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問題 21|第22回 精神保健福祉士 国家試験 ③精神保健福祉相談援助の基盤

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題

目次

問題 21 A精神保健福祉士が抱く倫理的ジレンマとして,適切なものを 1 つ選びなさい。

U精神科病院に勤めるA精神保健福祉士は,担当患者のBさんへの支援が思うように展開できないでいた。Bさんは,障害年金と親の多額の遺産金で暮らしているが,「お金がない。生活保護を受けられないか」と何度も訴えていた。A精神保健福祉士は,Bさんが他の患者にお金を貸したり,欲しいものをすぐに買ったりして無駄遣いをしているのに生活保護を受けたいと主張することを好ましく思っていなかった。そのため,どうしてBさんが同じ主張を繰り返すのかについて,その背景に何かあるかもしれないということは気になっていたが,いつも一方的な態度をとるBさんを受け入れられず,「遺産金があるので,生活保護を申請することは難しい」と繰り返し説明していた。
次のうち,A精神保健福祉士が抱く倫理的ジレンマとして,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 自己決定とパターナリズム
  2. 専門職的価値と個人的価値
  3. バウンダリーとクライエントの利益
  4. クライエントの利益と所属機関の利益
  5. 秘密保持とプライバシー

設問について

倫理的ジレンマとは

様々な価値や利害が相反する場面、2つ以上の対立する判断基準がある場面で、選択が困難な状態。

「PSWの価値に基づく実践に取り組んだ時、当事者を取り巻く様々な関係者・関係機関の価値観が衝突する中で、何を優先すべきかを迷い葛藤すること」(一般社団法人日本精神保健福祉士養成校協会 2014)

↓精神保健福祉士が持つべき価値、倫理、規範はここ。
精神保健福祉士の倫理綱領

各選択肢の概念について

選択肢1:自己決定とパターナリズム

自己決定

「精神保健福祉士は、クライエントの自己決定を尊重し、その自己実現に向けて援助する。」と倫理綱領に記載があります。

パターナリズムとは

父権主義のこと。父親が小さな子供のためによかれと思って子供の意向をあまり聞かずに意思決定することから来ている。医師が提供する情報は少なく、医師が意思決定の中心で、患者には選択肢を選ぶ機会を与えないもの。「父親主義」「温情主義」とも言われる。

パターナリズム|”健康を決める力”用語集

選択肢2:専門職的価値と個人的価値

ソーシャルワーカーが専門職として身につけるべき価値とは何か。すべて人間は平等であり、人間の尊厳を有し、かけがえのない存在(実存)として尊重されるという価値である。ソーシャルワーカーは、専門職として共有するこの価値を基盤に実践をしている。

一方で、ソーシャルワーカーも一人の人間として個人の価値観ももつ。価値観とは、その人の育ちや家庭環境、人生における経験等により形成されるのであり、すべての人々は独自に固有の価値観を所有している。そこでソーシャルワーカーはジレンマに向きあうことも多い。ソーシャルワーカーの価値観とクライエントの価値観がぶつかりあうこともある。ソーシャルワーカーはその内面において「一人の専門職としての価値」と「一人の人間としての価値観」の狭間で葛藤し、苦悩する。

『講義と演習で学ぶ保健医療行動科学 4 保健医療専門職のプロフェッショナリズム』日本保健医療行動科学会編

選択肢3:バウンダリーとクライエントの利益

バウンダリー

自分と他人の間に境界線を引く力。他人との間に線引きをしっかりすると、相手の言動に左右されず、受けるストレスを軽減できる。

中央法規過去問題集
クライエントの利益

 (3)地位利用の禁止
 精神保健福祉士は、職務の遂行にあたり、クライエントの利益を最優先し、自己の利益のためにその地位を利用してはならない。

精神保健福祉士の倫理綱領

選択肢4:クライエントの利益と所属機関の利益

所属機関の利益

3.機関に対する責務
  精神保健福祉士は、所属機関がクライエントの社会的復権を目指した理念・目的に添って業務が遂行できるように努める。

(略)

3.機関に対する責務
  精神保健福祉士は、所属機関等が、クライエントの人権を尊重し、業務の改善や向上が必要な際には、機関に対して適切・妥当な方法・手段によって、提言できるように努め、改善を図る。

精神保健福祉士の倫理綱領

選択肢5:秘密保持とプライバシー

秘密保持とプライバシー

 (3)プライバシーと秘密保持
 精神保健福祉士は、クライエントのプライバシーを尊重し、その秘密を保持する。

精神保健福祉士の倫理綱領

正答

正答:2(専門職的価値と個人的価値)

第22回 精神保健福祉士 国家試験 全問題はこちら

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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