こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
問題11 次のうち、国際生活機能分類( ICF )でいう心身機能の改善に焦点を当てたものとして、正しいものを1つ選びなさい。
- 幻聴を減らすための薬物療法
- 精神疾患について理解を深めるための心理教育
- 偏見を持たずに精神障害者を雇用する職場を増やす啓発活動
- 高次脳機能障害の人にも使い方が分かりやすい道具の開発研究
- 認知症の人が生活しやすいグループホームの在り方の研究
設問について
国際生活機能分類( ICF )についての理解が問われる問題。
中央法規のテキストでは、ICFに関する記述は複数の科目にわたっているので、ICFについて系統立てて学ぶのはやや難。
中央法規「生活支援システム」p2~が一番詳しい印象。
厚生労働省:ICF(国際生活機能分類)-「生きることの全体像」についての「共通言語」-によると、ICF は、「生活機能」の分類と、それに影響する「背景因子」(「環境因子」、「個人因子」)の分類で構成される。
生活機能の3レベル(「心身機能・構造」:心身の働き、「活動」:生活行為、「参加」:家庭・社会への関与・役割)の内容は下記の通り。
(1)心身機能・身体構造(生物レベル、生命レベル)
生命の維持に直接関係する、身体・精神の機能や構造で、これは心身機能と身体構造とを合わせたものである。
心身機能とは、たとえば手足の動き、精神の働き、視覚・聴覚、内臓の働きなど。
身体構造とは、手足の一部、心臓の一部(弁など)などの、体の部分のこと。(2)活動(個人レベル、生活レベル)
生活行為、すなわち生活上の目的をもち、一連の動作からなる、具体的な行為のこと。
これはあらゆる生活行為を含むものであり、実用歩行やその他のADL(日常生活行為)だけでなく、調理・掃除などの家事行為・職業上の行為・余暇活動(趣味やスポーツなど)に必要な行為・趣味・社会生活上必要な行為がすべてはいる。
また ICF では「活動」を「できる活動」(「能力」)と「している活動」(「実行状況」)との 2 つの面に分けて捉える(参照:p3-9)。(3)参加(社会レベル、人生レベル)
上記厚労省資料
家庭や社会に関与し、そこで役割を果たすことである。
社会参加だけではなく、主婦として、あるいは親としての家庭内役割であるとか、働くこと、職場での役割、あるいは趣味にしても趣味の会に参加する、スポーツに参加する、地域組織のなかで役割を果す、文化的・政治的・宗教的などの集まりに参加する、などの広い範囲のものが含まれる。
各選択肢について
選択肢1:幻聴を減らすための薬物療法
〇
薬物療法は精神の働きへの作用を意図しており、心身機能の改善に働きかけると言える。
選択肢2:精神疾患について理解を深めるための心理教育
×
精神疾患について理解を深めることで心身機能の回復を試みるものとも言えるが、ここでは、心理教育を受ける「活動」を行う、あるいはそのような場に「参加」することと分類してほしそうな設問。
選択肢3:偏見を持たずに精神障害者を雇用する職場を増やす啓発活動
×
「偏見を持たずに精神障害者を雇用する職場」という環境因子に働きかけるための、これらを増やす「活動」を行うか、そのような活動に「参加」すること、というところか。
選択肢4:高次脳機能障害の人にも使い方が分かりやすい道具の開発研究
×
「高次脳機能障害の人にも使い方が分かりやすい道具」という環境因子を開発研究するという「活動」を行うか、そのような開発研究に「参加」すること、と分類できそう。
選択肢5:認知症の人が生活しやすいグループホームの在り方の研究
×
「認知症の人が生活しやすいグループホーム」という環境因子を研究するという「活動」を行うか、そのような開発研究に「参加」すること、と分類できるかな。
正答
1(幻聴を減らすための薬物療法)