こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
問題 46 次のうち,精神科リハビリテーションにおける地域ネットワーク形成の目的として,適切なものを 2 つ選びなさい。
- 地域にある関係機関の指揮系統を明確にすること
- 新たなニーズに対応するための社会資源を創出すること
- 各機関による利用者への援助内容を同じにすること
- 再発を防止するために,構成員が自由に利用者の治療内容を共有すること
- 精神障害当事者がサービス提供者となる道筋をつくること
設問について
精神科リハビリテーションとは
リハビリテーション(rehabilitation)は、「re-(再び)」「habilis(適した)」「-ation(する)」からなる造語で、日本語では「再び適した状態にする」といったところ。もともとは身分や地位、権利、名誉といったものの回復を意味していたが、現在では医療や障害に関する用語として定着。
精神科リハビリテーションの定義に唯一のものはなく、一定のコンセンサスを得ている定義がいくつかあり、例えば下記のもの。
ベネットの定義
「できる限り一般の社会的環境のもとで、精神障害者が残っている能力を最大限に活用して、最高の能力を引き出せるように援助していくプロセス」
ウィングとモリスの定義
精神障害に伴う重度の社会的障害を多様なげんいんの相互作用によるものとし、「これらの原因を明らかにし、予防し、最小にすると同時に、個人が自らの才能を伸ばし、それをりようして、社会的役割の成功を通して自信と自尊心を獲得するのを助ける過程」
シェパードの定義
「リハビリテーションの成功の基準は、個人が可能な限りの最高の適応を達成することであり、それは著しい生活能力の改善によるものであっても、そうでなくてもよい」
アンソニーの定義
「長期にわたり精神障害を抱える人がその機能を回復するのを助け、専門家による最小限の介入で、自分で選んだ環境で落ち着き、満足できるようにすること」
介入方法として当事者の技能の育成と社会資源の開発の2つを挙げている。
精神科リハビリテーションにおける地域ネットワーク形成の目的
病院から地域へ、がまだまだ大きな課題である日本。
精神障害者のケアは、医療中心から地域生活支援へともっとシフトしていかなければなりません。
長期入院している精神障害者が退院して地域で暮らせる状況を作っていく過程において、地域ネットワークの形成によって何が達せられるのか。
という視点で考えると正答に到達できるかと。
各選択肢について
選択肢1:地域にある関係機関の指揮系統を明確にすること
地域にある関係機関とは
精神科リハビリテーションにおける地域ネットワーク形成に関係してくる機関としては、例えば下記のようなものが考えられます。
- 病院、リハビリテーション施設
- 福祉サービス事業所
- 行政(精神保健福祉センター、保健所、市町村)(福祉事務所、児童相談所、ハローワーク)
- 社会福祉協議会、社会福祉士法人、NPO法人、
- 町内会、自治会、民生委員、児童委員
こういった機関は、連携することはあっても、行政を除き指揮命令する関係になることは珍しいのでは。
選択肢2:新たなニーズに対応するための社会資源を創出すること
本人を取り巻く環境すなわち社会資源は、リハビリテーションの目標達成に大きな影響を与えます。
アンソニーは資源への介入を資源開発と呼び、既存の資源と結び付ける資源調整と、本人が必要とする形で機能するよう修正する資源修正に整理しました。
選択肢3:各機関による利用者への援助内容を同じにすること
各機関が利用者に対して同じ援助を提供してどうします。
選択肢4:再発を防止するために,構成員が自由に利用者の治療内容を共有すること
精神科リハビリテーションにおける地域ネットワークの中で、情報共有はその目的の範囲内で本人の了解のもと行われます。
選択肢5:精神障害当事者がサービス提供者となる道筋をつくること
専門家だけでなく、当事者の立場で支援できるピアサポーターの活動も期待されています。
正答
2(新たなニーズに対応するための社会資源を創出すること)
5(精神障害当事者がサービス提供者となる道筋をつくること)