こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
問題1 次のうち、18世紀に精神障害者を鎖から解放し、人間的な処遇を提唱した人物として、正しいものを1つ選びなさい。
- ピネル(Pinel, P.)
- 呉秀三
- クレペリン(Kraepelin, E.)
- カールバウム(Kahlbaum, K.)
- アルツハイマー(Alzheimer, A.)
設問について
精神医学の歴史についての理解が問われる問題。
中央法規当該科目テキスト第2版p3~等。
各選択肢について
選択肢1:ピネル(Pinel, P.)
〇
1793年、ピネル(1745~1826、フランスの精神医学者)はパリのビセートル病院、次いでサルペトリエール病院で精神障害者を鎖から解放し、人道的な処遇を提唱した。
背景に、18世紀後半から盛んになったヒューマニズム思想(人間性を称揚し、さまざまな束縛や抑圧による非人間的状態から人間の解放を目ざす思想。17~18世紀にイギリス・フランスで、普遍的な人間性を認め、いくつかの市民革命の指導理念となった思想。市民的ヒューマニズム)。
フランス革命は1789年~。
選択肢2:呉秀三
×
呉秀三(1865~1932)は、日本の精神医学者、松沢病院第5代院長。
クレペリンの精神医学体系を導入することで、日本の精神医療・精神医学の基礎が整えられていった。
「我邦十何万ノ精神病者ハ実ニ此病ヲ受ケタルノ不幸ノ外ニ,此邦ニ生レタルノ不幸ヲ重ヌルモノト云フベシ」の人。早くから患者の人道的処遇を唱え、作業療法の普及や精神科病院の構造の改善などにも尽力した。
選択肢3:クレペリン(Kraepelin, E.)
×
クレペリン(1856~1926、ドイツの精神医学者)は1900年前後に、精神疾患を内因と外因に、内因性精神病を早発性痴呆(統合失調症)と躁うつ病(双極性感情障害)に大別して臨床的疾患単位とする考え方を示した。精神症状の正確な記述及び経過や予後から疾患を区分する考え方で、これが現在に至るまで臨床精神医学体系の基礎となっている。
選択肢4:カールバウム(Kahlbaum, K.)
×
カールバウム(1828~1899、ドイツの精神医学者)は、精神現象を先入観なしに正確に記述する記述精神医学の立ち場から、思春期に発症し急激に人格水準が低下する精神病の一群を「破瓜病」と名付けた。全身の筋肉が硬直する独特な病態を呈する一群の症例をまとめて「緊張病」と名付けた。後にクレペリンが早発性痴呆(統合失調症)の概念を導くにあたり、カールバウムによる破瓜病と緊張病の報告が大きく影響を与えた。
選択肢5:アルツハイマー(Alzheimer, A.)
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アルツハイマー(1864~1915、ドイツの精神医学者)は、脳病理組織学の所見(脳の萎縮、特に大脳皮質における神経細胞の減少、神経原線維変化および老人班)を報告。現代のアルツハイマー型認知症につながる疾患概念が確立した。
正答
1(ピネル(Pinel, P.))