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問題60|第21回 精神保健福祉士 国家試験 ④精神保健福祉の理論と相談援助の展開

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題

事例問題4

次の事例を読んで、問題について答えなさい。

〔事例〕
X地域活動支援センター(Ⅰ型)(以下「センター」という。)は、近隣のR市中学校より中学2年生を対象とした福祉教育の依頼を受けた。「総合的な学習の時間で精神障害を取り上げたい。生徒がメンタルヘルスを考えるとともに、地域共生について学ぶ機会になってほしい」という。センターに勤務するK精神保健福祉士は、以前、センターの利用者に、「もっと早い段階で病気のことを知っていればよかった」と言われたことを思い出し、改めてセンターに期待される役割を考えた。(問題58)
依頼を受けたK精神保健福祉士は、中学校教諭、センター利用者、民生委員、同僚の精神保健福祉士たちと共同検討会を行い、授業の目的や内容について協議を始めた。授業で取り上げる精神疾患の種類や知ってほしい社会資源を検討していた時、センターの利用者から、「病気やサービスの説明だけで生徒がこころの健康を考えたり、障害のある人と一緒に生きていけるような地域をつくれるだろうか。講義だけでいいのでしょうか?」との意見が出された。そこでK精神保健福祉士は次のように発言した。(問題59)
検討会を重ねるうちに、それぞれの思いや願いを率直に語る雰囲気ができ、各々の立場での考え方を共有していった。生徒たちのメンタルヘルス、地域での精神障害者の生活、感じる偏見などの話題を通して授業の目的や内容が明確になり、案がまとまった。授業のテーマは、「誰かに相談することは自分と大切な人を守る」とし、内容はプログラム1としてメンタルヘルスや当事者体験の講義、プログラム2として交流体験型学習と決定した。(問題60)
授業実施後、生徒たちから、「誰もが一日一日を一生懸命生きていることが分かった」、「自分と周りの人を大切にして行動したい」などの感想が寄せられた。また教諭より、「当事者の方と交流して、地域で共に生きることを生徒たちが考える機会になった」とコメントがあった。その後、K精神保健福祉士は授業についての報告書をまとめ、この取組を他でも展開していけるよう教育委員会に働き掛けを行っている。

目次

問題60 次の記述のうち、プログラム2の内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 生徒がセンター利用者の体験談を聞いて感想文を書く。
  2. センター利用者が生徒にボランティアの依頼をする。
  3. 生徒がセンター利用者の作成した精神疾患のクイズに答える。
  4. 生徒が疑似体験ツールを用いて統合失調症の疑似体験をする。
  5. センター利用者と生徒が精神的不調に気付いた時のロールプレイをする。

設問について

精神保健領域の地域啓発活動に関する理解が問われる問題。

「誰かに相談することは自分と大切な人を守る」というテーマで、中学校の生徒と精神障害者がどのような交流体験型学習をすると、生徒がメンタルヘルスを考えるとともに、地域共生について学ぶ機会になるか。

各選択肢について

選択肢1:生徒がセンター利用者の体験談を聞いて感想文を書く。

×

生徒の感想文をセンター利用者が読めることそのものは有益。
ではあるが、感想文を書くこと自体は交流体験型学習とは言えず、また、プログラム1に含まれるべきものと言える。

選択肢2:センター利用者が生徒にボランティアの依頼をする。

×

センター利用者が生徒にボランティアの依頼をすることは、あっても良いかもしれないが、本来はセンターや学校を通して行うべき手続きであり、この依頼をすること自体がプログラムの目的に沿っているとは言えない。

選択肢3:生徒がセンター利用者の作成した精神疾患のクイズに答える。

×

プログラム1の講義の確認に止まる。
利用者がクイズを出し生徒がそれに答えると、一見交流のようには見えるが、「病気やサービスの説明だけで生徒がこころの健康を考えたり、障害のある人と一緒に生きていけるような地域をつくれるだろうか。講義だけでいいのでしょうか?」というセンター利用者の意見を汲んだものとは言えず、「誰かに相談することは自分と大切な人を守る」というテーマにも沿っていない。

選択肢4:生徒が疑似体験ツールを用いて統合失調症の疑似体験をする。

×

疑似体験ツールを用いて統合失調症の疑似体験をすること自体は有益かもしれないが、疑似体験は交流体験型学習とは言えず、病気の説明の補強としてプログラム1の続き的なもの。

選択肢5:センター利用者と生徒が精神的不調に気付いた時のロールプレイをする。

「誰かに相談することは自分と大切な人を守る」というテーマに沿うもので、自分が自身のこころの不調に気づいた時にどうするべきか、自分のこととして考えるきっかけにもなり、利用者とのロールプレイは交流体験型と言える。

正答

5(センター利用者と生徒が精神的不調に気付いた時のロールプレイをする。)

第21回 精神保健福祉士 国家試験 全問題はこちら

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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