こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
事例問題1
次の事例を読んで、答えなさい。
〔事例〕
P市に住むKさん(30歳、女性)は、学生時代に通院していた精神科病院をL君(5歳、男児)と共に受診した。診察に際してM精神保健福祉士がインテーク面接を行った。Kさんは、「5年前に結婚し、すぐにLを出産したが、2年半前に離婚した。働きながらLを育ててきたが、3か月程前から不眠が続き、仕事に行けなくなり、先月、突然解雇を言い渡された。もう生きていてもしょうがない」とうつろな表情で話した。M精神保健福祉士は、Kさんの来院をねぎらい、傾聴した。同時に、Kさんの手首に巻かれたハンカチから血がにじんでいることや、L君は5歳児にしては小さく痩せていること、不衛生な身なりで表情が乏しいことが気になった。(問題49)
診察の結果、Kさんには自傷行為が認められ、希死念慮が強く、入院治療が必要と判断された。当初Kさんは、「身寄りもなく、Lを残して入院できないしお金もない」と入院に同意しなかった。しかし、主治医より入院の必要性について説明され、M精神保健福祉士がL君への支援と、経済的な支援について説明すると、ほっとした表情を浮かべ入院に同意した。Kさんの入院と同時に、L君は一時保護となった。入院後、KさんはM精神保健福祉士との面談で、「酒飲みの父親は私に頻繁に暴力を振るったが、母親は助けてくれなかった」「離婚した夫も、酒を飲むと私とLに暴力を振るった」「離婚後、Lを厳しく叱り、世話をできないことが続いた。気付くとリストカットを繰り返していた」と語った。M精神保健福祉士は、誰にも相談できずに苦しんできたKさんに寄り添い、傾聴した。(問題50)
一時保護所のA児童福祉司(精神保健福祉士)は、L君が声かけにほとんど反応せず、言語発達の遅れがみられるため、P市と連携してL君の養育環境の整備を開始した。M精神保健福祉士は、Kさん及び主治医、A児童福祉司と共にKさんの退院後の生活について話し合う場を設けた。A児童福祉司が、母親と暮らすことを希望するL君の意向を伝えると、Kさんは、「退院してLと一緒に暮らしたいが自信がない」と語った。(問題51)
問題50 次の記述のうち、この時点で、M精神保健福祉士がKさんにかけた言葉として、適切なものを1つ選びなさい。
- 「過去に受けた暴力は、時間の経過とともに解決されます」
- 「あなたのどんな行動が、離婚した夫をそんなに怒らせたのでしょうか」
- 「そういうことはよくあることなので、あまり気にしない方がいいですよ」
- 「今の状況をあなたが変えようと思わなければ、私は何もできないのです」
- 「自分を傷つけたくなるほどつらかったのですね。今回のように話ができるといいですね」
設問について
精神科病院に入院中のクライエントの面談の場面
父親・夫の暴力を受けてきたクライエントに寄り添い傾聴する姿勢についての理解が問われる問題。
各選択肢について
選択肢1:「過去に受けた暴力は、時間の経過とともに解決されます」
×
アルコール問題のある親からの虐待は、子どもを傷つける。その傷は時間が解決するものではなく、時間の経過とともに自傷行為や摂食障害等につながっていく。
選択肢2:「あなたのどんな行動が、離婚した夫をそんなに怒らせたのでしょうか」
×
「離婚した夫も、酒を飲むと私とLに暴力を振るった」とKさんは語っている。暴力の原因をKさんに求める問いかけは不適切。
選択肢3:「そういうことはよくあることなので、あまり気にしない方がいいですよ」
×
寄り添い傾聴する姿勢ではない返し。アルコール問題のある親や配偶者から暴力を振るわれ自傷行為に至るのは、よくあること・気にしない方がいいこととして片付けるべきではない。
選択肢4:「今の状況をあなたが変えようと思わなければ、私は何もできないのです」
×
寄り添い傾聴する姿勢ではない内容。パワーダウンしている状態の今のKさんにかけるべき言葉でもない。
選択肢5:「自分を傷つけたくなるほどつらかったのですね。今回のように話ができるといいですね」
〇
これまでの体験を受容し、これからも話してほしいという意図を伝える返し。
正答
5(「自分を傷つけたくなるほどつらかったのですね。今回のように話ができるといいですね」)