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問題17|第22回 精神保健福祉士 国家試験 ②精神保健の課題と支援

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

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社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題

目次

問題 17 災害時の精神保健に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

  1. 災害発生後 48 時間以内に被災者が呈する精神症状を心的外傷後ストレス障害(PTSD)という。
  2. 厚生労働省によって組織される専門的な研修・訓練を受けたチームを災害派遣精神医療チーム(DPAT)という。
  3. 重度の精神障害者のために考案された介入法をサイコロジカル・ファーストエイド(PFA)という。
  4. 被災者の治療優先順位を決める手法をデブリーフィングという。
  5. 被災者へのケア活動によって,被災を直接経験していない支援者に生じる外傷性ストレス反応のことを二次受傷という。

設問について

1995年(平成7)に発生した阪神淡路大震災以降、日本で実施されるようになった被災者への精神心理社会的支援は、いわゆる「こころのケア」という名前で広く一般社会や精神保健医療福祉関係者に浸透し、様々な実践が行われるようになりました。

が、その定義や活動内容、活動期間の認識は実践者によって様々であり、2003年(平成15)には共通認識を図るべく「災害時地域精神保健医療活動ガイドライン 1)」(平成13年度厚生科学研究費補助金(厚生科学特別研究事業))が作成されています。

2011年(平成23)に生じた東日本大震災では、「災害精神保健医療マニュアル 2)」(平成22年度厚生労働科学研究費補助金 障害者対策総合研究事業(精神障害分野))が新たに指針として作成されたものの、被災した自治体にも支援団体にも、全国から様々に参集したこころのケアチームを統括する災害急性期の支援機能が十分ではなかったために、支援に混乱が生じて悲劇もありました。

このため、2013年(平成25)には、厚生労働省委託事業として災害急性期からの精神科医療ニーズに組織的に対応するために災害派遣精神医療チーム(DPAT)が設立されました。DPAT は、災害派遣医療チーム(DMAT)に準じた指揮命令システムを持ち、研修と実働を通して全国に組織されるようになり、2014年(平成26)以降多くの大規模災害支援活動を実践しています。

災害時の精神保健に関する参考資料

各選択肢について

選択肢1:災害発生後 48 時間以内に被災者が呈する精神症状を心的外傷後ストレス障害(PTSD)という。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは

PTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)は、死の危険に直面した後、その体験の記憶が自分の意志とは関係なくフラッシュバックのように思い出されたり、悪夢に見たりすることが続き、不安や緊張が高まったり、辛さのあまり現実感がなくなったりする状態です。

(中略)

1ヶ月以上たってからも、その体験の記憶が自分の意志とは無関係に思い出され、その時と同じ感情、身体の感覚を感じたり、実際に当時の光景が見えたり、加害者がすぐ近くにいるように感じるというものです。(マーカーbyカエル)

PTSD|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省

下記リンク先ページも参考になります。

1か月未満で消失するものは急性ストレス障害

急性ストレス障害とは、トラウマになる圧倒的な出来事(外傷的出来事)を経験して間もなく始まり、1カ月未満で消失する、日常生活に支障をきたす強く不快な反応です。症状が1カ月を超えて持続する場合は、 心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されます。

急性ストレス障害 – 10. 心の健康問題 – MSDマニュアル家庭版

選択肢2:厚生労働省によって組織される専門的な研修・訓練を受けたチームを災害派遣精神医療チーム(DPAT)という。

災害派遣精神医療チーム(DPAT)とは

DPATとは自然災害や航空機・列車事故、犯罪事件などの集団災害の後、被災地域に入り、精神科医療および精神保健活動の支援を行う専門的なチームです。

(中略)

自然災害や犯罪事件・航空機・列車事故等の集団災害が発生した場合、被災地域の精神保健医療機能が一時的に低下し、さらに災害ストレス等により新たに精神的問題が生じる等、精神保健医療への需要が拡大する。このような災害の場合には、被災地域の精神保健医療ニーズの把握、他の保健医療体制との連携、各種関係機関等とのマ ネージメント、専門性の高い精神科医療の提供と精神保健活動の支援が必要である。
このような活動を行うために都道府県によって組織される、専門的な研修・訓練を受けた災害派遣精神医療チームが DPAT(Disaster Psychiatric Assistance Team: DPAT) である。

DPATとは | DPAT事務局

実際には、都道府県だけでなく、政令指定都市によっても組織されされます(災害派遣精神医療チーム(DPAT)活動要領|厚生労働省)。

選択肢3:重度の精神障害者のために考案された介入法をサイコロジカル・ファーストエイド(PFA)という。

サイコロジカル・ファーストエイド(PFA)とは

支援者が被災者や犯罪の被害を受けた方などと関わるとき、どのように声をかけたり、何に気をつけて接したらよいのでしょうか。PFAは、そのような疑問に応えるための心理的応急処置です。今まで世界中でいくつかのPFAが開発されてきましたが、WHO(世界保健機関)が中心となって開発したものは、もっとも広く用いられています。ストレス・災害時こころの情報支援センターでは311震災の後、WHO版PFAを導入し、積極的に研修、普及を行ってきました(研修情報は下記)。
PFAは、危機的な出来事に見舞われて、苦しんでいる人の心理的回復を支えるための、人道的、支持的、かつ実際の役に立つ様々な支援をまとめたものです。心理的(サイコロジカル)という言葉を使っていますが、社会的生活をささえるための支援も含まれています。また、災害弱者や支援者自身のケアもできるように工夫されています。

PFA・CFS |ストレス・災害時こころの情報支援センター

選択肢4:被災者の治療優先順位を決める手法をデブリーフィングという。

デブリーフィングとは

事故や災害、犯罪被害などの後で、将来のPTSDを予防するために、36時間以内に体験の恐怖を集中的に聞き出すというカウンセリングの方法です。しかしその効果は国際的に否定され、この方法を考えた心理学者も誤りを認めました。多くの被災者、被害者は、暖かなケアと保護によって数か月以内に自然に回復します。不安や不眠が強いときや、回復が思わしくないときには、精神科医による相談窓口が必要です。

デブリーフィング:用語解説|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト厚生労働省

被災者の治療優先順位を決める手法とは

「被災者の治療優先順位を決める手法」はトリアージ。

トリアージとは、災害発生時などに多数の傷病者が発生した場合に、傷病の緊急度や重症度に応じて治療優先度を決めることです。

災害時の医療救護に当たっては、現存する限られた医療スタッフや医薬品等の医療機能を最大限に活用して、可能な限り多数の傷病者の治療にあたることが必要です。

トリアージ 東京都福祉保健局

選択肢5:被災者へのケア活動によって,被災を直接経験していない支援者に生じる外傷性ストレス反応のことを二次受傷という。

二次受傷とは

類似の概念に、二次的外傷性ストレス(STS)、共感性疲弊,代理受傷がある。

災害や事件,自己に遭遇した被害者を救援する側が心的外傷を負うことを二次受傷(secondary traumatization)という

上田 鼓「警察官における二次受傷の男女別規定要因についての研究」(『トラウマティック・ストレス』日本トラウマティック・ストレス学会4(2)、167-175。

支援をする人の傷つきとその対応

(略)被害にあった方々に援助者が継続的に安定したケアを提供するために、治療や援助において援助者側の心身に起こり得る状態を知っておくのはとても大事なことです。

支援をする人の傷つきとその対応|犯罪被害者のメンタルヘルス情報ページ

正答:5(被災者へのケア活動によって,被災を直接経験していない支援者に生じる外傷性ストレス反応のことを二次受傷という。)

第22回 精神保健福祉士 国家試験 全問題はこちら

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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