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問題57|第22回 精神保健福祉士 国家試験 ④精神保健福祉の理論と相談援助の展開

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題

事例問題 3

次の事例を読んで,問題 55 から問題 57 までについて答えなさい。
〔事 例〕
Q市の地域若者サポートステーション(以下,「Qステーション」という。)で働くD相談員(精神保健福祉士)のところへ,抑うつ傾向にあるEさん(32 歳,女性)の母親が,娘の将来を案じ相談に訪れた。話を聴くと,Eさんは 1 年間の浪人生活の後に大学へ進学した。卒業後は,希望する職業はなく有期雇用の採用であった。デザイン会社,IT企業,不動産会社などを転々として働いたが,この半年間はあまり外出もせず,自宅で過ごす日々が続いている。
D相談員は,母親を通じEさんから了解を得て自宅を訪問した。数回の訪問の中で,Eさんから,「卒業後はリーマン・ショックによる就職難」「そして,結局有期雇用」「資格を取っても意味がなかった」といった傷ついた自尊心などが語られた。同世代のD相談員は,Eさんの話に共感し,「厳しい環境の中でも働けてきたこと」「働きながら資格を取り,様々な業種でキャリアを積んできたこと」「社会とつながろうとする気持ちがあったこと」などといったメッセージを返した。(問題 55)
その後,EさんはQステーションを訪れるようになり,再び就職してみたいと考え始め,「無理しない程度で,若い人たちと会えるような職場があれば」とD相談員に話した。D相談員は自分の出身大学に隣接した,学生に人気があるカフェで求人が出ていたことを思い出し,Eさんの自宅から近いことや土日が休みであることなど,Eさんの希望とも合うことから,求人面接にチャレンジしてみるよう話した。(問題 56)
その後,Eさんは無事に採用され,時には気分が落ち込むこともあったものの,D相談員との面談などにより支えられ, 1 年以上働き続けている。D相談員は,「働くことの息苦しさや困難さがあってもどうにかやってきたのですから,ここまでのことを誰かに伝えてみませんか」とEさんに提案してみた。「自分の体験が役に立つのなら,挑戦してみようかな」とEさんは話した。そこでD相談員は,このカフェを時々利用している自分のゼミの指導教員を訪ね,Eさんと大学生との交流ができないか相談した。(問題 57)

目次

問題 57 次のうち,D相談員がEさんに対する一連の支援の中で意識して取り組んだものとして,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 機能的アプローチ
  2. エンパワメントアプローチ
  3. エコロジカルアプローチ
  4. 問題解決アプローチ
  5. ユニタリーアプローチ

設問について

頻出、ソーシャルワークのアプロ―チや理論に関する問題。

理論やアプローチの内容、提唱した人物についてはもちろん、実際の支援の中でどのように実践するのかということについても、しっかり学んでおきたいところ。自分の実践に直結する知識なので。

各選択肢について

選択肢1:機能的アプローチ

フロイトと決別したランク(Rank, O. 1884-1939)の意志療法に影響を受けて同時代に形成された。「機能主義」と呼ばれたこの流れはランクの影響下で形成され、「機関の機能を重視する」視点を打ち出していることから「機能的アプローチ」と呼ばれるようになった。

フロイトの直接的な影響下で理論が形成された心理社会的アプローチが「状況の中にある人間」という概念を提示したのに対して、ワーカーとクライエントに間に成立する援助関係を重要なものと位置づけつつ、精神科医との違いを明示するためにソーシャルワーカーが所属する機関の機能を強調するアプローチ。

1941年にはアプテカーが『機能主義ケースワーク入門』を刊行(日本語訳は1968年に刊行)。ワーカーが働いている期間においては、保護費の支給など特定の社会的サービスを実施する特定の機能があることを強調し、こうした機能を手段として用いることが、精神科医や心理療法家が持っていないワーカーの独自性であると主張した。

選択肢2:エンパワメントアプローチ

2014年のグローバル定義でも用いられている、ソーシャルワーカーにとって重要な理念「エンパワメント」。エンパワメントとは、「人とその人の環境との間の関係の質に焦点をあて、所与の環境を改善する力を高め、自分たちの生活のあり方をコントロールし、自己決定できるように支援し、かつそれを可能にする公正な社会の実現を目指す過程」。(中央法規『相談援助の基盤』p93)

この概念をソーシャルワークに最初に導入したのはソロモンで、ソロモンのモデルを黒人だけでなく抑圧を経験している全ての人々に適用したのがリー。

詳細は下記記事で。

選択肢3:エコロジカルアプローチ

「エコロジカルアプローチ」は、ジャーメインとギッターマンが提唱。システム理論に生態学的な視点を取り入れ、人と環境の相互作用に焦点を当てた理論で、クライエントの環境への対処能力を高めるとともに、クライエントと環境との間にある問題を調整するもの。

選択肢4:問題解決アプローチ

「問題解決アプローチ」は、パールマンが提唱。診断主義と機能主義の折衷を図った。クライエントの問題を解決しようとする能力=ワーカビリティを活用するという考え方。

選択肢5:ユニタリーアプローチ

「ユニタリーアプローチ」はゴールドシュタインが提唱。システム理論の視点を踏まえつつ、戦略・ターゲット・段階の三つの次元から理解し、社会的学習と社会変革に基づいて問題解決を図る。

伝統的なソーシャルワークの方法に焦点を置くのではなく、ソーシャルワーク実践の一元的モデル(ユニタリー・モデル)を検討しようとするもので、行動科学、社会科学から諸概念を導入することで達成しようとする。

正答

2(エンパワメントアプローチ)

第22回 精神保健福祉士 国家試験 全問題はこちら

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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