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問題33|第22回 精神保健福祉士 国家試験 ③精神保健福祉相談援助の基盤

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題

事例問題 2

次の事例を読んで,問題 33 から問題 35 までについて答えなさい。
〔事 例〕
Gさん(26 歳,男性)は,大学生の時には相手の話した冗談を言葉どおりに受け取ってしまいトラブルに巻き込まれることもあったが,趣味の合う仲間もいて楽しく過ごすことができていた。しかし,就職してからは,元々あった音に対する敏感さに加え仕事の内容ごとに手順が異なり,戸惑うことが多くあった。異なる指示を受け混乱していたGさんはささいなミスを続けてしまい,上司からきつい注意を受けたことがきっかけで,休みがちとなった。Gさんには相談相手もおらず, 1 年もしないうちに自主退職してしまった。その後の求職活動では,書類選考や筆記試験では問題はないものの,面接になるとうまく話すことができず不採用が続いた。そのうちに,「もう何をやってもだめなんだ」と仕事探しをやめ,自宅で家族との接触も避け,自室に籠るようになっていった。
このような本人の様子を心配した両親は,近所のXメンタルクリニックで相談していたが,ある日,両親と一緒にGさんが初めて受診した。そこで,担当となったH精神保健福祉士が,「今日はよく来てくれましたね」と本人を迎え,初回面接を行った。(問題 33)
H精神保健福祉士は,数回の面接で,「周りがうるさいと仕事に集中できない」「パソコンでの作業は長時間集中できる」「急な予定変更には対応が難しい」「就職はすぐにしたいが,今はまだ自信がない」と話すGさんの状況から,地域若者サポートステーションの利用を勧めた。(問題 34)
その後,地域若者サポートステーションの利用を始めたGさんは, 3 か月たったある日の面接で,職場体験プログラムで会社訪問に行った時の様子を語りだした。「指示が具体的で手順が明確だ」「イヤホンを着けたままできるパソコン作業は,手際が良いとスタッフから褒められた」と満足気に話し,「自分にも仕事がやっていけそうだ」と嬉しそうに続けた。(問題35)

目次

問題 33 次の記述のうち,この時点でH精神保健福祉士がGさんに掛ける言葉として,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 「引き籠るようになったきっかけは何ですか」
  2. 「利用したいと思うサービスを教えてください」
  3. 「両親とよく話をしますか」
  4. 「これまで受診しなかったのはどうしてですか」
  5. 「今,家でどんな生活をしていますか」

設問について

この時点は、初回面接。
初回にふさわしい言葉・問いかけを選びます。

厚生労働科学研究事業「地域精神保健活動における介入のあり方に関する研究」の成果から、以下部分的に引用しました。
とても有用な資料だと思います。

初回面接に臨む人の一般的心理を理解しておきましょう
1)援助者は、無力感と挫折感に共感します
2)援助者は、肯定的動機を確認しましょう
3)援助者は、否定的動機にも配慮します
4)「自家製の診断」を大切にしましょう
5)援助の中では、「エンパワメント」に力点をおきましょう

初回面接での援助技法の実際
1)出会う前にほんの少し考える時間を取りましょう
2)出会ったとき、来所できたこと・ここまでこぎつけたことをねぎらうことから始めましょう
3)情報収集の目的は、原因さがしではなく、これからに役立つ材料さがしです
4)「問題」を家族や本人から引き離し、「問題」と「人」は別々のものと考えるようにしましょう
5)家族や本人が初回面接の場で感じている不安を取り上げて、面接のストレスを減らし、援助関係を作っていきましょう
6)次回の来所につなげることが最大の目標です

10代・20代を中心とした「ひきこもり」をめぐる地域精神保健活動のガイドライン|厚生労働省

各選択肢について

選択肢1:「引き籠るようになったきっかけは何ですか」

上記資料に「3)情報収集の目的は、原因さがしではなく、これからに役立つ材料さがしです」とあります。引き籠るようになった原因を探すのではない、しかもGさんの状態を「引き籠り」という言葉で決めつけることのない、言葉がけが必要と思われます。

選択肢2:「利用したいと思うサービスを教えてください」

ゆくゆくは尋ねるかもしれませんが、初回の面接で相手をいきなりサービスにはめこむような対応は不適切と思われます。

選択肢3:「両親とよく話をしますか」

初回の面接では、本人が感じている不安を取り上げて、面接のストレスを減らし、援助関係を作り、次回の来所につなげることが最大の目標です。

両親との関係は、ゆくゆくは尋ねることとなるかもしれませんが、初回の面接で聞くのは不適切と思われます。

選択肢4:「これまで受診しなかったのはどうしてですか」

初回の面接では、来所できたこと・ここまでこぎつけたことをねぎらうことから始めるべきであり、これまで受診しなかった理由を尋ねることで相手は責められているような気持にもなり、不適切。

選択肢5:「今,家でどんな生活をしていますか」

初回の面談では、主訴の把握(背景も含めて)を行います。
相談者がどのような状況にいて、何を思い何を感じているのか。支援の必要性はあるのか。どんな支援が必要か。自機関で対応可能か。
といったことを相談しながら見立てていくための言葉がけとして適切と考えられます。

正答

5(「今,家でどんな生活をしていますか」)

第22回 精神保健福祉士 国家試験 全問題はこちら

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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