こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
事例問題2
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
Jさん(55歳、男性)は、高校生の時に統合失調症を発症したが、今は病状も落ち着き、通院しながらアパートで一人暮らしをしている。Jさんは、3年ほど前から、K精神保健福祉士が勤めている地域活動支援センターで週に1~2日過ごしているほか、昨年からは月に1度保健所で開かれている「精神保健福祉を考える集い」(以下「集い」という。)に参加している。「集い」では精神障害当事者のほか、病院や地域の精神保健福祉士や地域住民など20名ほどが集まり、その月の出来事などを語り合っている。「集い」の代表は統合失調症を経験したLさんであり、「集い」の運営や事務を行っている。人との交流の少ないJさんにとってはいろいろな人と出会う大切な機会となっている。ある日、K精神保健福祉士は暗い表情をしたJさんから、「Lさんが県外に転居することになった。Lさんがいなくなったら『集い』はどうなってしまうのだろう」と消え入るような声で相談を受けた。(問題33)
Lさんの転居後約1年の間に、様々な広報活動の効果もあり、「集い」は精神障害当事者の参加が増え、病気を抱えながら生活する日々の出来事が前向きに捉え直されたり、元気づけられたり、また地域住民との間で共有される場面が多くなった。やがて「集い」には精神科病院から、「ここで話されているようなことを入院中の方とも話してほしい」という依頼が来るようになった。Jさんも数回精神科病院で入院中の方と話をした。ある日JさんはK精神保健福祉士に、「入院中の方に退院後の生活や自分の体験を話すことで自分が人の力になれるように感じた。精神科病院を訪問した仲間たちの間で、『このような活動を続けるために精神障害当事者の会を立ち上げたい』と話しているので相談に乗ってほしい」と伝えた。(問題34)
K精神保健福祉士は、地域活動支援センターで一人静かに時を過ごし、「集い」に参加し始めた頃のJさんを思い出し、「Jさんは変わられましたね」と声をかけた。(問題35)
問題33 次の記述のうち、この時のK精神保健福祉士の対応として、適切なものを2つ選びなさい。
- Jさんに、Lさんの後を継ぐように勧める。
- JさんのためにLさんに連絡を取り、方針を決めてもらう。
- Jさんの「集い」に対するこれまでの気持ちを聞き取る。
- Jさんのために「集い」に参加し「集い」が継続するように、力を尽くす。
- Jさんに、他の参加者と一緒に「集い」のこれからを考えていけるよう促す。
設問について
精神保健福祉士が行う相談援助の基本姿勢についての理解が問われる問題。
中央法規「理論と展開I」テキスト第2版p274~。
各選択肢について
選択肢1:Jさんに、Lさんの後を継ぐように勧める。
×
Jさんから、Lさんの後継者になりたいとか、Lさんのように運営や事務をしたいということは語られていない様子。その段階でLさんの後を継ぐようにJさんに勧めるのは不適切。
選択肢2:JさんのためにLさんに連絡を取り、方針を決めてもらう。
×
相談援助と言えない対応。
選択肢3:Jさんの「集い」に対するこれまでの気持ちを聞き取る。
〇
新たな相談の受理面接と言える段階であり、Jさんの「集い」に対するこれまでの気持ちを聞き取ることは重要な情報収集。
選択肢4:Jさんのために「集い」に参加し「集い」が継続するように、力を尽くす。
×
ソーシャルワークは、「クライエントのために」ではなく「クライエントとともに」働くという理念のもと行う。
選択肢5:Jさんに、他の参加者と一緒に「集い」のこれからを考えていけるよう促す。
〇
「Lさんがいなくなったら『集い』はどうなってしまうのだろう」と漠然と不安を抱えているJさんにとって、他の参加者と一緒に「集い」のこれからを主体的に考えていくことは重要と考えられる。
正答
3(Jさんの「集い」に対するこれまでの気持ちを聞き取る。)
5(Jさんに、他の参加者と一緒に「集い」のこれからを考えていけるよう促す。)