こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
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事例問題2
次の事例を読んで、問題に答えなさい。
〔 事例 〕
大手の情報通信産業企業であるU社は、障害者法定雇用率の引上げに対応するため、総務部に社員サポート室を新設することにした。Gさん( 精神保健福祉士 )は、大学卒業後に障害者雇用支援機関で10年間勤務した後、U社に入職した。主な担当業務は、障害者の雇用と雇用管理、社員のメンタルヘルス支援である。入職して4か月後、制作部門のH課長が、部下でプログラム開発作業に従事しているJさん( 35歳、男性 )のことで相談に来た。H課長は、「Jさんは1年前に交通事故に遭って入院し、4か月で仕事に復帰した。ところが、復帰後はパターン化した仕事でなければミスばかりして、指示された内容もよく忘れる。仕事に集中できず、意欲も減退している。診断書には、高次脳機能障害による注意障害と記憶障害があり、これ以上の改善は難しいと記載されていると聞いている。社員サポート部門が新設されたと聞いたので、相談に乗ってほしい」と話した。話を聞いたGさんは、Jさんとインテーク面接を行った後に、アセスメントとして、最初に機能評価を行った。(問題52)
そして、全てのアセスメント結果から、Jさんに対する支援計画案を作成した。(問題53)
さらに、Gさんは、支援計画案を基にJさんとその家族、H課長と話し合い、支援計画を策定した。その後、Gさんを中心とした会社の支援もあり、Jさんは仕事を継続できている。時に、周りの社員と折り合えずに不適応を起こすこともあるが、その都度、Gさんが相談に乗り、解決している。
その後、社内で、精神障害について理解を深めたいという声が上がったことから、Gさんは、社員を対象とした研修会の開催、精神障害の特徴と合理的配慮事項を記したパンフレットの作成配布など、精神障害者の雇用管理に向けて活動している。これらの活動が評価され、Gさんは、自社の障害者実雇用率をさらに高め、職場定着も図るよう会社から指示を受けた。そして、Gさんは、実現に向けて活動を開始した。(問題54)
問題54 この時点でのGさんの活動に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
- 会社独自の雇用率を設定し、労使間で承認してもらうよう働き掛ける。
- 障害者用に一律に減額した給与表を作成し、雇用機会の拡大を図る。
- 精神障害のある社員の協力を得て、精神障害者保健福祉手帳の有無を管理する。
- 社内の主な職務について、各部署の社員と一緒に難易度を調査する。
- 障害のない社員を対象に、元気回復行動プラン( WRAP )のプログラムを実施する。
設問について
組織における障害者実雇用率を高め、職場定着も図るための活動とは何か。
精神保健福祉士に求められる、精神障害者も働きやすい環境作り、障害者の雇用支援についての理解が問われる問題。
参考
高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者雇用納付金制度の概要
各選択肢について
選択肢1:会社独自の雇用率を設定し、労使間で承認してもらうよう働き掛ける。
〇
「会社独自の雇用率」を、制度上の雇用率を上回る率と読み取れば、「自社の障害者実雇用率をさらに高め」るための活動につながると考えられる。
選択肢2:障害者用に一律に減額した給与表を作成し、雇用機会の拡大を図る。
×
給与を障害者用に一律に減額するのは不適切。
選択肢3:精神障害のある社員の協力を得て、精神障害者保健福祉手帳の有無を管理する。
×
2018年から精神障害者保健福祉手帳の所持者も法定雇用率の算定対象になったが、特に合理的配慮を求めていない人についてまで雇用側が従業員の手帳の有無を管理するのは不適切。
選択肢4:社内の主な職務について、各部署の社員と一緒に難易度を調査する。
〇
精神保健福祉士が各部署の社員と一緒に社内の主な職務の難易度を調査し把握することで、精神障害者のニーズや特性に応じた配置や必要な支援を行うことが可能となる。
選択肢5:障害のない社員を対象に、元気回復行動プラン( WRAP )のプログラムを実施する。
×
元気回復行動プラン( WRAP )は、精神障害の当事者がリカバリーを実現するためのプログラム。
障害のない社員が使ってもいいけど、雇用率や定着率の向上につながらない。
メアリー・エレン・コープランド氏を中心に、精神障害のある人たちによって作られたリカバリーにつながるためのツールで、日本ではWRAP研究会が「Wellness Recovery Action Plan」という言葉を「元気回復行動プラン」と翻訳。
病気ではなく健康や元気に焦点を当て、リカバリーを理念とし、基本的にグループで実践する精神障害当事者のセルフケアプログラム。当事者自身が自らの力で生活や健康を管理することを目的として、個別に作成する6つのプログラムで構成される。
正答
1(会社独自の雇用率を設定し、労使間で承認してもらうよう働き掛ける。)
4(社内の主な職務について、各部署の社員と一緒に難易度を調査する。)