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問題50|第23回 精神保健福祉士 国家試験 ④精神保健福祉の理論と相談援助の展開

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題

事例問題1

次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
精神保健福祉センターの思春期相談担当のA精神保健福祉士(以下「A相談員」という。)の下に、Bさん( 45歳、女性)が娘Cさん( 14歳)のことで相談に来た。Bさんの話によると、「Cは3か月ほど前の中学2年に進級した頃から食べなくなり、急激に痩せてきた。食べるように言うと怒って部屋に入ってしまうので、どうしたらいいか分からない」「養護教諭からこちらの思春期相談を勧められ、本人が拒んだので私だけで相談に来た」という。面談を終えた後、A相談員はBさんに少し待ってもらい、Cさん宛てに書いた手紙を渡してもらうように伝えた。(問題49)
2週間後、CさんはA相談員の下を訪れ、面談するようになった。Cさんは面談の中で、「勉強も部活も頑張ってきた。陸上部で良い成績を出すために減量を始めたが、最近は練習についていけない。部活の友達にはどうしても負けたくない」「家で母親に食べろと言われるのがとても嫌でよくけんかになる。でも、仕事で活躍している母親のことは尊敬している」などと話すようになった。
週に一度の面談を1か月ほど重ね、夏休みを迎えた頃、Cさんは、「部活の顧問から体調が心配だから休むように言われてしまった」「家で過食や嘔吐を繰り返している」「もうどうしていいか分からない」とA相談員に訴えるようになった。その頃には更に痩せて、肥満度マイナス25%まで減少していた。A相談員はCさんに児童専門の精神科受診を勧めていたところ、ようやく受診に至った。診察後、主治医は、「今の状態が続くと2学期の登校は難しいのではないか」とCさんとBさんに伝えたが、Cさんは学校も部活も休みたくないと希望した。報告を受けたA相談員は、CさんとBさんに学校、医療機関との関係者会議を持つことを提案した。(問題50)
関係者会議の数日後、Bさんは一人でA相談員の下へ相談に訪れた。Bさんは、「Cがこのようになったのは私のせいではないか」「このまま仕事を続けていていいものか悩んでいる。しかし、実は責任のある仕事を任されるようになったばかりで、誰にも相談できずにいる」と思い詰めた様子で語った。(問題51)

目次

問題50 次の記述のうち、A相談員が提案した関係者会議の目的として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. Cさんが食べない原因を共有し、食事と体重管理の体制を構築する。
  2. 学校が実施できる合理的な配慮について確認する。
  3. 忙しいBさんに配慮し、今後の方針を医療機関と学校で決めていく。
  4. Cさんの病状と治療計画に関する情報を学校関係者と共有する。
  5. Cさんの気持ちをくんで、放課後の部活動への参加を検討する。

設問について

学校、医療機関との関係者会議の目的は、連携。
思春期の摂食障害対応における望ましい連携のあり方についての理解が問われる問題。

参考:摂食障害情報ポータルサイト
摂食障害に関する学校と医療のより良い連携のための対応指針 中学校版(PDF、8.13MB)

各選択肢について

選択肢1:Cさんが食べない原因を共有し、食事と体重管理の体制を構築する。

×

Cさんが食べない原因は、この段階で明確にされてはいない。また、摂食障害は特定の原因で発症するものではなく、周囲の大人が決めつけて共有すべき事柄ではない。また、Cさんに体重測定を強要するのは避けるべき対応。

摂食障害は遺伝的要因や出生前・後の様々な環境要因が複雑に関係してかかる疾患であり、何か特定の原因で起こるものではありません。多くの場合、ダイエットやストレス、胃腸の不調などによる食事摂取の低下、体重の減少が発症の引き金となります。ある時点から自分の意志では摂食をコントロールすることができなくなり病気に発展します。

上記対応指針

選択肢2:学校が実施できる合理的な配慮について確認する。

上記対応指針に述べられている、学校生活や学業の指導における病状への配慮の例に以下のものがある。

  • 本人の居場所をつくり、誰かが寄り添えるようにする
  • 保健室での休養を認める
  • 病状に応じて宿題や課題の調整を行う
  • 体育の授業や部活動の参加の度合いを病状に配慮して決める
  • 運動メニューは体力に配慮する
  • 病状に配慮して進路指導を行う

選択肢3:忙しいBさんに配慮し、今後の方針を医療機関と学校で決めていく。

×

摂食障害への対応は、学校内の連携、学校と医療の連携、学校と家族との協力が不可欠。また、家族に対する支援も治療の一環であり、Bさん抜きに今後の方針を決めるのは不適切。

選択肢4:Cさんの病状と治療計画に関する情報を学校関係者と共有する。

医療機関と学校の連携においては、医療機関の治療方針、運動制限など学校生活上の注意、・症状悪化時の対応法についての同意等の情報を共有し、共通の理解が持てるようにする。

選択肢5:Cさんの気持ちをくんで、放課後の部活動への参加を検討する。

×

Cさんの気持ちに寄り添う必要はあるが、現状、部活動への参加はハイリスク。

正答

2(学校が実施できる合理的な配慮について確認する。)
4(Cさんの病状と治療計画に関する情報を学校関係者と共有する。)

第23回 精神保健福祉士 国家試験 全問題はこちら

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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