こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
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事例問題
次の事例を読んで、問題78から問題80までについて答えなさい。
〔 事例 〕
Hさん( 50歳、男性 )は、統合失調症の診断を受けており、4年前にV精神科病院に3回目の入院をした。入院前、母親と二人暮らしをしていたが、入院して間もない頃、母親は病死した。Hさんの病状は安定しており、V精神科病院のJ精神保健福祉士は、何度かHさんに退院の話を持ち掛けたが、当初はHさんは関心がない様子だった。
ある日、Hさんは、J精神保健福祉士に勧められて、「退院者の集い」に参加し、来院した一人暮らしをしているKさんと出会った。Kさんが生き生きと語る地域生活の体験談に強く興味をひかれたHさんは、J精神保健福祉士に、自分も退院して一人暮らしがしてみたいと相談した。
その後、Hさんの主治医などとも話合いを重ね、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく手続を行い、地域移行支援の利用が決定した。
W機関の職員であるLさん( 相談支援専門員、精神保健福祉士 )は、Hさんの希望を聞き、体験宿泊での一人暮らしの練習や事業所の見学などを盛り込んだ地域移行支援計画案を作成した。(問題78)
宿泊体験などを通して、Hさんは、一人暮らしに関する具体的なイメージが持てるようになった。一人暮らしへの準備は順調に進んでいたが、貴重品の管理だけは、Hさんにとって心配の種だった。通院などで外出している間も、置いてきた生活費や通帳、印鑑が盗まれないか不安になり、外出時に持参しても、確かに持っているのか何度も確認しなければならず、気が休まらなかった。Hさんから、信頼できる人に貴重品を預けたいと相談を受けたLさんは、Hさんに対応する事業を紹介した。(問題79)
Hさんは、一人暮らしが落ち着いた後、無理のない範囲で働きたいと思うようになった。Hさんは、見学した事業所の中でもX事業所の運営する喫茶店が気になっていた。雇用契約を結ばず最低賃金が保障されないのは残念だが、期間の定めもなく、体調に応じて柔軟に働けるところに魅力を感じていた。(問題80)
問題79 次のうち、Lさんが紹介した事業として、正しいものを1つ選びなさい。
- 日常生活自立支援事業
- 自発的活動支援事業
- 生活福祉資金貸付事業
- 家計相談支援事業
- 移動支援事業
設問について
精神障害者の金銭・財産管理についての理解が問われる問題。
正答以外の選択肢の事業についても知っておきたい。
各選択肢について
選択肢1:日常生活自立支援事業
〇
日常生活自立支援事業とは、認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等のうち判断能力が不十分な方が地域において自立した生活が送れるよう、利用者との契約に基づき、福祉サービスの利用援助等を行うもの。
選択肢2:自発的活動支援事業
×
自発的活動支援事業は、総合支援法の中で、市町村地域生活支援事業の中の、市町村必須事業に位置付けられるもので、障害者等やその家族、地域住民等が自発的に行う活動に対し支援する事業と、社会福祉法人等が実施するそれらの事業に対し補助する事業がある。
選択肢3:生活福祉資金貸付事業
×
「生活福祉資金貸付制度」は、低所得者や高齢者、障害者の生活を経済的に支えるとともに、その在宅福祉および社会参加の促進を図ることを目的とした貸付制度。都道府県社会福祉協議会を実施主体として、県内の市区町村社会福祉協議会が窓口となって実施している。
選択肢4:家計相談支援事業
×
生活困窮者自立支援制度で、任意事業に位置付けられていたもの。
廃止済み。
今(2023年10月)は「家計改善支援事業」で家計の立て直しをアドバイス。
家計状況の「見える化」と根本的な課題を把握し、相談者が自ら家計を管理できるように、状況に応じた支援計画の作成、相談支援、関係機関へのつなぎ、必要に応じて貸付のあっせん等を行い、早期の生活再生を支援している。
選択肢5:移動支援事業
×
単独では外出困難な障害者(児)が、社会生活上必要不可欠な外出及び余暇活動や社会参加のため、外
出時にヘルパーを派遣し、必要な移動の介助及び外出に伴って必要となる介護を提供するサービス。
正答
1(日常生活自立支援事業)