MENU

問題59|第23回 精神保健福祉士 国家試験 ④精神保健福祉の理論と相談援助の展開

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題

事例問題4

次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
 政令指定都市のP市保健所で働くL精神保健福祉相談員(精神保健福祉士)(以下「L相談員」という。)に、P市に住む父親のMさん( 80歳)と長女のAさん( 50歳)の事で、民生委員から相談があった。「ごみが庭にあふれ悪臭もあり、近隣住民が不安に思っている。Mさんは外に向かって怒鳴るし、Aさんの姿を見なくなった。精神的な病気があるかもしれないので保健所に相談に来た。MさんとAさんが心配だ」とのことだった。次の日、L相談員はMさん宅を訪問した。(問題58)
 玄関から声をかけるとMさんは、「俺の勝手だ。ほっといてくれ」と強い口調で言いドアを閉めた。Aさんの姿は確認できず、名刺を置いてMさん宅を離れた。L相談員は、Mさん親子についての情報収集や今後の支援方法を、関係機関と検討する必要があると判断し、地域包括支援センターに連絡した。その結果、地域ケア会議が開かれることとなり、初回会議にはL相談員の他に地域包括支援センターの保健師、社会福祉協議会の福祉活動専門員、P市高齢福祉課の担当者、民生委員が参加した。(問題59)
L相談員が訪問を続けると、Aさんが玄関先に出てくれるようになった。2か月が過ぎた頃Aさんから、「何とかしようと思っていました。でも父は怒りやすくなり、話もかみ合わなくて。私も気分が落ちて、朝は布団から出られなくなって。2年前に15年ほど勤めた会社を辞めたんです。それから、どうしようもなく…」と話があった。詳しく話を聴くと、Mさんには認知症、Aさんには精神疾患の疑いがそれぞれあり、支援を希望していることが分かった。
 チームによる支援を続け1年が過ぎた。少しずつ居住環境は改善されつつある。また、現在Mさんは通所介護(デイサービス)を利用しており、Aさんは精神科クリニックへ通院を続けている。Aさんは、「気持ちが落ち着いてきたような気がします。でもこれからですね」とL相談員に話した。この支援をきっかけに、L相談員はMさん親子のような課題を持つ方への支援の充実や支援体制の構築が必要と考え、「障害者総合支援法」に基づくP市協議会で検討することを提案してきた。(問題60)

(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

目次

問題59 次の記述のうち、この時点の会議におけるL相談員の提案として、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 「積極的な介入をそれぞれ競い合いましょう」
  2. 「期間を設定して、アセスメントをしましょう」
  3. 「所属の専門性をいかした独自の支援計画を立て、それぞれ進めましょう」
  4. 「チームの人数をもっと増やして、支援体制を作りましょう」
  5. 「訪問は、どんな状況でも同じメンバーでしましょう」

設問について

アウトリーチの展開過程とその内容についての理解が問われる問題。

アウトリーチの初期段階において、援助が必要と思われる本人が確認できない、相談の意思がない、援助を拒否する、といった状況のときに、何をどうするべきか?

各選択肢について

選択肢1:「積極的な介入をそれぞれ競い合いましょう」

×

Aさんの姿が確認できず、Mさんとは玄関で少々言葉を交わして拒否的態度をとられた段階で、積極的な介入はしない。しかも競い合って介入はない。

選択肢2:「期間を設定して、アセスメントをしましょう」

この段階では、MさんAさんに対する支援の必要性の判断、必要な支援内容の検討等を行うために、情報が必要な段階。

L相談員が、期間を設定したアセスメントを地域ケア会議において呼びかけることで、関係機関・関係者からの情報収集が可能となり、MさんAさんの状況について多角的に分析できるようになる。

選択肢3:「所属の専門性をいかした独自の支援計画を立て、それぞれ進めましょう」

×

チームアプローチによる支援は、共通の支援目標のもと行われるものであり、独自の支援計画を立てそれぞれ進めることはない。

選択肢4:「チームの人数をもっと増やして、支援体制を作りましょう」

×

MさんAさんに必要な支援が明確でない段階で、チーム増員による支援体制構築はしない。

選択肢5:「訪問は、どんな状況でも同じメンバーでしましょう」

×

初期の信頼関係構築が必要な段階では同じメンバーが訪問することが有効なこともあるかもしれないが、場面に応じて必要な支援は異なり、メンバーは変わってよい。

正答

2(「期間を設定して、アセスメントをしましょう」)

第23回 精神保健福祉士 国家試験 全問題はこちら

あわせて読みたい
第23回 精神保健福祉士 国家試験対策 過去問題しゃぶり尽くし 【(1) 精神疾患とその治療】 問題1 次のうち,摂食,体温,情動の調節に関わっている中枢神経の部位として,正しいものを 1 つ選びなさい。 問題2 次のうち,この患者...

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
プロフィール詳細はこちら

目次
閉じる