こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
問題68 次の記述のうち、社会調査におけるオプトアウトの説明として、正しいものを1つ選びなさい。
- 外部との経済的な利益関係等によって、研究が適正に行われないことを指す。
- 調査対象者に研究の目的やリスクなど十分に説明を行い、同意を得ることを指す。
- 調査対象者の既存の個人情報を調査で利用することについて、本人に拒否の機会を保障することを指す。
- 調査対象者の心的外傷に触れる質問をすることで、調査対象者の精神的負担が生じることを指す。
- 調査対象者の人格や尊厳を傷つけるような言動や行為になっていないか、常に意識することを指す。
設問について
社会調査における倫理についての理解が問われる問題。
中央法規当該科目テキスト第6版p363~。
各選択肢について
選択肢1:外部との経済的な利益関係等によって、研究が適正に行われないことを指す。
×
利益相反(conflict of interest)の説明。
公的助成金で研究者が作成した社会医学領域の調査票では有料のものが存在する。有料の場合は. 経済的なインセンティブが生じる可能性があり,利益相反を考慮すべき状況と考えられる。
有料調査票を開発する際の利益相反と倫理
選択肢2:調査対象者に研究の目的やリスクなど十分に説明を行い、同意を得ることを指す。
×
インフォームドコンセントの説明。
選択肢3:調査対象者の既存の個人情報を調査で利用することについて、本人に拒否の機会を保障することを指す。
〇
臨床研究のうち、診療データ等の情報や余った検体のみを用いる研究については、国が定めた倫理指針に基づき、対象となる患者さんから直接同意を受けない場合があります。 この場合は、あらかじめ研究内容の詳細をWebサイトにて公開し、患者さんが拒否できる機会を設けており、このような手法を「オプトアウト」といいます。
臨床研究に関する情報公開について(オプトアウト) | 慶應義塾大学病院臨床研究推進センター
オプトインは調査に同意することを指す。
選択肢4:調査対象者の心的外傷に触れる質問をすることで、調査対象者の精神的負担が生じることを指す。
×
「侵襲」の説明。
⑵ 侵襲
人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針 ガイダンス
研究目的で行われる、穿刺、切開、薬物投与、放射線照射、心的外傷に触れる質問等によって、研究対象者の身体又は精神に傷害又は負担が生じることをいう。
侵襲のうち、研究対象者の身体又は精神に生じる傷害又は負担が小さいものを「軽微な侵襲」という。
選択肢5:調査対象者の人格や尊厳を傷つけるような言動や行為になっていないか、常に意識することを指す。
×
第1章 総則
人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針 ガイダンス
第1 目的及び基本方針
この指針は、人を対象とする生命科学・医学系研究に携わる全ての関係者が遵守すべき事項を定めることにより、人間の尊厳及び人権が守られ、研究の適正な推進が図られるようにすることを目的とする。全ての関係者は、次に掲げる事項を基本方針としてこの指針を遵守し、研究を進めなければならない。
① 社会的及び学術的意義を有する研究を実施すること。
② 研究分野の特性に応じた科学的合理性を確保すること。
③ 研究により得られる利益及び研究対象者への負担その他の不利益を比較考量すること。
④ 独立した公正な立場にある倫理審査委員会の審査を受けること。
⑤ 研究対象者への事前の十分な説明を行うとともに、自由な意思に基づく同意を得ること。
⑥ 社会的に弱い立場にある者への特別な配慮をすること。
⑦ 研究に利用する個人情報等を適切に管理すること。
⑧ 研究の質及び透明性を確保すること。
正答
3(調査対象者の既存の個人情報を調査で利用することについて、本人に拒否の機会を保障することを指す。)