こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
問題46 次の記述のうち、精神障害がある者のリカバリーについての説明として、適切なものを1つ選びなさい。
- 全ての人が同じリカバリーの過程を経る。
- 本人が自由に挑戦できるよう、支援者が責任を負う。
- 本人の障害の部分に焦点を当てる。
- 希望はリカバリーを支える原動力となる。
- 身体的状況を切り離し、精神的な回復を図る。
設問について
リカバリーについての理解が問われる問題。
ディーガンと併せて整理しておくと良いかと。
ディーガン(Deegan, P.)とは
ディーガンは十代で「統合失調症」と診断され、しばらくの間、もう自分は二度と「回復」することないと考えていた。しかし、彼女は一進一退を繰り返し、臨床心理学を学び、資格を取得し、働き始めるに至った。心理学の専門家となったディーガンは自身の病いの物語を記し、自身の「回復」の経験を述べた。ディーガンによると、その経験は、リハビリテーションとも異なるものであると分析した。
山田理絵「リカバリー概念再考 : 英国の精神科医療におけるRecovery College を例として」(UTCP Uehiro Booklet 12 131-141, 2016-03-31)
ディーガンが述べるリカバリーとは
精神疾患からの「リカバリー」とは,疾患を経験する前の状態に戻ることではなく,苦痛を経て,それでも夢や希望を携え,人生の舵をとる新たな自分に変化することである。
リカバリー – 株式会社金剛出版
①リカバリーは特定の到達点を指すものではなくプロセスであり、個別のものであること。②失われた希望を取り戻すこと。③自らの健康と生き方に責任をもち、自分の人生の主導権を取り戻すこと。④精神障害を通して自己を定義するのではなく、新たな価値あるアイデンティティと人生の意味を見出すことなどである。当事者の語りにみるリカバリーは病の「治癒」と同義ではなく、また精神疾患を患う前の状態に戻ることを指すのでもない。リカバリーは精神症状があっても可能であるし、精神疾患によって生じた様々な困難を乗り越える過程で獲得した新たな能力や成長をも含むものなのである。
精神障害者の地域生活移行及び定着支援推進事業|障害者自立支援調査研究データベース 事業実施報告内容 平成20年度 通番号31 | 障害保健福祉研究情報システム(DINF)
各選択肢について
選択肢1:全ての人が同じリカバリーの過程を経る。
×
リカバリーは個別のもの。
選択肢2:本人が自由に挑戦できるよう、支援者が責任を負う。
×
自らの健康と生き方に責任をもち、自分の人生の主導権を取り戻す。
選択肢3:本人の障害の部分に焦点を当てる。
×
精神障害を通して自己を定義するのではなく、新たな価値あるアイデンティティと人生の意味を見出す。
選択肢4:希望はリカバリーを支える原動力となる。
〇
リカバリーは、失われた希望を取り戻すことも含む。
選択肢5:身体的状況を切り離し、精神的な回復を図る。
×
当事者の語りにみるリカバリーは病の「治癒」と同義ではなく、また精神疾患を患う前の状態に戻ることを指すのでもない。リカバリーは精神症状があっても可能であるし、精神疾患によって生じた様々な困難を乗り越える過程で獲得した新たな能力や成長をも含むもの。
正答
4(希望はリカバリーを支える原動力となる。)