こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
事例問題1
次の事例を読んで、答えなさい。
〔事例〕
大規模自然災害が発生したN市保健所のH精神保健福祉士は、チームの一員として被災直後の被災地域の全戸訪問を行った。Jさん(22歳、男性)の自宅を訪問したところ、父親から、「Jは、高校卒業後に勤めた会社を半年で心身の不調を訴え退職し、ここ数年は、近所へ買物に外出する以外は自室にて過ごすようになっていた。被災後からは近所の手伝いも率先して行い、表情も明るくなり、近所の人からも本当に助かっていると言われていた。また具合が悪くならなければよいが」とJさんを心配する話を聞いた。そこで、チーム内でJさんについての情報を共有し検討した結果、継続したフォローアップが必要であると判断され、H精神保健福祉士がJさんを担当することになった。(問題30)
全戸訪問から8か月後、Jさんの父親が来所して面接することになった。面接で父親は、「Jは、手伝いをきっかけに紹介された仕事に就くことになり、家族みんなでとても喜んだ」と話した。しかし、その後沈黙が続いたため、H精神保健福祉士が尋ねると、疲れ切った様子で、「実は3か月前からJの具合が急に悪くなって」と話し始めた。「Jは、元気に働き始めましたが、そのうち帰宅しても話もせず、すぐに自室に籠もってしまい顔を合わせないことが多くなりました。また、時折、自室から嗚咽が聞こえてきたため心配して声をかけましたが、大丈夫だと返答するので、そっとしておきました。そして1か月前から、出勤時間になっても自室から出てこない日が続き、現在は欠勤が続いています。あなたから何回か訪問の提案をいただいていましたが、いつもJは私たちに断れと言っていたんです」と語った。(問題31)
父親の話を聞いたH精神保健福祉士は、Jさんの家族との面接を継続するだけでなく、Jさんに対して介入を行う必要性を感じた。(問題32)
問題30 次の記述のうち、この時点において、チームでJさんについての情報を共有し、継続したフォローアップが必要だと判断した理由として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- Jさんが、両親の期待に応えようとしていると考えられたため。
- Jさんが、他者との関係を持つと調子を崩すと考えられたため。
- Jさんが、経済的な困難を訴える可能性が考えられるため。
- Jさんが、チームをまとめるリーダーになる可能性が考えられるため。
- Jさんが、無理をして頑張っている状態だと考えられたため。
設問について
精神保健福祉士が行う相談援助活動の基本、支援の実施と経過の観察についての理解が問われる問題。
フォローアップについては、中央法規「理論と展開」Iテキスト第2版p294、296等。
フォローアップ時
新しいニーズが出てきた場合や支援計画が的確に進んでいない場合、再び課題分析を行い、ニーズの把握、支援目標の設定と新たな支援計画の作成をチームで行うことになる。
上記テキスト
各選択肢について
選択肢1:Jさんが、両親の期待に応えようとしていると考えられたため。
×
被災後、近所の手伝いも率先して行い、表情も明るくなり、近所の人からも本当に助かっていると言われていたが、父親は「また具合が悪くならなければよいが」と心配しており、期待はしていない。
選択肢2:Jさんが、他者との関係を持つと調子を崩すと考えられたため。
×
Jさんが、他者との関係を持つと調子を崩すと考えられる根拠は見当たらない。
選択肢3:Jさんが、経済的な困難を訴える可能性が考えられるため。
×
経済的な困難を訴える可能性を示唆する記載はない。
選択肢4:Jさんが、チームをまとめるリーダーになる可能性が考えられるため。
×
被災後、近所の手伝いを率先して行い、表情も明るくなりはしたが、それをもってチームをまとめるリーダーになる可能性が考えられるとは言えない。
選択肢5:Jさんが、無理をして頑張っている状態だと考えられたため。
〇
近所へ買物に外出する以外は自室にて過ごすようになっていたJさんが、被災後からは近所の手伝いも率先して行って表情も明るくなり近所の人からも本当に助かっていると言われていた。そのことについて父親は「また具合が悪くならなければよいが」と心配しているのは、Jさんは無理をしているのではないかという推測があると考えられる。
正答
5(Jさんが、無理をして頑張っている状態だと考えられたため。)