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問題32|第22回 精神保健福祉士 国家試験 ③精神保健福祉相談援助の基盤

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題

事例問題 1

ある日,E精神保健福祉士の下に,以前支援していたFさんから手紙が届いた。次の手紙(事例)を読み,問題 30 から問題 32 までについて答えなさい。

〔事 例〕
前略
お久しぶりです。お元気でしょうか。私は変わりなく,毎日W地域活動支援センターに通っています。先日,心の整理もつき,母が亡くなってから 3 年ぶりに,やっとお墓参りに行ってきました。そこでふとEさんのことを思い出し,手紙を書かせていただきました。Eさんにお会いしたのは,入院して 10 年が過ぎようとした頃でした。あの頃は長い入院生活が続き希望も持てず,スタッフにやってもらうことが当たり前の,全てが受け身の生活でした。(問題 30)
しかし病気の母を看取りたいと思うようになり退院しましたよね。間もなく母が亡くなり,何か昼間にできることはないだろうかとEさんに相談しました。私はこれまでの人生を振り返り,母に従ってきたこと,それが正しいことだと思っていたことを話しました。Eさんは私の話をじっくりと聞き,「これまで,大変だったのですね。でも今のFさんは退院後も規則正しい生活を送り,何かをしてみたいという向上心がありますよね」と話してくれました。(問題 31)
相談の後,Eさんが立ち上げに関わったW地域活動支援センターを紹介され,自由に話し合える雰囲気が気に入り利用することにしました。そこで病気について勉強する講座を受講したところ,仲間同士が支え合う活動に興味が湧きました。自分の経験をいかせるのではないかと。そして,ピアサポーターとしてW地域活動支援センターで活動を始めました。そのことを知ったEさんが来て,「ここのスタッフとして働いてみては」と言われましたよね。あの時は正直,驚きました。ピア同士だからできていた話を仕事にすることや,利用者からスタッフに変わることによる立場の違いに戸惑いを覚えたからです。(問題 32)
今も十分とはいえないですが,何とか仕事も続いています。入院中には今の私を想像すらできなかったです。お墓参りで母に報告もできました。Eさんもお忙しいと思いますが,ご自愛ください。またお会いできる日を楽しみにしています。
かしこ

目次

問題32 次のうち,この時点でのFさんの状態を表す用語として,適切なものを 1つ選びなさい。

  1. アンビバレンス
  2. 対処能力
  3. 役割葛藤
  4. 二重拘束
  5. スティグマ

設問について

精神保健福祉相談援助に関わる用語についての理解を問う問題。

ピアサポーターとしてW地域活動支援センターで活動していたFさんが、Eさんから「ここのスタッフとして働いてみては」と言われて驚き、戸惑いました。戸惑ったのは、ピア同士だからできていた話を仕事にすることや,利用者からスタッフに変わることによる立場の違いを覚えたから、と書かれています。

各選択肢について

選択肢1:アンビバレンス

同一の対象に対して相反する感情,とくに愛と憎しみが同時に存在している状態。両価性と訳される。このような状態を精神分裂病のおもな症状と考えたブロイラーの造語で,S.フロイトが借用し,必ずしも病的でない,さまざまな現象の説明に用いた。

アンビバレンスとは? 意味や使い方 – コトバンク

選択肢2:対処能力

対処能力(コーピングスキル)は、ストレスへに対応する技術のこと。

選択肢3:役割葛藤

社会学用語。個人が社会生活をおくるうえで占有する役割は,多くの場合複数である。個人が占めているその複数の役割を役割群 role-setと呼ぶが,役割群に対応する役割期待や役割規定が相互に矛盾する内容を含んでおり容易に優先順位をつけられない場合,その個人はジレンマに陥ることになる。その状態を役割葛藤という

役割葛藤(やくわりかっとう)とは? 意味や使い方 – コトバンク

選択肢4:二重拘束

アメリカで活躍した文化人類学者グレゴリー・ベートソンが 1950年代に統合失調症を説明するために提出した概念。二重拘束の訳語も使われる。たとえば,母子関係のような抜き差しならない状況で,あることを「しなさい」と命令する母親が,同時に「いちいち何をしたら怒られるかを気にするんじゃありません」と言ったとすると,子供は母親の命令に対してどのように対処したらよいかわからなくなる。このような事態が繰り返されると,子供はことばの論理的な矛盾のために,行動不能に追い込まれ,結果として統合失調症的行動パターンを身につけるという。現代にこうした状況が一般化しているという認識から,その後の精神医学や精神療法の理論に影響を与えた。

ダブル・バインドとは? 意味や使い方 – コトバンク

選択肢5:スティグマ

ギリシャ語で、奴隷や犯罪者の身体に刻印された「しるし」を意味する。その後キリスト教文化においては、十字架上のキリストの身体の傷と同じ聖痕を意味した。現代では、身体上の障害や、性格上の際立って目立つ個人の特徴、人種・民族・宗教などの集団的特性など、他と異なっているがために望ましくないとみなされる印のことを意味して使われている。

スティグマ(stigma)|”健康を決める力”用語集

正答

3(役割葛藤)

第22回 精神保健福祉士 国家試験 全問題はこちら

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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