生涯学習

MOOCsを楽しもう!無料の大学レベルの講座をスキルアップ・リカレント教育に活用

投稿日:2019年6月17日 更新日:

学びは止まらない!生涯学習、リカレントにMOOCを活用のイメージ画像

大学などの高等教育機関の講義・講座を無料で受講できるMOOCs。

インターネット環境さえ整っていれば、ハーバード大学やスタンフォード大学といった世界の知の府の頂点の授業も受けられる、学び好きな人にとっては夢のようなシステムです。

今回は、MOOC誕生の背景と著名なMOOCを4つご紹介します。

MOOCsとは?

ムーク【MOOC】[massive open online course]

《massive open online course》大学などの教育機関がインターネットを通じて講義を行うこと。課題を提出したり試験を受けたりすることで、履修を認定する制度もある。地理的・時間的・経済的・年齢的に制約されることなく、世界の著名な大学の教育に接することができる。公開オンライン講義。大規模公開オンライン講座。MOOCS(ムークス)。

出典:コトバンク(小学館『デジタル大辞泉』)

MOOCs登場の背景

社会と大学の情報化

MOOCs登場の背景には社会の情報化があります。

WWW(ワールド・ワイド・ウェブ)を基礎とする情報通信技術は、2000年代に入ってから新たな段階に入りました。情報機器や通信技術は現在も発展していく一方です。

一方で大学における情報化も進みました。

「知識の府」としての大学が、持てる知の蓄積(情報)を率先して一般社会に公開することは、大学の社会的な義務であり、大学の価値や存在意義を高めるものでもあるという考えが広まりました。

大学の授業において既に提供されている知識は、それを外部に公開したからといってその価値を減じられるわけではない、と考えられるようになりました。公開のためのコストはかかっても、知識が広範囲に理解され、受け入れられることで、その価値はむしろ高まり、潜在的な需要を増すと考えられるようになりました。

社会の情報化はもはやどうやっても止めようがなく、技術が進む⇒応用される⇒新たな展開が生まれる、というきわめてダイナミックな趨勢であり、その将来を見極めるのは極めて困難です。

しかし大学は、新陳代謝を進め淘汰していく性格の組織ではありません。情報化の大きなうねりの中で、将来にわたって意義のある存在であり続けるには、大学自ら情報化に参加しなければならず、情報化と無縁であり続けることはできなかった、と言えます。

MITが始めた「公開授業教材」の広がり

情報化のさらなる進行により、大学の授業や教材を公開する動きが21世紀に入ってから本格化しました。

学校の教材をオンライン上のデータベースから配信する「公開教育資源(Open Education Resources)」は、大学に限らず様々な教育機関で行われています。

米国のマサチューセッツ工科大学(MIT: Massachusetts Institute of Technology)が2002年に始めた「公開授業教材(Open Couese Ware)」プロジェクトは、この流れに最も大きな影響を与えたと言ってもいいでしょう。

このプロジェクトでは、MITの授業科目リストを全て公開し、それぞれの授業についての概要・教員の講義ノート・学生に与える課題、テスト問題などの公開を目的としていました。

さらに一部の授業を撮影してビデオ化し、これをストリーミングとしてWebで公開し、MITの学生だけでなく、学外の学生や他大学の授業で利用することも可能としたのでした。

配信のための設備やプログラムの開発には、大学だけでなく連邦政府やいくつもの財団が出資しています。国を挙げての大事業で、この動きは全米に広がり、多数の大学が参加しました。

ちなみに日本では、2005年からいくつかの大学が一部の授業の配信を始めました。

MOOCs誕生

この公開授業教材の動きをさらに発展させたのが、「大規模公開オンライン授業(MOOCs: Massice Open Online Courses)」です。

「MOOCs:大規模公開オンライン授業」は単独のプログラムではなく、2010年代に登場した、様々な試みを指す総称です。

その共通点は、以下の通り。

視聴者参加型

OCWは、教材や授業の配信などを発信する側が公開するするものですが、MOOCはそれに加えて、学生の授業への何らかの形での参加や、学習成果の確認のための工夫が取り入れられています。この点では、OCWを教育的に発展させたものがMOOCと言えます。

ターゲットは多数

MOOCでは、内容となる授業を視聴する人たちが、多数となることを想定しています。OCWは基本的に大学の授業を公開するものでしたが、MOOCは学外のみならず世界に公開する、という視点が明確です。配信の対象は、このような形態での公開で学生が集まりやすいと考えられる、情報通信技術関連などの分野が中心となっています。

個人のイニシアティブが重要

MOOCsにおいては、個人のイニシアティブが大きな役割をはたしています。営利企業によって運営され、何らかの形でコストを回収することを目指しているMOOCsも多くあります。

国外のMOOCs

以上のような共通点はあるものの、内容や形態は様々です。

有名どころのMOOCの例をいくつか挙げます。

edX(エデックス)

エセックスは、MITとハーバード大学が2012年に発足させたプログラムです。

edX | Free Online Courses by Harvard, MIT, & more

両大学はこのプログラムに、それぞれ3千万ドル(日本円にして30億円をゆうに超える!)を出資しました。従来のOCWよりも、学生の反応を織り込む形の授業ができるように工夫されています。

MITやハーバード大学の在学生だけでなく、世界中の学生が聴講、参加することを目指しています。

Coursera(コーセラ)

スタンフォード大学に在籍する情報科学専攻の教員数人が2012年に設立した営利企業によるMOOC。

Coursera日本語サイト

当初は情報科学の授業が中心でしたが、その後、人文科学・社会科学・医学・生物学などもカバーするようになりました。

授業はスタンフォード大学のものに限らず、イェール大学、東京大学など他大学の授業や、Google、IBM などの優良企業がプロデュースするコースも含んでいます。

ユダシティ(Udacity)

スタンフォード大学の情報科学専攻の教員数人が中心となって、2012年に設立した営利企業によるMOOC。

Udacity: Learn the Latest Tech Skills; Advance Your Career

スタンフォード大学で行った公開授業をもとに、情報関係の授業を配信しています。ベンチャーキャピタルが数社出資。

Udemy(ユーデミー)

Udemyは、学びたい人、教えたい人のためのオンラインマーケットプレイス。

The Wide World of MOOCs | Udemy

Udemy: オンラインコース - いろんなことを、あなたのペースで

プログラミング、マーケティング、データサイエンスなど、100000以上のコースを2400万人の受講生が学んでいます。

私はGoogle提供の無料のコースを2つほど受講してみました。大学レベルとまでは言いませんが、無料のものでもそこそこ知的好奇心を満たせます。

さらに深めたければ有料のコースを受けるとか、自分で本を買ってみるとかいうように、学びを広げていく方向を知ることができるので、興味のある分野のコースがあったら受けてみるといいと思います。

日本のMOOC・JMOOC

JMOOC -無料で学べる日本最大のオンライン大学講座(MOOC)

2013年に設立されたJMOOC(日本オープンオンライン教育推進協議会)は、大学や企業が提供する全てのMOOC講座を公開しています。

教養・実務・資格取得など幅広い講座をオンラインで受講でき、修了証も取得できます。科目によっては別売りの教材が必要となることもあります。

JMOOCは、複数の講座配信プラットフォームをまとめるポータルサイトの役割を果たしていて、この記事執筆時点では、gacco、OpenLearning, Japan、OUJ MOOC、FisdomがJMOOC公認の配信プラットフォーム。

受講するには、それぞれのプラットフォームでの会員登録も必要です。少々手間ですが、一度登録してしまえば永続的に使えるので、面白そうな講座があったらぜひ!登録しましょう。

どんどん受講しよう!MOOCの活用例

スキルを高める

データサイエンスやプログラミングなど、高度情報社会ならではの講座が多数あります。

今後、そういう方面でスキルを高めていきたいと思う人は、まずはJMOOCで講座を探して受講してみる、ということが可能です。

Python、JavaScript、インターネットセキュリティ、Webデータベースシステムなどの講座も入門レベルからたくさんあります。

書籍での自学自習では進まない、身に付かない、という人にはうってつけかもしれません。

興味関心の幅や教養を広げる入り口

社会科学や人文科学系の、一般教養を高める類の講座も多数あります。

JMOOCの講座は無料なので、「これはどんな学問かな?」とか、「面白そう」といった程度の動機で、色んな講座をどんどん受講できます。

これはMOOCの最大のメリットだと思います。

講座を受けてみて、期待以上に面白かったら大収穫で、さらに掘り下げるきっかけにできます。

全然面白いと思えなくても、その分野は自分の興味関心の向けるべきものではなかったということがわかれば、それはそれで収穫。

講座の中には、学びを深めていくためのその後の講座を用意してくれているものもあります。

興味関心の幅や教養を広げ、スキルを高めるための入り口として広く活用できる、素晴らしいシステムです。

既に学んだことの復習やアップデート

ちなみに、私は2013年からずっと放送大学に在籍していて、統計の授業を以前履修したことがあります。でもやらないでいると忘れてしまうので、時々gaccoの講座を受けて思い出しつつ、少しずつ幅を広げたりしています。

また、前に学んだことについて、最新の知識にアップデートしたいときにも使えます。

無料なので、こういう利用のし方が気軽にできて、MOOCはとてもありがたいです。

参考文献

本文中のリンク先の他、以下の書籍を参考にしています。

情報化社会と教育 (放送大学教材) [ 苑復傑 ]

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