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問題25|第25回 精神保健福祉士 国家試験 ③精神保健福祉相談援助の基盤

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題

目次

問題25 相談援助の理念に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 自立支援とは、不十分な生活スキルを訓練して克服し、地域での暮らしを可能にするための実践的理念をいう。
  2. ノーマライゼーションとは、障害者が地域において普通の生活を営むことが、当たり前である社会をつくる理念をいう。
  3. ハームリダクションとは、罪悪感に働きかけて薬物を断つ動機を高めることを目指す支援理念をいう。
  4. ボランタリズムとは、国や行政による福祉サービスの恩恵を自発的に受けて自立を実現する理念をいう。
  5. ソーシャルイクオリティとは、信頼・規範・ネットワークという人々の協調行動を重視した活動の理念をいう。

設問について

相談援助の理念についての理解が問われる問題。
中央法規当該科目テキスト第2版p78~。

正答以外の選択肢についても理解しておきたい。

各選択肢について

選択肢1:自立支援とは、不十分な生活スキルを訓練して克服し、地域での暮らしを可能にするための実践的理念をいう。

×

ソーシャルワークでは自立支援が究極的な実践的価値として位置付けられる。

「社会福祉基礎構造改革について(中間まとめ)」に以下の記載があるが、「自立」の概念は多義的であり、今後も周到な検討が必要らしい。

○ これからの社会福祉の目的は、従来のような限られた者の保護・救済にとどまらず、国民全体を対象として、このような問題が発生した場合に社会連帯の考え方に立った支援を行い、個人が人としての尊厳をもって、家庭や地域の中で、障害の有無や年齢にかかわらず、その人らしい安心のある生活が送れるよう自立を支援することにある

「社会福祉基礎構造改革について(中間まとめ)」

選択肢2:ノーマライゼーションとは、障害者が地域において普通の生活を営むことが、当たり前である社会をつくる理念をいう。

コトバンク:ノーマライゼーション

選択肢3:ハームリダクションとは、罪悪感に働きかけて薬物を断つ動機を高めることを目指す支援理念をいう。

×

“ハームリダクション”とは、合法・違法に関わらず精神作用性のあるドラッグについて、必ずしもその使用量は減ることがなくとも、その使用により生じる健康・社会・経済上の悪影響を減少させることを主たる目的とする政策・プログラムとその実践である。ハームリダクションは、ドラッグを使用する人、その家族、そしてそのコミュニティに対して有益なものとなる。

国際ハームリダクション協会(International Harm Reduction Association)による見解

シンプルに説明すると、“リスクのある行動を全面的にやめることなく、有害な影響を軽減すること”です。
“害を取り除く、ゼロにする”ことを目指して失敗するよりも、“害を減らすこと”をまず目標にして行動を変えましょう、という取り組み

【健康コラム】知ってほしい、“ハームリダクション” | イーウェル │ 2018年11月01日

選択肢4:ボランタリズムとは、国や行政による福祉サービスの恩恵を自発的に受けて自立を実現する理念をいう。

×

公共・福祉のためにする個人の自発的な協力。通常、無償で行う。

コトバンク

非営利社会活動との関係では、以下の用法が重要である。第1に、キリスト教史のなかではvoluntarismもvoluntaryismも、礼拝(形式)や教育の内容や方法を国教会や国家の統制から擁護し、国家からではなく自発的寄付によって維持されるべきとする主張として使われる。第2に、自発的行動や原理に基づく社会制度や社会運動の主張として使われる。徴兵に対して義勇兵を重視するvolunteerism、労働の徴用に反対するという文脈でのvoluntaryism、政治活動や労働組合活動において国家規制よりも組合等による交渉や闘争の結果を重視するvoluntarism,voluntaryismなどもある。第3に、おもに社会福祉領域において、自発的活動や組織を組み込むことを意味するボランタリズム(voluntarism, volunteerism)があり、さらに広く非営利社会行動論の文脈においては、市民社会全体の価値・思想も表現する(Dennis L.Poole ‘Voluntarism’, Encyclopedia of SocialWork, National Association of Social Workersand Oxford University Press)。どのような意味・文脈かによって、ボランタリズムの社会的・歴史的意義は大きく異なる。一般には、自発性に対置されるのは外部からの強制や決定であり、それをもたらすものへの警戒と拒否である。

非営利用語辞典(非営利法人研究学会編)

選択肢5:ソーシャルイクオリティとは、信頼・規範・ネットワークという人々の協調行動を重視した活動の理念をいう。

×

ソーシャルイクオリティは、社会的地位、人種、性別、その他の要素に関係なく、すべての個人に対して平等な機会と権利を提唱する政治的イデオロギーです。公正さ、公平さ、公正さの原則に深く根ざしており、教育、医療、雇用などの社会的な財産、サービス、機会へのアクセスはすべての人に平等であるべきであると強調しています。

社会的平等の歴史は、政治的なイデオロギーとしては18世紀の啓蒙時代に遡ることができます。この時代には、ジャン=ジャック・ルソーとイマヌエル・カントなどの哲学者が、当時の階層的な社会構造に疑問を投げかけ始めました。彼らは、社会的地位や富に関係なく、すべての個人の固有の価値と尊厳を主張しました。これは当時の支配的な規範からの根本的な脱却であり、しばしば貧困層や社会的に追いやられた人々を犠牲にして貴族や富裕層を優遇していた時代の価値観とは対照的でした。

社会的平等の概念は、フランス革命中の「自由、平等、友愛」の叫び声によってさらに広まりました。革命家たちは、古い封建制度を解体し、平等と正義の原則に基づく新しい社会を確立することを目指しました。これは社会的平等の歴史における重要な転換点であり、不正な社会構造に挑戦し変革するための集団行動の力を示しました。

19世紀と20世紀において、社会的平等のための闘いは新たな形を取りました。女性、労働者、人種や民族の少数派、そして他のマージナライズされたグループの権利を主張する様々な社会運動が台頭しました。これらの運動は、制度的な不平等や不正義に立ち向かい、解体し、より公平で包括的な社会を創り出すことを目指しました。

社会的平等 – iSideWith

正答

2(ノーマライゼーションとは、障害者が地域において普通の生活を営むことが、当たり前である社会をつくる理念をいう。)

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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