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問題48|第24回 精神保健福祉士 国家試験 ④精神保健福祉の理論と相談援助の展開

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

↓過去問題はここ↓
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目次

問題48 次のうち、H精神保健福祉士が提案する際に意図した精神障害者支援の理念として、最も適切なものを1つ選びなさい。

グループホームを運営しているH精神保健福祉士のところへ、近所でアパート経営をしているJさんが相談に来た。内容は、アパートの空き家対策としてのグループホームへの転用と、それによる利用者と地域住民とのトラブルの心配についてであった。H精神保健福祉士はJさんとの話から、不動産関係者が精神障害者について理解すれば、空き家をグループホームとして活用でき、精神障害者が地域住民の一員として溶け込んで、コミュニティケアが進むのではないかと考えた。そこでH精神保健福祉士は、自身の参加している支援協議会でアパート経営者や不動産関係者向けの精神障害者支援セミナーの開催を提案した。
次のうち、H精神保健福祉士が提案する際に意図した精神障害者支援の理念として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. ソーシャルインクルージョン
  2. ソーシャルロール・バロリゼーション
  3. ソーシャルジャスティス
  4. ソーシャルイクオリティ
  5. ソーシャル・コンストラクショニズム

設問について

ソーシャルワークの価値・理念についての理解が問われる問題。
相談援助の価値と理念については、中央法規「基盤」科目テキスト第2版p78~。

「不動産関係者が精神障害者について理解すれば、空き家をグループホームとして活用でき、精神障害者が地域住民の一員として溶け込んで、コミュニティケアが進む」の発想を説明できるのはどの理念か?

各選択肢について

選択肢1:ソーシャルインクルージョン

ソーシャル・インクルージョン(social inclusion)
 ソーシャル・インクルージョン(social in clusion)は,1980年代にヨーロッパにおこった政策理念であるとされている。インクルージョンは,包摂,包含,包容とも訳される。その意味は,地域や国によって少し異なる。
 ヨーロッパでは,ソーシャル・エクスクルージョン(social exclusion)すなわち「社会的排除」の対立概念として用いられることが一般的である。1970年代のフランスでは,移民の増加などによる産業構造の変化から長期の失業のために貧困から抜け出せなくなる労働者が多数発生し,この状態をソーシャル・エクスクルージョンと呼んだ。ソーシャル・インクルージョンは,ソーシャル・エクスクルージョンや貧困などの問題をより広く解決するための解決策として位置付けられている。
 わが国では,2000(平成12)年12月8日厚生省(現・厚生労働省)の「社会的な援護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会」報告書において,「全ての人々を孤独や孤立,排除や摩擦から援護し,健康で文化的な生活の実現につなげるよう,社会の構成員として包み支え合う」ことをソーシャル・インクルージョンとしている。対象者をすべての人々としている点や健康で文化的な生活の実現を目的としているなど広くとらえている点が特徴的である。
 2006年に採択された障害者権利条約では,地域社会へのインクルージョンとして,障害者が居住地を選択できること,必要な在宅サービス・居住サービス・その他の地域社会支援サービスを利用できること等を挙げている。ここでは,対象者を障害者に限定しているのは当然としても,サービス利用に着目している点が特徴的である。

DINF 障害保険福祉研究情報システム

選択肢2:ソーシャルロール・バロリゼーション

×

アメリカに広がったノーマライゼーションを独自に理論化・体系化して発展させたのは,「ヴォルフ・ヴォルフェンスベルガー(Wolf Wolfensberger)」です。ヴォルフェンスベルガーは,ノーマライゼーションをアメリカやカナダで紹介し,アメリカのネブラスカ州などで政策に導入し,実践しました。ヴォルフェンスベルガーは,障害者などの社会的マイノリティが保護や哀れみの対象として一般市民から下に見られるのではなく,社会的意識の面で一般市民と対等な立場とする事がノーマライゼーションの目指すべきことであると考えたのです。1983年には,ノーマライゼーションの原理にかわる新しい学術用語として「ソーシャル ロール バロリゼーション(Social Role Valorization:社会的役割の実践)」を提唱します。「ソーシャル ロール バロリゼーション」とは,社会的に低い役割が与えられている障害者などの社会的マイノリティに対して,高い社会的役割を与え,なおかつそれを維持するように能力を高めるように促すことで,社会的意識の改善を目指す概念です。
 従来の北欧のノーマライゼーションでは,アブノーマルな個人への改善というよりは,アブノーマルな生活条件や社会環境の改善を重視するという特徴があります。それに対してヴォルフェンスベルガーの目指すノーマライゼーション(ソーシャル ロール バロリゼーション)の特徴は,「個人の能力を高めること」や「社会的イメージの向上」を重視する点にあります。通常に近い行動や外観をとるなど,文化的にアブノーマルな個人の行動・特性についてノーマルになるよう働きかけることも,重要視されます。この点が従来の北欧のノーマライゼーションの流れとの違いです。

東北福祉大学 【学習サポート】
[社会福祉キーワード] ノーマライゼーション

選択肢3:ソーシャルジャスティス

×

ソーシャル・ジャスティス(社会正義:social justice)。

社会正義は「キャリア支援に関わる世界中の人が注目し、自らの実践に取り込もうとしているキーワード(p.22)」であり、キャリア関連の国際学会でたびたび取り上げられているほか、OECD(経済協力開発機構)、ILO(国際労働機関)、世界銀行などでも議論されているという。さらに、最近、日本で盛んに議論されている生産性の問題や、格差問題、働き方改革の問題などとも関係するという。

《書評》下村英雄著『社会正義のキャリア支援─個人の支援から個を取り巻く社会に広がる支援へ』(図書文化社 2020 年)浅 野 浩 美

下村英雄『社会正義のキャリア支援─個人の支援から個を取り巻く社会に広がる支援へ』これは面白そう。私がキャリコンになる前から抱いていた問題意識に直結するテーマ!国試が終わったら絶対読もう。

選択肢4:ソーシャルイクオリティ

×

ソーシャルイクオリティは、社会的地位、人種、性別、その他の要素に関係なく、すべての個人に対して平等な機会と権利を提唱する政治的イデオロギーです。公正さ、公平さ、公正さの原則に深く根ざしており、教育、医療、雇用などの社会的な財産、サービス、機会へのアクセスはすべての人に平等であるべきであると強調しています。

社会的平等の歴史は、政治的なイデオロギーとしては18世紀の啓蒙時代に遡ることができます。この時代には、ジャン=ジャック・ルソーとイマヌエル・カントなどの哲学者が、当時の階層的な社会構造に疑問を投げかけ始めました。彼らは、社会的地位や富に関係なく、すべての個人の固有の価値と尊厳を主張しました。これは当時の支配的な規範からの根本的な脱却であり、しばしば貧困層や社会的に追いやられた人々を犠牲にして貴族や富裕層を優遇していた時代の価値観とは対照的でした。

社会的平等の概念は、フランス革命中の「自由、平等、友愛」の叫び声によってさらに広まりました。革命家たちは、古い封建制度を解体し、平等と正義の原則に基づく新しい社会を確立することを目指しました。これは社会的平等の歴史における重要な転換点であり、不正な社会構造に挑戦し変革するための集団行動の力を示しました。

19世紀と20世紀において、社会的平等のための闘いは新たな形を取りました。女性、労働者、人種や民族の少数派、そして他のマージナライズされたグループの権利を主張する様々な社会運動が台頭しました。これらの運動は、制度的な不平等や不正義に立ち向かい、解体し、より公平で包括的な社会を創り出すことを目指しました。

社会的平等 – iSideWith

選択肢5:ソーシャル・コンストラクショニズム

×

「社会構成主義」「社会構築主義」などと訳される人間科学・社会科学の基礎理論。

正答

1(ソーシャルインクルージョン)

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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