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問題60|第20回 精神保健福祉士 国家試験 ④精神保健福祉の理論と相談援助の展開

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題

事例問題4

次の事例を読んで、問題に答えなさい。

〔 事例 〕
Aさん( 40歳、女性 )は、18歳で統合失調症を発症し、入院経験がある。受診は継続し、時々対人緊張が強くなったり幻聴体験はあるが、自分で対応できている。夫が代表の農業法人に勤め、子ども( 7歳 )がいる。
Bさん( 45歳、女性、精神保健福祉士 )は、以前、Aさんの受診先の精神科病院に勤務し、初診時からの担当であった。5年前に退職し精神保健福祉士事務所を開業、スクールソーシャルワーカーとしても勤務している。
Bさんの退職後、AさんとBさんは、それぞれの子育ての悩みを話し合ったことをきっかけに、時々会って話をする関係を続けていた。その後、地域で子育てサークルを始め、今ではメンバーが増え、子どもたち向けの活動も行うようになり、Aさんは会長、Bさんは事務局長として会を運営している。
ある日、勤務している学校で、精神障害のある母親( Cさん )と行動障害があるその子どもへの支援を検討する中で、この子育てサークルの活用が提案された。それを受けてBさんはCさんに、「親子の情報を事前に会のメンバーに知らせ、理解しておいてもらった方がよい」と提案したが、Cさんは、「参加したいが病気や障害のことは知られたくない」と訴えたため、Bさんは、倫理的ジレンマを感じながらもサークルでの支援を進めた。(問題58)
初回参加時のその子の落ち着かない言動とCさんの子どもへの対応に、会のメンバーからは、「一緒にやっていくのは無理」という声が多く上がった。Bさんは、Cさん親子と会のメンバー両者の利益を視野に入れながら話合いを重ねた。Aさんの体験談もメンバーに大きな影響を与え、最終的にメンバー全員の了承が得られた。(問題59)
これを契機に、メンバーの福祉課題への関心が高まり、新しい活動を展開するためにNPO法人の設立を模索することになった。ある日の打合わせ後に、Aさんは、「20歳の頃は人生を諦めていた。病気の経験が人の役に立つなんて思っていなかった。病気のことは心配だし、どこかに引け目はあるけれど、家族、友人、仕事があるし、新しい活動が楽しみ」と語った。(問題60)

目次

問題60 次の記述のうち、Aさんが語ったことの意味として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. これまでの人生で失った機能の回復を追い求める。
  2. 客観的な基準に基づいて自分を評価する。
  3. 専門家によって支えられた暮らしを楽しむ。
  4. 疾病や障害から脱却した人生を送る。
  5. 自分で自分の人生のストーリーを捉え直す。

設問について

精神障害者支援の理念についての理解が問われる問題。

ノーマライゼーション、ソーシャルインクルージョン、エンパワメント、ストレングス、レジリエ(ア)ンスといった、精神障害者支援の理念については、中央法規当該科目テキストI(第2版)p71~。

本問では特にリカバリーについて理解していれば正答にたどり着けるかと。

「精神病または障害からリカバリーするというコンセプトは、苦しみが消えたり症状の全てがなくなったりすること、完全に病気が回復するという意味ではない。例えば、麻痺がある人は骨髄が回復していないが回復するのと同じように、精神障害者は、病気自体は治っていないがリカバリーするのである。〔中略〕病気や障害は治癒・改善できていなくてもリカバリーできる。〔中略〕リカバリーは、その人の態度や価値観、感情、目標、技術、役割などを変えていく極めて個人的で独自のプロセスである。〔中略〕病気が原因となって生じる制限があるにしろないにしろ、充実し、希望に満ち、社会に貢献できる人生を送ることである。リカバリーは、人が精神疾患からもたらされた破局的な状況を乗り越えて成長するという、その人の人生における新しい意味と目的を発展させることである」。

上記テキストp79

各選択肢について

選択肢1:これまでの人生で失った機能の回復を追い求める。

×

Aさんの語りは、これまでの人生で失った機能の回復を追い求める内容ではない。

選択肢2:客観的な基準に基づいて自分を評価する。

×

Aさんの語りは、主観的な基準に基づいている。

選択肢3:専門家によって支えられた暮らしを楽しむ。

×

今のAさんの生活についての発言に、専門家に支えられている旨の内容は含まれていない。

選択肢4:疾病や障害から脱却した人生を送る。

×

疾病や障害から脱却してはいなくて、むしろ「病気のことは心配だし、どこかに引け目はある」。

選択肢5:自分で自分の人生のストーリーを捉え直す。

リカバリーについての上記引用に沿っている。

正答

5(自分で自分の人生のストーリーを捉え直す。)

第20回 精神保健福祉士 国家試験 全問題はこちら

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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