こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
事例問題1
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
Fさん(41歳、女性)は、会社員として働いていた25歳の時にW精神科病院を受診し、うつ病と診断された。その後、幾つか通院先を変え、1年前からV精神科クリニックに通っている。ある日、FさんはV精神科クリニックのG精神保健福祉士(以下「Gワーカー」という。)に障害年金の申請に関する相談をした。Fさんとの面接の中で、母親とH社会保険労務士(以下「H社労士」という。)が、申請の手続を進めようとしていることが分かったが、Fさんは、「申請が必要なのか悩んでいるんです」と語った。そこでGワーカーは、「Fさんとお母さんの考えを出し合ってよく話し合いましょう」と話しかけた。(問題30)
その後、障害年金の申請について、主治医を交えて四者で面談するために、FさんとH社労士が来院した。面談の中でH社労士は、経済的な基盤ができることが最重要ではないかと発言し、主治医は、継続的な受診が必要で、年金を受給できる状態であると述べた。面談の間、Fさんは押し黙ったままであり、GワーカーはFさんの受給に対する意向や考えを明確にすることが大切だと考え、「Fさんはどう思いますか」と尋ねたところ、「ずっと、迷っています」とつぶやいた。そこでGワーカーは、「Fさんの障害年金に対する思いを皆で詳しく聞いてみませんか」と提案した。(問題31)
四者での面談から2週間ほど経過した後、GワーカーはFさんに改めて意向を確認した。「母は今後の生活を考え申請を勧めてくるが、障害者として生きていくということですよね」と話し始め、病気にならなければ違った人生になったかもしれないという思いが語られた。そこでGワーカーは、Fさんに、同じ病気を経験した人と交流できる場を紹介した。交流の場に参加したFさんは、参加者が自分の人生を前向きに捉えており、その場での経験がFさんにとって、将来を考えるきっかけとなった。この体験を通しFさんは、障害年金の申請を自分の権利として積極的に捉えるようになった。この考え方の変化をGワーカーへ伝え、早速、H社労士にも連絡を取り、受診歴や初診時の年金加入条件等を調べてもらうことにした。(問題32)
問題32 次のうち、事例を通してGワーカーが行ったFさんへの支援の焦点として、適切なものを1つ選びなさい。
- 父権主義の尊重
- 障害の受容
- 社会的役割の確立
- 不正義の解消
- 社会的復権の実現
設問について
ソーシャルワークの焦点についての理解が問われる問題。
相談援助活動の定義と概念:中央法規当該科目テキスト第2版p67~
ソーシャルワーク実践の焦点:中央法規当該科目テキスト第2版p72~、等。
各選択肢について
選択肢1:父権主義の尊重
×
パターナリズムを発揮した様子(権力や能力のある者が弱い者に対して「あなたのため」として干渉ないし温情的に扱う、専門職が本人のために最善と思われる方針を決定すること、等)は見られない。
また、ソーシャルワーカーが支援の焦点としてパターナリズムは尊重すべきものではない。
選択肢2:障害の受容
〇
障害年金の受給=「障害者として生きていくということ」を受け入れられない様子だったFさんに、障害の受容=自身の価値低下やあるべき人生の喪失ではなく、障害による恥や劣等感を感じることなく、積極的に主体的に人生を捉え直し生きて行こうとする価値観の転換をしょうてんとしたと考えられる。
選択肢3:社会的役割の確立
×
「社会的役割」は「社会関係」とともに、人が「社会的機能」を果たしていく際に不可欠な要素。
社会的に価値を低められている人々に、社会的役割をつくり出す=ノーマライゼーション理念の議論の中で、ヴォルフェンスベルガーがノーマライゼーション原理の再構築に心を砕き提案した「ソーシャル・ロール・ヴァロリゼーション」がここで焦点となっていることは読み取れない。
選択肢4:不正義の解消
×
当該事例におけるFさんの障害年金受給の是非は、正義と関係があるとは読み取れない。
選択肢5:社会的復権の実現
×
当該事例におけるFさんの障害年金受給の是非は、社会的復権の実現と関係があるとは読み取れない。
正答
2(障害の受容)