こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
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問題73 「障害者差別解消法」に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
- 事業者には、差別の解消を図るために必要な啓発活動を行うことが義務づけられている。
- 公的機関には、合理的配慮の提供は努力義務として規定されている。
- 障害者の権利に関する条約の批准に向けてこの法律が制定された。
- この法律における障害者の定義では、障害者手帳の所持が規定されている。
- 社会的障壁の定義では、社会における慣行や観念も含まれている。
(注)「障害者差別解消法」とは、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。
設問について
障害者差別解消法についての理解が問われる問題。
中央法規当該科目テキスト第3版p58,77、170等。
各選択肢について
選択肢1:事業者には、差別の解消を図るために必要な啓発活動を行うことが義務づけられている。
×
(啓発活動)
障害者差別解消法
第十五条 国及び地方公共団体は、障害を理由とする差別の解消について国民の関心と理解を深めるとともに、特に、障害を理由とする差別の解消を妨げている諸要因の解消を図るため、必要な啓発活動を行うものとする。
選択肢2:公的機関には、合理的配慮の提供は努力義務として規定されている。
×
合理的配慮の提供は令和6年4月1日から事業者も義務化される。
(行政機関等における障害を理由とする差別の禁止)
障害者差別解消法
第七条 行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。
2 行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。
(事業者における障害を理由とする差別の禁止)
第八条 事業者は、その事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。
2 事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をするように努めなければならない。
選択肢3:障害者の権利に関する条約の批准に向けてこの法律が制定された。
〇
↓障害者差別解消法の成立に関連する流れ↓
2006年 障害者の権利に関する条約 国連で採択
※障害がある人とない人の平等、合理的配慮義務
2011年 障害者基本法改正
※第4条、差別禁止、社会的障壁の除去、合理的配慮等
2013年 障害者差別解消法成立
※翌年の条約批准に向けて制定
2014年 障害者の権利に関する条約 日本が批准
選択肢4:この法律における障害者の定義では、障害者手帳の所持が規定されている。
×
(定義)
障害者差別解消法
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 障害者 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。
選択肢5:社会的障壁の定義では、社会における慣行や観念も含まれている。
〇
(定義)
障害者差別解消法
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(中略)
二 社会的障壁 障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。
正答
3(障害者の権利に関する条約の批准に向けてこの法律が制定された。)
5(社会的障壁の定義では、社会における慣行や観念も含まれている。)