こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
問題9 次の記述のうち、精神科病院に入院中の者を隔離する場合の処遇の基準として、正しいものを1つ選びなさい。
- 隔離の理由は症状軽快後に説明する。
- 一つの隔離室への入室は二人までとする。
- 精神保健指定医以外の医師が隔離を行う場合は、12時間までの制限がある。
- 本人の意思により閉鎖的環境の部屋に入室させる場合も隔離である。
- 隔離室入室中、医療スタッフはできるだけ患者との会話を避ける。
設問について
精神科治療における人権擁護に関する理解が問われる問題。
隔離、拘束の在り方については、中央法規当該科目テキスト(第2版)第7章第3節、p308-310。
隔離の法的根拠はこちら↓
第四節 精神科病院における処遇等
精神保健福祉法
(処遇)
第三十六条 精神科病院の管理者は、入院中の者につき、その医療又は保護に欠くことのできない限度において、その行動について必要な制限を行うことができる。
(中略)
3 第一項の規定による行動の制限のうち、厚生労働大臣があらかじめ社会保障審議会の意見を聴いて定める患者の隔離その他の行動の制限は、指定医が必要と認める場合でなければ行うことができない。
隔離の際の遵守事項↓
三 遵守事項
(一) 隔離を行つている閉鎖的環境の部屋に更に患者を入室させることはあつてはならないものとする。また、既に患者が入室している部屋に隔離のため他の患者を入室させることはあつてはならないものとする。
(二) 隔離を行うに当たつては、当該患者に対して隔離を行う理由を知らせるよう努めるとともに、隔離を行つた旨及びその理由並びに隔離を開始した日時及び解除した日時を診療録に記載するものとする。
(三) 隔離を行つている間においては、定期的な会話等による注意深い臨床的観察と適切な医療及び保護が確保されなければならないものとする。
(四) 隔離を行つている間においては、洗面、入浴、掃除等患者及び部屋の衛生の確保に配慮するものとする。
(五) 隔離が漫然と行われることがないように、医師は原則として少なくとも毎日一回診察を行うものとする。
○精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第三十七条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準
各選択肢について
選択肢1:隔離の理由は症状軽快後に説明する。
×
上記遵守事項(二)に反する。
選択肢2:一つの隔離室への入室は二人までとする。
×
上記遵守事項(一)に反する。
選択肢3:精神保健指定医以外の医師が隔離を行う場合は、12時間までの制限がある。
〇
第三 患者の隔離について
一 基本的な考え方
(中略)
(三) 十二時間を超えない隔離については精神保健指定医の判断を要するものではないが、この場合にあつてもその要否の判断は医師によつて行われなければならないものとする。
○精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第三十七条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準
選択肢4:本人の意思により閉鎖的環境の部屋に入室させる場合も隔離である。
×
第三 患者の隔離について
一 基本的な考え方
(中略)
(四) なお、本人の意思により閉鎖的環境の部屋に入室させることもあり得るが、この場合には隔離には当たらないものとする。この場合においては、本人の意思による入室である旨の書面を得なければならないものとする。
○精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第三十七条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準
選択肢5:隔離室入室中、医療スタッフはできるだけ患者との会話を避ける。
×
上記遵守事項(三)に反する。
正答
3(精神保健指定医以外の医師が隔離を行う場合は、12時間までの制限がある。)