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問題8|第22回 精神保健福祉士 国家試験 ①精神疾患とその治療

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

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目次

問題 8 次の記述のうち,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を処方するときのうつ病患者に対する説明として,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 「空腹時に服用してください」
  2. 「イライラ感の出現に注意してください」
  3. 「服用後数時間で効果が出現します」
  4. 「服用後数時間は安静にしてください」
  5. 「症状の強いときに頓服として服用してください」

設問について

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)とは?

脳内の神経伝達を改善し、意欲を高めたり、憂鬱な気分などを改善する薬

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の解説|日経メディカル処方薬事典

脳の神経伝達物質の中でもセロトニンの再取り込みを阻害することで神経細胞と神経細胞の間のセロトニンの量を増やし、情報伝達を増強して抗うつ効果を発揮すると考えられています。

うつ病のお薬について(薬の種類や副作用の解説) | すまいるナビゲーター | 大塚製薬

少数の患者では,SSRIの投与開始または増量後1週間以内に,焦燥,抑うつ,および不安が増強したようにみえることがあり, SSRIと自殺傾向の可能性について従来から懸念が存在する。

うつ病の薬物治療 – 08. 精神障害 – MSDマニュアル プロフェッショナル版

2.重要な基本的注意
1)うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。
2)不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。
3)自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。
4)家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。
5)眠気、めまい等があらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させること。
6)投与中止(突然の中止)により、不安、焦燥、興奮、浮動性めまい、錯感覚、頭痛及び悪心等があらわれることが報告されている。投与を中止する場合には、突然の中止を避け、患者の状態を観察しながら徐々に減量すること。

選択的セロトニン再取り込み阻害剤 – 日本医薬情報センター「セルトラリン錠」PDF

各選択肢について

選択肢1:「空腹時に服用してください」

上記引用元「日経メディカル処方薬事典」にあるように、SSRIは消化器症状として、吐き気、嘔吐、便秘、下痢、食欲不振、口渇などの症状があらわれる場合があるので、空腹時の服用を指示することは通常ないと考えられます。

選択肢2:「イライラ感の出現に注意してください」

選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害薬(SNRI)の使用頻度の増大により,セロトニン症候群,賦活症候群,断薬症候群が臨床場面で問題となっている.セロトニン症候群はセロトニン作動性の抗うつ薬によって発現する,まれではあるがときに死亡に至る重篤な副作用である.賦活症候群は抗うつ薬の投与初期や増量後に出現する不安,焦燥,不眠,衝動性,躁状態などの中枢刺激症状を総称するが,本症候群は自殺関連事象と結びつくことがある.断薬症候群は,抗うつ薬を減量あるいは中断後,多くは 7 日以内に嘔吐,頭痛,平衡感覚の障害,不安,焦燥などの身体症状や精神症状が出現する.ときに,攻撃的・衝動的行動などが認められる.また,身体疾患や精神症状の増悪と誤診されることもある.SSRI や SNRI は三環系抗うつ薬に比較して副作用が少ないことから,一般身体科でも処方される機会が多いが,これらの症候群を十分に認識しつつ臨床にのぞむ必要がある.

西嶋康一「セロトニン症候群,賦活症候群,断薬症候群」(『医学のあゆみ』Volume 236, Issue 10, 923 – 928 (2011))

選択肢3:「服用後数時間で効果が出現します」

抗うつ薬は飲んだらすぐに効果があらわれるような即効性のある薬ではありません。個人差がありますが、効果があらわれるまで2週間~1 カ月ほどかかることもありますから、あきらめず、気長に服薬をつづけましょう。

うつ病のお薬について(薬の種類や副作用の解説) | すまいるナビゲーター | 大塚製薬

選択肢4:「服用後数時間は安静にしてください」

日本医薬情報センターの説明にあるように、「5)眠気、めまい等があらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させること。」ということはあっても、安静まで指示することは通常ないと考えられます。

選択肢5:「症状の強いときに頓服として服用してください」

選択肢3の説明にあるように、SSRIは継続して服用することが前提になっているので、頓服として処方することは通常ないと考えられます。

正答

正答:2(「イライラ感の出現に注意してください」)

第22回 精神保健福祉士 国家試験 全問題はこちら

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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