年間500冊もの書評を手掛ける、しかも書評を出すたびにAmazonランキングが急上昇するという、超人気書評家の著作です。
といっても、この本の初版は2020年4月。
2025年の今はまた、別の書評家が高評価を受けているかもしれません。
とはいえこの本は、書評という仕事について一つの到達点を示したものと言えるのではないでしょうか。
著者・印南敦史さんについて
1962年生まれ。
広告代理店勤務時代に音楽ライターとなり、その後独立。
2012年に初の書評をライフハッカー上で公開して以降、年間500冊という驚異的な数の書評を書き続けています。
印南さんが書評を書き始めたきっかけは、リーマンショック後、仕事が激減する中で追い詰められたときに、書評の依頼が届いたことだそうです。
それまで書評を書いたこともなく、まさか自分が書評を各ことになるなんて思ってもいなかったという印南さんですが、2012年8月にライフハッカーで初めて書いた書評が公開されて以降、書けば書くほど「天職かも」という気持ちが芽生えたとのこと。
やがて「超人気の書評家」とまで言われるようになった印南さんが、本書刊行時点で書評を発表していた媒体は主な物は下記の通り。
- ライフハッカー(日本版)
- 東洋経済オンライン
- ニューズウィーク日本版
- 東洋経済オンライン
- マイナビニュース
- サライ.JP
- WANI BOOKOUT などなど
著書も複数あります。
この記事の終わりに、印南さんの他の著作をちょろっと紹介しています。
『書評の仕事』の内容について
本書は、書評の書き方そのものについて、始めから終わりまでガッツリ書いてあるマニュアル本ではありません。
書評家と呼ばれる印南さんの日常、
書評をめぐるお金のこと、
印南さんから見た売れる本、
印南さんが書評を書く本の選び方、
心を動かす文章、
要約の極意、
等々、書評をめぐる諸事が書かれています。
書評を書きたいわけではなくても、超人気書評家の舞台裏や、書評をめぐる裏事情を知りたい人、文章術の向上を目指す人、要約スキルを磨きたい人にもお勧めです。
前述の通り、印南さんの初の書評は2012年8月にライフハッカーに掲載されました。
それから7年後に本書の執筆に至るまでに、年間500冊の書評を書く超人気書評家という地位を獲得するわけですが、それは当然、運や偶然だけなわけがなく。
印南さんが何年もかけて工夫や努力を積み重ね、磨いてきた技術が、ベースにあります。
それらが惜しみなく公開されている本書は、書評を書きたい人に断然お勧めする一冊。
図書館で借りて読むのではなく、書評を書き続ける限り手元に置いておきたいレベルの本ではないでしょうか。
印南敦史さんの他の著書
年間500冊という、驚異的な数の書評を公開した実績のある印南敦史さん。
その読書の方法にも一家言あるのでは・・という期待に応えてくれる下記の著書や、
年間500冊以上の本を読んでいる人の時間管理ってどんなよ?
という疑問に応えてくれる著作も。
著作は他にもあります。
どの著作でもそうなんですが、印南さんの文章は柔らかで、頭にスッと入ってくるわかりやすさがあります。
また、お会いしたことはないのですが、文章にそのお人柄が出ているのだとすれば、とても惹かれるところがあり。
今後のご活躍も期待しちゃいます♪
あとがき
購入したのはだいぶん前なのですが、久しぶりに別のサイトで書評を書こうかなと考え、読み返しました。
いやー、いい本だ。
買って良かった。
と思って、先にこの本の書評を書くことにしたのでした。