こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
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事例問題3
次の事例を読んで、問題に答えなさい。
〔 事例 〕
Kさん( 77歳、男性 )は、小学校の校長を定年まで務めた。退職後は地域での活動を積極的に行い、1年ほど前まで民生委員も務めていた。妻の話では、民生委員を引退してからは、外出や人と接することが少なくなった。特に、3か月ほど前からは、時々食事をしたことを忘れていたり、県外に住む長男家族が帰省した時も、孫の名前を何度も聞いていたと言う。心配した妻は、Kさんが高血圧のために定期通院をしている内科クリニックに相談をした。そうしたところ、主治医から認知症疾患医療センター(以下「センター」という。 )を紹介され、まずは、妻が電話をすることにした。
センターでは、L精神保健福祉士が電話を受け、妻に日常生活において感じていることなどを聞いた。妻は、Kさんが食事をしたことを忘れていることや、孫の名前が出てこないことなどを話した。(問題55)
傍らで聞いていたKさんは、妻が、「認知症ですか」などと発言したことに怒り始め、「そんなことはない」と大きな声で否定した。L精神保健福祉士は、妻にKさんのセンターへの受診を勧めた。しかし、Kさんは頑なに拒み、センターの利用には至らなかった。
2か月が経過した頃、民生委員の後輩のMさんが、民生委員・児童委員協議会の公開シンポジウムにKさんを誘い、一緒に行くことになった。そこで、同年代の認知症の人がシンポジストとして話をするのを聞き、Kさんは、「認知症になってもあれだけの話ができるんだ」と感心した。これが契機となり、Kさんはセンターの受診を受け入れた。二日後にセンターを訪れたKさんと妻は、L精神保健福祉士の面接を受けた。(問題56)
その後、Kさんは各種の臨床検査や心理テストを受け、診察の結果、初期の認知症と診断された。Kさんは診察の中で、たとえ認知症であっても地域の中で活動をしてみたいと言い、再びL精神保健福祉士に今後のことについて相談をした。(問題57)
問題56 次の記述のうち、L精神保健福祉士が行った面接の内容として、適切なものを1つ選びなさい。
- 同じような問題を抱える人たちのグループ活動を紹介する。
- 楽しかった思い出や、うれしかった出来事を整理する。
- 認知症であることを伝え、服薬を指導する。
- 不安や緊張を受け止めて今の思いや、悩みの内容を把握する。
- 長期目標、中期目標、短期目標を考えて提案する。
設問について
精神保健福祉士が行う相談援助の展開についての理解が問われる問題。
疾患の種類に関係なく、初回の面接において適切な内容が判断できれば正答。
各選択肢について
選択肢1:同じような問題を抱える人たちのグループ活動を紹介する。
×
当事者グループは有用な社会資源の1つだが、その紹介を行うのは初回の面接においては時期尚早の可能性が高い。当該事例のこの時点においても、当事者グループの活動を紹介すべき理由はまだ見当たらない。
選択肢2:楽しかった思い出や、うれしかった出来事を整理する。
×
今後の面接でそのようなことが行われることもあるかもしれないが、初回の面接において行うべきこととは言えない。
選択肢3:認知症であることを伝え、服薬を指導する。
×
精神保健福祉士による初回の面接で認知症の診断はできない。また、認知症の診断は医師が行うことであり、服薬指導は薬剤師の役割。
選択肢4:不安や緊張を受け止めて今の思いや、悩みの内容を把握する。
〇
受理面接における情報収集では、精神保健福祉士はクライエントが「生活のしづらさ」を安心して言葉にできるように、クライエントの主訴や相談内容を共感的な態度で傾聴しながら、信頼関係を形成する対話の技法や雰囲気づくりを含めた面接スキルが求められる、また、情報収集のなかでクライエントが自身の生活課題に気づき、その解決に向けて意欲を高める動機づけのスキルが求められる。
中央法規当該科目Iテキスト(第2版)p283
選択肢5:長期目標、中期目標、短期目標を考えて提案する。
×
目標を立てるのはプランニングの段階で行うことであり、初回面接では早すぎる。
また目標は精神保健福祉士が考えるのではなく、KさんとL精神保健福祉士が一緒に考える。
正答
4(不安や緊張を受け止めて今の思いや、悩みの内容を把握する。)