こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
問題5 次のうち、ほかの精神疾患よりも、アルツハイマー型認知症を疑う症状として、正しいものを1つ選びなさい。
- 微小妄想
- 妄想知覚
- 観念奔逸
- 連合弛緩(しかん)
- 物盗られ妄想
設問について
アルツハイマー型認知症およびその他の代表的な精神疾患の症状についての理解が問われる問題。
物盗られ妄想以外のアルツハイマー型認知症の主要な症状は押さえておきたい。
各選択肢について
選択肢1:微小妄想
×
微小妄想とは、自己評価が低下し、自分に関する事柄を極端に悲観的に捉え、貧困妄想・罪業妄想・心気妄想がしばしば訂正不能で持続するもの。
うつ病で見られる思考の障害で、自己評価の低下が重症で、自分に関する事柄を極端に悲観的に捉え、次のような妄想による訴えが訂正不能で持続する。
・貧困妄想(貯金がなくなりもう生きていけない、入院費が払えなくなった、など)
・罪業妄想(重大な罪を犯した、その罰を今受けている、など)
・心気妄想(重大な病気にかかった、もう先はない、など)
選択肢2:妄想知覚
×
妄想知覚は、統合失調症に見られる思考内容の異常(妄想)のうち一次妄想に相当する。
一時妄想とは、その生じ方が心理的に領海できないものを指す。
一次妄想は以下の3つに分けられる、
- 妄想気分(なんとなく不気味な気分になり、自分の周辺でただならぬ重大事件が起こっている気配がして不気味だ、などと感じる)
- 妄想知覚(知覚したものに特別の意味を感じる。シュナイダーの一級症状。統合失調症にのみ確認できることが多い特異な症状)
- 妄想着想(突然に頭に浮かんだことをそのまま確信する、例:「私は神だ」と感じたりすること)
選択肢3:観念奔逸
×
双極性障害でしばしば見られる思考の障害。
爽快気分とともに、頭の回転が速くなり、次から次へとアイデアが浮かぶが、脇道にそれて主題からは脱線してしまう。内容は次々に飛んでいってしまうので、一貫せずまとまりがなくなる。目に入ったもの、そこにあったものに話題や関心が引き付けられ、注意が一つのことに長続きしない。
観念奔逸については、中央法規当該科目テキスト(第2版)p144。
選択肢4:連合弛緩(しかん)
×
主に統合失調症に見られる思考過程の異常に、連合弛緩(連合障害、思考のまとまらなさ)が挙げられる。
相互に関係のない感ねんが次々に浮かんで、思考のまとまりがつかない病態。
これが進行すると、思考・言葉が滅裂となり、言葉のサラダ(単語が脈絡なく話される)と呼ばれる状態になる。
連合弛緩には陽性症状と陰性症状のどちらの要素もあるが、言葉のサラダは陽性症状。
選択肢5:物盗られ妄想
〇
アルツハイマー型認知症で最も頻度の高い妄想。
お金や貴金属など大切な物を、誰かが盗んだと強く信じ訂正できない病態。
統合失調症の妄想と異なり、記憶障害を拝啓とした周囲の状況の不正確な認識をもとに、病気の不安や苦しみ、家族の接し方への不満、人の話についていけない孤独感などが重なって現れる。
周囲の状況や人間関係によって症状が変動し、環境調整や円滑なコミュニケーションによって改善を図れる、周辺症状の一つ。。
アルツハイマー型認知症に見られる妄想として、暴力を受けた、悪口を言われた、配偶者が浮気している、といった被害妄想がある、物盗られ妄想はこの被害妄想に区分されることもある。
正答
5(物盗られ妄想)