こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
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問題10 「医療観察法」に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 入院治療は矯正施設で行う。
- 対象者の社会復帰を目的とする。
- 対象行為に重大な自傷行為も含まれる。
- 対象者の入院等は、家庭裁判所で行われる審判で決定する。
- 入院中に行動制限を行うときは、家庭裁判所に報告しなければならない。
設問について
精神科医療機関の治療構造における、医療観察法に関する理解が問われる問題。
中央法規当該科目テキスト(第2版)第6章第5節「医療観察法対象者の支援」p284-。
各選択肢について
選択肢1:入院治療は矯正施設で行う。
×
医療観察法による入院治療は、国から指定を受けた効率の指定入院医療機関で行われる。
(入院等)
医療観察法
第四十三条 前条第一項第一号の決定を受けた者は、厚生労働大臣が定める指定入院医療機関において、入院による医療を受けなければならない。
選択肢2:対象者の社会復帰を目的とする。
〇
(目的等)
同上法
第一条 この法律は、心神喪失等の状態で重大な他害行為(他人に害を及ぼす行為をいう。以下同じ。)を行った者に対し、その適切な処遇を決定するための手続等を定めることにより、継続的かつ適切な医療並びにその確保のために必要な観察及び指導を行うことによって、その病状の改善及びこれに伴う同様の行為の再発の防止を図り、もってその社会復帰を促進することを目的とする。
2 この法律による処遇に携わる者は、前項に規定する目的を踏まえ、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者が円滑に社会復帰をすることができるように努めなければならない
選択肢3:対象行為に重大な自傷行為も含まれる。
×
対象行為は第二条に規定されている。
けど条文からは分かりにくいので以下に列挙。
医療観察法による処遇の対象となるのは、重大な他害行為(殺人、傷害、強制性交等、強制わいせつ、放火)を行い、心神喪失または心神耗弱を理由に不起訴処分ないし起訴されて無罪(刑を執行されない場合も含む)となった人。
自傷行為は含まない。
選択肢4:対象者の入院等は、家庭裁判所で行われる審判で決定する。
×
(合議制)
第十一条 裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)第二十六条の規定にかかわらず、地方裁判所は、一人の裁判官及び一人の精神保健審判員の合議体で処遇事件を取り扱う。ただし、この法律で特別の定めをした事項については、この限りでない。(中略)
(評決)
同上法
第十四条 第十一条第一項の合議体による裁判は、裁判官及び精神保健審判員の意見の一致したところによる。
選択肢5:入院中に行動制限を行うときは、家庭裁判所に報告しなければならない。
×
(行動制限等)
同上法
第九十二条 指定入院医療機関の管理者は、第四十二条第一項第一号又は第六十一条第一項第一号の決定により入院している者につき、その医療又は保護に欠くことのできない限度において、その行動について必要な制限を行うことができる。
2 前項の規定にかかわらず、指定入院医療機関の管理者は、信書の発受の制限、弁護士及び行政機関の職員との面会の制限その他の行動の制限であって、厚生労働大臣があらかじめ社会保障審議会の意見を聴いて定める行動の制限については、これを行うことができない。
3 第一項の規定による行動の制限のうち、厚生労働大臣があらかじめ社会保障審議会の意見を聴いて定める患者の隔離その他の行動の制限は、当該指定入院医療機関に勤務する精神保健指定医が必要と認める場合でなければ行うことができない。
退院や入院継続について、地方裁判所に申立てを行う規定はある。
正答
2(対象者の社会復帰を目的とする。)