手。
ADHD的特性が強い(特に多動、衝動)。
グループホームで生活し、民間住宅か公営住宅への移行を希望している。
通所先は精神科デイケアで、福祉の日中活動系サービスは利用していない。
生活スキルは概ね身に付いており、課題はなくはないが、一人暮らしは可能と思われる。

●住まいを探す
・民間の賃貸住宅の契約や、公営住宅の応募を支援する
・居住支援法人を頼るのもあり
・住宅セーフティネット制度の活用
・自治体の住宅入居等支援事業(居住サポート事業)の活用

課題・懸念
・民間の場合、精神障害に理解があるかどうか
・保証人の問題
・精神障害者に対して、温かい見守りがある地域が望ましい
・契約手続きに関わる負担の支援も必要か
・ピアサポートが受けられる場に行きやすいとなお良し

もし本人が、精神障害者に対して排他的な住民が多いエリアを選ぼうとしていたら・・?
思いとどまるよう説得しちゃうかも・・
本人中心の支援とは言えなくなってしまうのだろうか。

●引っ越しに伴う色々
・引っ越しの業者探し、依頼
・荷物の整理
・住所変更等の手続

●引っ越し後の支援チーム、というか関係者
・通院先の精神科
・通所している精神科デイケア
・内科、歯科等の受診クリニック
・訪問看護
・地域相談、地域定着支援
・計画相談
・居住支援法人
・居宅介護(新規に導入)
・生活支援センター、地域活動支援センター
・配食サービス
・グループホーム退去後の、グループホームによる自立生活支援
・自立生活支援事業所の自立生活支援(グループホームによるものと併用可能か?)
・(高齢福祉への移行を想定して)地域包括支援センター
・自治会、近隣住民、民生委員、近所のお店 等
・実家(親は既に死亡、同胞は高齢、甥姪との関係はいかに)
・居住エリアの担当MSW

令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要を踏まえて、必要な支援、提供するサービスを組み立てていければと。

参考

厚生労働省:「にも包括」の概要

PwC コンサルティング合同会社「令和4年度障害者総合福祉推進事業 自立生活援助・地域定着支援・共同生活援助の支援の実態把握のための調査研究 事業報告書」令和5年3月

PwCコンサルティング合同会社「自立生活援助事業者と居住支援法人の連携構築のための研修カリキュラム及びガイドブックの作成」の掲載ページ

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000194160_00016.html

精神障害者の地域生活移行及び定着支援推進事業 シンポジウム
精神障害者の地域生活移行支援~この街で暮らしたい~精神障害者を地域で支えるためには 講演抄録集

厚生労働省:精神障がい者と家族に役立つ社会資源ハンドブック

おわりに

自分の興味関心に基づく研究も楽しいですが、偉い人からのお題についてこうして考えるのも、自分の知見を高めるのにとても役立ちます。

試験勉強から解放されて、晴れて&憂いなくこのようなことに取り組めるのは、非常に喜ばしいと感じます。

が、自分の研究や、職場で与えられる課題に取り組むための基礎が、試験勉強を通して得られたものであるのは事実。

試験勉強に真摯に取り組んだ甲斐があったと、改めて確信する次第です。

自画自賛だよ!

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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