こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
事例問題3
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
留学生であるV大学1年生のGさん( 19歳、男性)は、日本のアニメに興味を持ち、V大学に入学した。Gさんは大学の学生寮に入寮し、アニメ同好会に入部した。友人もでき、同級生のHさんとも仲良くなり、楽しい大学生活が始まったと実感していた。しかし、夏休みにHさんと些細(ささい)なことでけんかして疎遠になり、夏休み明けから大学を休みがちになった。心配した友人のJさんはGさんにソーシャル・ネットワーキング・サービス( SNS )で連絡をするが、返信がなかった。12月になりGさんは、SNSに「みんなに嫌われているから大学に行きたくない」「最近は怖くて外にも出られない」などと書き込んだ。心配したJさんは、このことを学生課に相談した。その後、学生課より連絡を受けた、学生相談室のK精神保健福祉士(キャンパスソーシャルワーカー)は、今後の対応について検討した。(問題55)
その後、K精神保健福祉士と定期的に面接を行うことができるようになったGさんは、元来努力家で真面目な性格なため、「授業を欠席することに罪悪感がある」「もうみんなに嫌われているかもしれない。不安だ。大学に行けない」「最近は夜も眠れず、体がだるい」と話した。K精神保健福祉士は、Gさんのつらさや不安に寄り添いながらW精神科クリニックへの受診を勧め、同行した。診察の結果Gさんは適応障害と診断され、3か月程度の療養が必要と言われた。それを受け、Gさんは両親やK精神保健福祉士とも相談し、大学を休学し一度帰国して自国で療養することとなった。(問題56)
3か月が過ぎた頃、GさんからK精神保健福祉士に、「元気になったから、また後期から大学に行きたい。来週、日本に戻るので相談したい」と連絡があった。その後の面談では、「友人とうまくやっていけるか心配だし、不安になるとまた眠れなくなる」とGさんが語った。それを踏まえて、K精神保健福祉士はGさんが2年生後期から復学するための準備として、友人との関係を回復するために、大学の学生相談室で行われているSSTのうち、個別支援ができる「ひとりSST」にGさんを誘ってみた。(問題57)
問題57 学生相談室で行われた「ひとりSST」の場面で、K精神保健福祉士がGさんに対して期待したこととして、適切なものを1つ選びなさい。
- 自分自身を振り返り、不安になった理由を考えること
- アルバイトを探して、経済的に安定すること
- 交際相手を見付けて、楽しい生活を送ること
- ピアサポーターとなって、他の留学生の支援を行うこと
- 受診や服薬を忘れずに行い、規則正しい生活を送ること
設問について
SST(社会生活技能訓練、Social Skills Training)についての理解が問われる問題。
SSTについては中央法規当該科目IIテキスト第2版p60~等。
SSTは通常グループで行うが、「ひとりSST」(クライエントと一対一の場面でSSTを活用して行う支援)として一人のクライエントにも行える。
「ひとりSST」には、プライバシーが守られるという利点もある。
人との関わりの中におけるどのような行動をクライエントが身に付けたいのかを聞き出して練習する。
各選択肢について
選択肢1:自分自身を振り返り、不安になった理由を考えること
〇
選択肢2:アルバイトを探して、経済的に安定すること
×
Gさんが経済的に不安定と読み取れる記述はない。
選択肢3:交際相手を見付けて、楽しい生活を送ること
×
Gさんのニーズとして、友人とうまくやっていきたいということはあるが、交際相手が欲しいというニーズが読み取れる記載はない。
選択肢4:ピアサポーターとなって、他の留学生の支援を行うこと
×
他人の世話をする前に、自身の足元を固める必要がある段階。
選択肢5:受診や服薬を忘れずに行い、規則正しい生活を送ること
×
Gさんに、定期的に受診しなかったり、服薬を忘れていたり、生活が乱れていたり、といったことがあったと読み取れる記載はない。また、この効果を期待するのであれば、SSTではない支援が必要。
正答
1(自分自身を振り返り、不安になった理由を考えること)