こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
事例問題4
次の事例を読んで、問題に答えなさい。
〔 事例 〕
Aさん( 40歳、女性 )は、18歳で統合失調症を発症し、入院経験がある。受診は継続し、時々対人緊張が強くなったり幻聴体験はあるが、自分で対応できている。夫が代表の農業法人に勤め、子ども( 7歳 )がいる。
Bさん( 45歳、女性、精神保健福祉士 )は、以前、Aさんの受診先の精神科病院に勤務し、初診時からの担当であった。5年前に退職し精神保健福祉士事務所を開業、スクールソーシャルワーカーとしても勤務している。
Bさんの退職後、AさんとBさんは、それぞれの子育ての悩みを話し合ったことをきっかけに、時々会って話をする関係を続けていた。その後、地域で子育てサークルを始め、今ではメンバーが増え、子どもたち向けの活動も行うようになり、Aさんは会長、Bさんは事務局長として会を運営している。
ある日、勤務している学校で、精神障害のある母親( Cさん )と行動障害があるその子どもへの支援を検討する中で、この子育てサークルの活用が提案された。それを受けてBさんはCさんに、「親子の情報を事前に会のメンバーに知らせ、理解しておいてもらった方がよい」と提案したが、Cさんは、「参加したいが病気や障害のことは知られたくない」と訴えたため、Bさんは、倫理的ジレンマを感じながらもサークルでの支援を進めた。(問題58)
初回参加時のその子の落ち着かない言動とCさんの子どもへの対応に、会のメンバーからは、「一緒にやっていくのは無理」という声が多く上がった。Bさんは、Cさん親子と会のメンバー両者の利益を視野に入れながら話合いを重ねた。Aさんの体験談もメンバーに大きな影響を与え、最終的にメンバー全員の了承が得られた。(問題59)
これを契機に、メンバーの福祉課題への関心が高まり、新しい活動を展開するためにNPO法人の設立を模索することになった。ある日の打合わせ後に、Aさんは、「20歳の頃は人生を諦めていた。病気の経験が人の役に立つなんて思っていなかった。病気のことは心配だし、どこかに引け目はあるけれど、家族、友人、仕事があるし、新しい活動が楽しみ」と語った。(問題60)
問題59 次のうち、この話合いを通じてBさん( 精神保健福祉士 )が子育てサークルに果たした役割として、適切なものを1つ選びなさい。
- アドボケーター
- ケースマネジャー
- メディエーター
- イネイブラー
- エバリュエーター
設問について
ソーシャルワーカーの機能と役割についての理解が問われる問題。
業務指針26ページ「ソーシャルワーカーの機能一覧表」はおさえておきたい。
精神保健福祉士業務指針 第3版(PDF) (PDFの掲載ページはここ)
各選択肢について
選択肢1:アドボケーター
×
⑦ 代弁(アドボカシー) クライエントの利益を考慮してはたらきかけたり、弁護したりする機能 業務指針(第3版) p26 表Ⅰ- 8 ソーシャルワーカーの機能一覧表より
選択肢2:ケースマネジャー
×
ケースマネジャーはケースマネジメントを行う役割。
クライエントのニーズ充足に必要な社会資源を考え見つけ調整し組み合わせて提供されるよう援助する。
選択肢3:メディエーター
〇
③ 調停(メディエイト) クライエントと社会システムとの間で生じる葛藤(コンフリクト)を解決し、中立な立場で調整を図る機能 業務指針(第3版) p26 表Ⅰ- 8 ソーシャルワーカーの機能一覧表より
選択肢4:イネイブラー
×
イネイブラーとは、クライエントが何かをできるように側面的支援をする、力を添える人のこと。アルコール臨床の中では、アルコール依存症者がアルコールを飲むことを可能にする人のこと。
選択肢5:エバリュエーター
×
評価(エバリュエーション) 実践の効果を評価する機能 業務指針(第3版) p26 表Ⅰ- 8 ソーシャルワーカーの機能一覧表より
正答
3(メディエーター)