こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
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事例問題
次の事例を読んで、問題に答えなさい。
〔 事例 〕
E養護教諭は、Fさん( 中学1年生、女性 )から、入学当初より自傷行為についての相談を受けていた。ある日、Fさんから、「同級生たちからひどい言葉を浴びせられる。自分の性別のせいだ」と話をされた。性別への違和感の訴えは初めてで、これまでの相談の様子と異なることに気付いたE養護教諭は、性自認に課題がある人への支援経験が豊富な、スクールソーシャルワーカーのGさん(精神保健福祉士)に会ってみることをFさんに勧めた。Fさんの了解が得られたことから、E養護教諭はGさんに相談の予約をした。約束した日に、緊張した面持ちのFさんは、Gさんの下を訪れた。自己紹介の後、世間話をして、Fさんの緊張も解けた頃、Gさんが語りかけた。(問題30)
Fさんは長い沈黙の後、「自分の性別に違和感があり、そのことをただ一人の親友に言ってみたが、それ以後、親友の態度がよそよそしくなってしまった」と話し始めた。さらに、「このままだと居場所がない」、「性別によって押しつけられた役割には納得がいかない」と続け、これからは男性として生活をしたいという願いを語った。そして、「家族は気が付いていると思うが、きちんと話をしてみたい」と述べる一方で、「学校では、一人ぼっちでつらい」と話した。肩を落とし涙ぐむFさんに、Gさんは、「親友にあなたのことを分かってもらい、今までどおり接してほしいのですね」と伝えた。(問題31)
後日、Gさんは、家族同伴面接を行い、自分の性別の違和感について理解してほしいというFさんの気持ちを家族に伝え、専門の医療機関の受診を勧めた。その後、性同一性障害( 疑い )と診断を受け、カウンセリングが開始されることになった。しばらくして、Fさんと家族から学級担任に、Fさんが自認する性で生活をしてみたいという申出があり、Gさんの協力の下、E養護教諭を中心に支援チームが作られ、修学を継続する環境調整が始まることになった。(問題32)
問題32 次の記述のうち、この時点で支援チームが行うこととして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 相談窓口をGさんに一本化する。
- ホームルームでLGBTの学習会を行う。
- Fさんの学校への具体的な要望について考える。
- 性別に違和感を持つ生徒がいないか調査する。
- 戸籍上の性別変更を行う方法について調べる。
設問について
性的マイノリティの思春期の人の支援で、学校における対応についての理解が問われる問題。
各選択肢について
選択肢1:相談窓口をGさんに一本化する。
×
Gさんの協力の下、E養護教諭を中心に作られた支援チームで、相談窓口をGさんに一本化するのが適切と判断する材料が見当たらない。
選択肢2:ホームルームでLGBTの学習会を行う。
×
学校教育の場でLGBTの啓発を行う場合、偏見に基づくいじめやアウティングに特に配慮する必要がある。
当該事例の場合、Fさんは親友との間に既に影響が出ており、学級内でLGBTの学習会を行うことにより、Fさんの人間関係にさらに影響が及ぶ可能性がある。
LGBTの学習会をホームルームで行うかどうかは、Fさんの希望に沿うことを第一に、慎重に検討するべき。
選択肢3:Fさんの学校への具体的な要望について考える。
〇
自認する性で生活をしてみたいというFさんの希望のもと、修学を継続するにはどんな環境調整が必要か。
場面に合う展開と言える。
選択肢4:性別に違和感を持つ生徒がいないか調査する。
×
Fさんの支援に関係ない。
性同一性障害に係る児童生徒やその保護者は、性自認等について、他の児童生徒だけでなく、教職員に対しても秘匿しておきたい場合がある。また、自ら明らかにする準備が整っていない児童生徒に対し、一方的な調査や確認が行われると、当該児童生徒は自分の尊厳が侵害されている印象をもつおそれもあり、学校においては、教職員が正しい知識を持ち、日頃より児童生徒が相談しやすい環境を整えていくことが望まれる。
選択肢5:戸籍上の性別変更を行う方法について調べる。
×
Fさんはこの時点で、戸籍上の性別変更を行いたいと希望していない。
正答
3(Fさんの学校への具体的な要望について考える。)