こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
事例問題1
次の事例を読んで,問題49から問題51までについて答えなさい。
〔事例〕
Cさん(50歳、女性)は精神科病院に入院している。Cさんは、専門学校在学中に統合失調症を発症し、退院後に中退した。その後は就職をせずに実家で家事手伝いをしながら、同居する姉夫婦の子どもの面倒を見ていた。両親は既に亡くなっている。これまでCさんは何度か入退院を繰り返しており、今回の入院は3年間となっている。現在の症状は安定している。
Cさんの病棟に新たにD精神保健福祉士が配置された。D精神保健福祉士は、早速Cさんと面接を行った。担当看護師からCさんは退院に否定的ではないと聞いていたが、面接でCさんは退院したくないと言うばかりであった。
不思議に思ったD精神保健福祉士は、姉夫婦と面談したところ、来月には姉の長男が結婚して同居することになっているとのことであった。そのことを外泊時にCさんが知り、それから外泊もしなくなったという。姉夫婦も家族構成の変化や家が狭いことを考えると、Cさんとの同居はできれば避けたいとの意向であった。翌日、D精神保健福祉士は病棟での多職種チームによるカンファレンスに臨み、Cさんへの援助内容について提案した。(問題49)
多職種チームの援助によって退院したCさんは、デイケアに週3日通い始めた。通所当初はメンバーとの交流も少なく、プログラム参加も消極的であった。ある日、就職した元メンバーがデイケアに顔を出し、働く生活について生き生きと話していた。それを聞いたCさんはとても驚き、担当のE精神保健福祉士に、「私なんかなんにもできていないし、とてもあんな人にはなれない」とポツリとつぶやいた。(問題50)
その後、Cさんは少しずつプログラムに参加するようになり、メンバーとの交流も増えていった。処理能力の低さや緩慢な動作がありながらも、6か月後にはミーティングの司会を担当するまでになった。ある時、E精神保健福祉士との面接でCさんは、「この歳だけど、私も一度でいいから会社勤めをしてみたいんです」と語り、就職の意欲を示した。(問題51)
問題51 次の記述のうち、この時にE精神保健福祉士がCさんに話した内容として、適切なものを1つ選びなさい。
- 「プログラムに袋詰め作業を取り入れて、作業スピードの向上を図りましょう」
- 「就労継続支援B型事業所なら働けるので、来週見学に行きましょうか」
- 「同じ障害があっても働いている方から、困難を乗り越えた経験を聞きましょう」
- 「服薬が自己管理できるようになったら、仕事を考えましょう」
- 「就職して再発する方がたくさんいます。今の生活を楽しみませんか」
設問について
就職の意欲を示したクライエントに対して必要な関わりについての理解が問われる問題。
各選択肢について
選択肢1:「プログラムに袋詰め作業を取り入れて、作業スピードの向上を図りましょう」
×
Cさんの強みを活かす就労が、袋詰め作業に関わるものかどうかもわからない段階で必要な支援とは言えない。
選択肢2:「就労継続支援B型事業所なら働けるので、来週見学に行きましょうか」
×
Cさんは会社勤めをしたいと言っているので、その意向を無視してB型を勧めるのは不適切。
選択肢3:「同じ障害があっても働いている方から、困難を乗り越えた経験を聞きましょう」
〇
モデルになり得る人の経験を聴くのは、今後の就労支援に有効と考えられる。
選択肢4:「服薬が自己管理できるようになったら、仕事を考えましょう」
×
Cさんが服薬管理できていないという記述はなく、服薬の自己管理に向けた取り組みは就職活動をしながらでも可能。
選択肢5:「就職して再発する方がたくさんいます。今の生活を楽しみませんか」
×
会社勤めをしたいというCさんの意向を無視する発言で不適切。
正答
3(「同じ障害があっても働いている方から、困難を乗り越えた経験を聞きましょう」)