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問題70|第25回 精神保健福祉士 国家試験 ⑤精神保健福祉に関する制度とサービス

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題

事例問題

次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
地元の中小企業で正社員として勤務するJさん(55歳、男性)は、学生時代に統合失調症を発症し、入院をした。退院後に、症状はほぼ消失したため、現在の会社に就職し、何度か再発の危機はあったが、その都度外来治療で乗り越えてきた。ある日、勤務中に、「誰かが自分の命を狙っている」「窓の外に誰かがいる」などの発言がみられるようになり、心配した勤務先の同僚に付き添われてY精神科病院を受診した。
Jさんは支離滅裂なことを言ったり、大きな声で叫んだことから、診察したK医師(精神保健指定医)は直ちに入院を必要とする状態と判断した。入院を勧めたが、Jさんは拒否したため、K医師は本人の意思によらない入院の手続を進めることとした。なお、Jさんの両親はすでに他界しており、兄弟等の親族もいない。(問題70)
入院後間もなく、Jさんは徐々に落ち着きを取り戻した。ある日、Jさんは相談室のL精神保健福祉士に対して、「給与が出なくなり、経済的に不安だ」と訴えた。そこで、L精神保健福祉士は、Jさんに対して、健康保険法に基づく制度を紹介し、申請方法について説明した。その後のJさんは、この制度を利用できたことにより経済的な不安が解消し、退院後の自分の生活について考えられるようになった。(問題71)
3か月後、JさんはY精神科病院を退院した。その後、外来時にJさんは相談室に寄りL精神保健福祉士に対し、「しばらくは働かずに、自宅で療養して過ごそうと思います。ただ、家に一人でいるのも不安があるので、誰かと話したり、趣味である絵を描いたりする場所が欲しいと思っています」と相談してきた。そこで、L精神保健福祉士は、「障害者総合支援法」において、創作的活動や生産活動の機会の提供、社会との交流の促進等を行うZセンターの紹介を検討した。(問題72)

(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

目次

問題70 次のうち、Jさんの入院の同意者として、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 市町村長
  2. 都道府県知事
  3. Jさんの勤務先の同僚
  4. Y精神科病院の管理者
  5. 保健所長

設問について

入院形態とその内容についての理解が問われる問題。
精神保健福祉法における入院形態については、中央法規「精神疾患とその治療」テキスト第2版p292~。

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所の下記ページが、簡潔でわかりやすかったのでメモ。
精神科の入院制度について

各選択肢について

選択肢1:市町村長

精神障害であり、医療と保護のために入院の必要があると判断され、患者本人の代わりに家族等が患者本人の入院に同意する場合、精神保健指定医の診察により、医療保護入院となる。連絡のとれる家族等がいない、もしくは家族等が同意・不同意の意思表示を行わない場合、代わりに市町村長の同意が必要。

(医療保護入院)
第三十三条 精神科病院の管理者は、次に掲げる者について、その家族等のうちいずれかの者の同意があるときは、本人の同意がなくてもその者を入院させることができる。
一 指定医による診察の結果、精神障害者であり、かつ、医療及び保護のため入院の必要がある者であつて当該精神障害のために第二十条の規定による入院が行われる状態にないと判定されたもの
二 第三十四条第一項の規定により移送された者

精神保健福祉法

選択肢2:都道府県知事

×

2名以上の精神保健指定医の診察により、精神障害のため自分を傷つけたり他人に危害を加えようとするおそれがあると判断された場合、都道府県知事の権限により措置入院となる。

緊急措置入院は、急速な入院の必要性があることが条件で、指定医の診察は1名で足りるが、入院期間は72時間以内に制限される。

選択肢3:Jさんの勤務先の同僚

×

Jさんの入院に関して、勤務先同僚には何の役割もない。

選択肢4:Y精神科病院の管理者

×

精神障害であり、医療と保護のために入院の必要があると判断され、患者本人の代わりに家族等(いない場合は市町村長)が患者本人の入院に同意する場合、精神保健指定医1名の診察により、医療保護入院となり、病院の管理者はJさんを入院させることができる。

つまり、病院の管理者は、同意者ではない。

選択肢5:保健所長

×

保健所は精神保健上の入院で下記の役割を担う。
入院の際の同意者にはならない。

8 入院等関係事務

(1) 関係事務の実施

精神保健福祉法では、保健所を地域における精神保健業務の中心的行政機関として、以下のような手続事務を委ねている。

ア 措置入院関係(一般人からの診察及び保護の申請、警察官通報、精神科病院の管理者からの届出の受理とその対応、申請等に基づき行われる指定医の診察等への立ち合い)

イ 医療保護入院等関係(医療保護入院届及び退院届の受理と進達,応急入院届の受理と進達)

ウ 定期病状報告等関係(医療保護入院,措置入院)

エ その他関係業務

○保健所及び市町村における精神保健福祉業務について

正答

1(市町村長)

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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