こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
事例問題3
次の事例を読んで、答えなさい。
〔事例〕
Eさん(33歳、女性)は、大学卒業後に仕事をしていた27歳の時に統合失調症と診断された。一時は入院していたが、現在は通院を続けながら一日中自宅で過ごしている。Eさんは今後の生活が心配になり、主治医に話したところ、精神科デイケアの利用を勧められた。デイケア担当のF精神保健福祉士による初回面談で、Eさんは、「一日中家にいて、いろいろ考えて不安に押しつぶされる感じがする。家族から仕事はどうするのかと聞かれると、焦りが強くなる。今の生活を変えたいけれど、新しい場所でうまくやれるか、不安が先に立つ。まずは生活リズムを整えたい。将来的には仕事も考えたい」と話した。F精神保健福祉士はEさんの気持ちを受け止め、週1日のデイケアを複数回体験することを提案した。(問題55)
体験後にEさんは、「同世代の人がいて、自分と同じように悩んでいる人もいる。今後も継続して利用したい」と話し、週3日のデイケア利用を開始した。
1か月が過ぎた頃、EさんからF精神保健福祉士に、「デイケアに通い始めて、規則正しい生活にはなった。でも、多くのメンバーと話して仲良くなりたい、次のステップにつなげたいと頑張れば頑張るほど、うまくいかなくて焦りが強くなる。疲れてるのかな。どうしたら自然にできるんだろう」と相談があった。相談を受け、F精神保健福祉士はEさんの援助方針を検討するスタッフ会議を開催した。(問題56)
利用から半年が過ぎ、グループ活動の企画に取り組むなど、生き生きとした姿が少しずつ見られるようになった。F精神保健福祉士はモニタリング面談で、「これまでの活動を振り返り、感じていることを教えてください」と尋ねた。Eさんは、「メンバー同士で支え、支えられることで、新しい自分が生まれてきた感じ。少しずつ希望が見えてきた。これからも迷ったり、悩んだりすると思うけど、今はちょっとだけ前向きになれた自分を褒めてあげたい」と話してくれた。(問題57)
問題55 次の記述のうち、この時点でF精神保健福祉士が行うこととして、適切なものを1つ選びなさい。
- Eさんの支援計画を立案する。
- 外来担当の看護師からEさんの受診や生活の情報を得る。
- 就労経験のあるデイケア利用者からEさんへ就職活動体験談を話してもらう。
- Eさんの住む地域を担当する民生委員からEさんの情報を得る。
- 就労移行支援のためのチェックリストを用いて、Eさんの作業能力を評価する。
設問について
デイケア担当の精神保健福祉士の支援についての理解が問われる問題。
初回面談を行い、クライエントが体験することが決まった後にするべきことは。
各選択肢について
選択肢1:Eさんの支援計画を立案する。
×
Eさんの支援計画を作るのは重要だが、アセスメントもまだ行われておらず、立案の段階ではない。
選択肢2:外来担当の看護師からEさんの受診や生活の情報を得る。
〇
Eさんの不安、焦り、「今の生活を変えたい」「生活リズムを整えたい。将来的には仕事も考えたい」といった気持・希望を受け止めた上で、本人の発言だけでなく客観的な情報も必要となる場面。
選択肢3:就労経験のあるデイケア利用者からEさんへ就職活動体験談を話してもらう。
×
Eさんはゆくゆくは就労も希望しているので、この内容の支援もいずれは行うが、「まずは生活リズムを整えたい。将来的には仕事も考えたい」ということで、体験談より生活リズム優先。
選択肢4:Eさんの住む地域を担当する民生委員からEさんの情報を得る。
×
民生委員はこれまでのところ登場しておらず、民生委員による見守りをEさんが今後希望しているわけでもない状況で、Eさんに断りなく民生委員からEさんの情報を得ようとするのは守秘義務違反。
選択肢5:就労移行支援のためのチェックリストを用いて、Eさんの作業能力を評価する。
×
将来の就労を見据え、まずは生活リズムを整えるためにデイケアを体験しようというこの段階で、就労移行支援のためのチェックリストで作業能力を評価する必要はない。
正答
2(外来担当の看護師からEさんの受診や生活の情報を得る。)