こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
問題38 次の記述のうち、精神科専門療法に関する説明として、適切なものを1つ選びなさい。
- 急性期の入院患者に対する作業療法は、生活管理技能の改善を主目的とする。
- 社会生活技能訓練(SST)の基本訓練モデルは、あらかじめ獲得すべき技能が設定されている。
- アルコール専門外来で行う集団精神療法は、各回の自由参加を原則とする。
- うつ病に対する認知行動療法は、捉え方の偏りを修正して問題解決を促す。
- 統合失調症に対する心理教育は、精神分析療法を用いて展開する。
設問について
精神科専門療法についての理解が問われる問題。
各選択肢について
選択肢1:急性期の入院患者に対する作業療法は、生活管理技能の改善を主目的とする。
×
急性期作業療法は、亜急性期から回復期前期に、まとまった目的のあることはできないが、何もしないと落ち着かないとか、逆に自発的な活動意欲が低下している状態の人に対して行われるもので、急性期リハビリテーションにあたる。急性期作業療法では、作業活動に伴うリズムや身体感覚など作業の生理的レベルの作用を利用して、作業療法士と1対1の関係、もしくは他者と場を共有しても同じ活動をすることが要求されない場(パラレルな場)で行われる。病状の安定とともに遷延化を防ぎ、社会生活に必要な生活技能の訓練や、就労に向けた取り組みが可能な心身の基本的機能を回復する、すなわちいわゆるリハビリテーションができる状態にすること(リハレディネス)が目的となる。
ということがテキストに書いてある。
急性期の入院患者に対する作業療法の主目的を端的に述べると、病的状態からの早期脱却、二次的障害の防止、となるかと。
作業療法については、中央法規当該科目Iテキスト第2版p108, 171, 188~, 193。
選択肢2:社会生活技能訓練(SST)の基本訓練モデルは、あらかじめ獲得すべき技能が設定されている。
×
SST(社会生活技能訓練、Social Skills Training)は、クライエントが自分の希望する生活の実現に必要な社会生活技能を把握し、身に付けたい人とのかかわり行動を選択し、その内容を段階的に組み立てて体系的に学習し、身に付けることを援助する。
社会生活技能訓練については、
・中央法規当該科目Iテキスト第2版p171, 209~, 226, 244
・中央法規当該科目IIテキスト第2版p60
選択肢3:アルコール専門外来で行う集団精神療法は、各回の自由参加を原則とする。
×
アルコール専門外来で行う集団精神療法は、本人の意思で参加する前提だが、各回の自由参加を原則とするものではない。治療継続性が重要であり、一定期間は毎回参加が求められる。
選択肢4:うつ病に対する認知行動療法は、捉え方の偏りを修正して問題解決を促す。
〇
2.「認知のかたより」に注目する
うつ病の認知療法・認知行動療法(患者さんのための資料)
私たちはしばしば、「認知のかたより(認知のアンバランス)」と呼ばれる、非機能的な考え方のパターンに陥っています。
これは、多くの人が共通して持っているものですが、うつ状態だと特に顕著になることが多いのです。
厚生労働科学研究費補助金こころの健康科学研究事業
「精神療法の実施方法と有効性に関する研究」
例
- 感情的きめつけ
- 選択的注目 (こころの色眼鏡)
- 過度の一般化
- 拡大解釈と過小評価
- 自己非難(個人化)
- “0か100か”思考(白黒思考・完璧主義)
- 自分で実現してしまう予言
選択肢5:統合失調症に対する心理教育は、精神分析療法を用いて展開する。
×
心理教育とは、精神障害のある人やその家族に対し、疾患や障害、治療や生活のさまざまな工夫に関する知識や情報を心情に配慮しながらわかりやすく伝えるとともに、その病気の症状や生活上の困難などについての対処の工夫や解決の方法を話し合う機会を通じて、自らが主体的にその苦労や困難を解決できるよう支援する方法。
中央法規当該科目IIテキスト第2版p57, 112。
正答
4(うつ病に対する認知行動療法は、捉え方の偏りを修正して問題解決を促す。)