こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
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問題10 厚生労働省による「平成26年患者調査」及び「平成26年病院報告」の結果にみられる特徴として、正しいものを1つ選びなさい。
- 精神疾患を有する総患者数は約100万人である。
- 精神疾患を有する総患者数のうち、最も多いのは統合失調症である。
- 精神病床数は約34万床である。
- 精神病床における入院患者数で、最近10年間の認知症(アルツハイマー病)は横ばいである。
- 精神病床における平均在院日数は1年を超えている。
設問について
厚生労働省による統計に関する理解が問われる問題。
過去問解説本によると、発展的なレベル。
各選択肢に関する最新の数字を押さえておきたい。
疾病構造については、中央法規の当該科目テキスト(第2版)p256~にあるけど数字は古い。
患者調査は、医療施設を利用する患者について、その傷病の状況などを調査し、今後の医療行政の基礎資料を得ることを目的として、調査を3年ごとに実施している。
患者調査(基幹統計)
厚生労働省 患者調査(基幹統計)
調査の概要
調査の目的
病院及び診療所(以下「医療施設」という。)を利用する患者について、その傷病の状況等の実態を明らかにし、医療行政の基礎資料を得る。
調査の沿革
この調査は、医師の診断した傷病名に基づく傷病調査で昭和23年に行われた「施設面からみた医療調査」を前身としており、昭和28年に「患者調査」となった。患者調査は、患者の診療録の内容に基づく1日調査として毎年実施されたが、昭和59年からは、調査内容を充実し地域別表章が可能となるよう客体数を拡大するとともに、調査を3年に1回、医療施設静態調査と同時期に実施することとなった。平成5年調査からは、病院の入院患者及び病院の退院患者の状況を二次医療圏別に表すことが可能となっている。
「病院報告」は、全国の医療施設(病院、療養病床を有する診療所)における患者の利用状況を把握するため、医療施設からの報告を基に、毎月、1日平均在院・外来患者数、病床利用率、平均在院日数などを集計したもの。(厚生労働省 病院報告)
各選択肢について
選択肢1:精神疾患を有する総患者数は約100万人である。
×
第21回の当時でも×だし、現時点で最新の患者調査(令和2年)でも×。
精神及び行動の障害の総患者数は、令和2年版で502万5千人。アルツハイマー病の人約80万人を加えるともっと増える。
令和4年6月の厚生労働省参考資料(PDF)によると、精神疾患を有する総患者数は約419.3万人。
選択肢2:精神疾患を有する総患者数のうち、最も多いのは統合失調症である。
×
第21回の当時でも×だし、現時点で最新の患者調査(令和2年)でも×。
令和4年6月の厚生労働省参考資料(PDF)によると、統合失調症の総患者数は約79.3万人、躁うつ病を含む気分(感情)障害は約128万人。
選択肢3:精神病床数は約34万床である。
〇
第21回の当時でも〇だし、現時点で最新の患者調査(令和2年)でも〇。
もっとも現時点の精神病床数は33万程度と思われる。
選択肢4:精神病床における入院患者数で、最近10年間の認知症(アルツハイマー病)は横ばいである。
×
第21回の当時でも×だし、現時点で最新の患者調査(令和2年)でも×。
令和4年6月の厚生労働省参考資料(PDF)によると、アルツハイマー病の入院患者数は調査を重ねるごとに増えている。
選択肢5:精神病床における平均在院日数は1年を超えている。
×
第21回の当時でも×だし、現時点で最新の患者調査(令和2年)でも×。
厚生労働省の病院報告(令和3年12月分概数)では、精神病床の平均在院日数は263.3で、年々減っている。病院全体では26.1日で、これも年々減っている。
正答
3(精神病床数は約34万床である。)