こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
問題43 次のうち、この時点でF精神保健福祉士が活用した援助技術として、適切なものを1つ選びなさい。
V地域活動支援センターのF精神保健福祉士は、一人暮らしをしている利用者を対象としてグループワークを始めることとした。F精神保健福祉士は、開始に当たり、参加するメンバーと個別に面接を行った。最近通い始めたGさんは、「まだ、みんなになじめていないので緊張します」と話した。F精神保健福祉士は、Gさんがグループに対して期待することや不安に感じることを聞くとともに、一人暮らしの様子を聞きながら、Gさんの考えや性格傾向についても把握を試みた。
次のうち、この時点でF精神保健福祉士が活用した援助技術として、適切なものを1つ選びなさい。
- アイスブレイク
- 集団規範の形成
- 感情転移の活用
- 個人体験の分かち合い
- 波長合わせ
設問について
グループワーク(集団援助技術)についての理解が問われる問題。
グループワークについては中央法規当該科目IIテキスト第2版p38~等。
グループワークの展開過程は諳んじておきたい。
準備期:メンバーの生活課題の解決に向けて、グループの形成を準備する時期
・各メンバーと波長合わせ(予備的感情移入)を行う。ワーカーがメンバーの感情を予め理解しておくこと。ワーカー自身のグループに対する感情も客観的に把握しておくことも含む。
開始期:グループ活動を始め、メンバー間の関係性を形成する次期
・グループの目標や活動上の留意点をメンバーに説明し、契約を交わす
・メンバー間の緊張を緩和する(アイスブレイク等を実施する)
・援助関係が形成される
作業期:メンバー間に相互作用が生まれ、各々の課題の達成に向けてグループを展開・媒介する時期
・集団規範が形成される
・(作業期の終盤)思いの分かち合いが行われる
終結・移行期:グループの目標等の達成により活動を終結する時期
・個々のメンバーと、およびグループ全体の、振り返りと評価を行う
各選択肢について
選択肢1:アイスブレイク
×
アイスブレイクは、グループワークの開始時に、自己紹介や簡単なゲームを通して、参加者の緊張をほぐし、参加者同士のコミュニケーションを円滑にするために用いられる技法。
選択肢2:集団規範の形成
×
集団規範は、グループワークの終結期に形成される。
選択肢3:感情転移の活用
×
自由連想による精神分析では、患者は分析が進んでくると不安や希望などを自由に話すようになり、分析者に対して特殊な感情的態度をもつようになる。信頼の度を超えて患者は分析者に愛情を抱くようになったり、その反対に敵対的で攻撃的になったりする。これをそれぞれ正の転移、負の転移という。こうした転移は、患者が幼児期に親に対して抱いていた感情が移しかえられて、分析者に対して表出されるようになったものとみなされる。この転移は転移神経症とよばれ、精神分析治療に対する一種の抵抗とみなされる。自由連想によって無意識が意識に近づいてくると、患者は無意識を意識しないようにする抵抗の手段として転移をおこすと考えられるからである。しかし、逆説的であるが、このような転移抵抗がおこるからこそ分析的治療が可能になってくるのである。転移がおこると患者の幼児期に生じた親との葛藤(かっとう)が面接の現場のなかで再現されるので、心理的な病のもとになっている葛藤を現実的な問題として処理することができるからである。この意味では、転移がおこるか否かによって、治療が可能かどうかが決められる。一般に神経症の患者では転移がおきても、精神病の場合には転移がおきないので精神分析は困難であるといわれるが、クラインや彼女の後継者は精神病の場合にも転移精神病がおこると考え、積極的に精神分析治療を行った。
コトバンク
選択肢4:個人体験の分かち合い
×
分かち合いは作業期の終盤に行われる。
選択肢5:波長合わせ
〇
波長合わせ(予備的感情移入)は、ワーカーがメンバーの感情を予め理解しておくこと。ワーカー自身のグループに対する感情も客観的に把握しておくことも含む。
正答
5(波長合わせ)