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問題31|第21回 精神保健福祉士 国家試験 ③精神保健福祉相談援助の基盤

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題

目次

〔事例〕

来日した留学生Bさん(24歳、男性)は、日本語学校に入学し、生活習慣の違いに不安を抱えながらも新生活を始めた。居住している留学生会館があるN地区は、外国籍の労働者や留学生が多く、国際結婚をした家族も多数居住している。Bさんは、同じ日本語学校の留学生Cさんたちともすぐに仲良くなり、当初あった不安も減り孤独を感じることなく、慌ただしいながらも暮らしに馴染んでいった。(問題30)

来日して3か月が過ぎた頃から、Bさんは気分が落ち込み、仲間たちとも次第に距離をとるようになっていった。その様子を心配したCさんが、Bさんに付き添い日本語学校の保健室を訪れると、留学生支援で実績があるN地区のUクリニックを紹介された。

Uクリニックの医師は、Bさんに薬物療法の必要性を伝え、定期的な通院を勧めた。インテークを担当したD精神保健福祉士は、言語や生活習慣の違いを特に注意しながら、Bさんと面接を行った。(問題31)

Bさんは、D精神保健福祉士との面接を通じて、二人にサッカーという共通の趣味があることも分かり、徐々に打ち解けていった。その後、Bさんは、自分の不調をうまく言葉に表すことができず苦しかったことや、日本での手続が複雑で困ったこと、日常生活で困惑したことなどを話すようになり、元気を取り戻していった。

ところがある日、BさんはD精神保健福祉士に、「留学生同士でも違う」、「みんな一緒にするな」と語気を荒げた。そして、普段はあまり使わない母国語も交え、「この地区では同じ国の出身者と集まることが多い」、「留学生同士でも仲間に入れない人や、孤立している人がいる」と続け、これまで感じていた違和感や疎外感について訴え、肩を落とし、やがて沈黙し涙を浮かべた。(問題32)

Bさんは通院を継続し、半年後には落ち着いて仲間たちとも付き合えるようになった。最近の面接では、「趣味のサッカーをいかし、地域で交流を深められないか」と前向きな発言が聞けるようになってきている。

問題31 次のうち、D精神保健福祉士がBさんとの面接に当たり、念頭に置く内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. コミュニティオーガニゼーション
  2. エビデンス・ベースド・プラクティス
  3. ソーシャルアクション
  4. ソーシャルエクスクルージョン
  5. カルチュラル・コンピテンス

設問について

他文化を背景に持つクライエントへの支援において必要なことについての理解が問われる問題。

多文化と精神保健については、中央法規「課題と支援」テキストp304-308。

各選択肢について

選択肢1:コミュニティオーガニゼーション

×

地域社会の住民の福祉ニード(要求)を充足させるために、地域の組織化を進める手続をさす。社会福祉事業の主要技術の一つ。

コトバンク

選択肢2:エビデンス・ベースド・プラクティス

×

エビデンス・ベースド・プラクティスは「根拠に基づいた実践」。
クライエントが外国人であるか否かは無関係。

選択肢3:ソーシャルアクション

×

Bさんの現段階の状況で、ソーシャルアクションが必要とは考えられない。

選択肢4:ソーシャルエクスクルージョン

×

日本での暮らしに馴染んでいった後に、仲間たちとも次第に距離をとるようになっていったBさんの状況は、社会的排除とは言えない。

選択肢5:カルチュラル・コンピテンス

Bさんの持つ文化的背景、すなわち日本に来る前に所属していた社会の固有の文化、身に付けてきた思考や価値観のパターンを理解し踏まえた上で支援する必要がある。

正答

5(カルチュラル・コンピテンス)

第21回 精神保健福祉士 国家試験 全問題はこちら

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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