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問題35|第21回 精神保健福祉士 国家試験 ③精神保健福祉相談援助の基盤

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題

目次

〔事例〕

Eさん(27歳、男性)は菓子職人として働いていたが、度重なる残業がストレスとなり、23歳の時に不眠が生じ、また幻聴も始まったため精神科病院を受診した。統合失調症と診断され3か月の入院の後、精神科デイケアに通院して4年が経過している。
ある日、Eさんは、デイケアの仲間が働き始めたことに刺激を受け、「自分もどうしても働きたい」と担当の精神保健福祉士に相談した。そこで、公共職業安定所(ハローワーク)の精神障害者雇用トータルサポーターであるF精神保健福祉士を紹介され、面談することとなった。
「調子がいい時と悪い時がある。病気のことは内緒にして働いたこともあったが、うまくいかなかった」と話したEさんは、F精神保健福祉士から将来について聞かれ、「子どもの頃から物作りが好きだった。菓子職人になったけど、思うとおりにはならなかった。今はデザインの仕事をして人を幸せにしたい」と語った。F精神保健福祉士は、就職への強い希望と意欲がEさんの強みだと感じた。(問題33)
F精神保健福祉士は、Eさんの症状は安定していないが、多職種で協力し一般就労に結び付けたいと考えた。そこでEさんの了承の下、主治医、担当の精神保健福祉士、Eさんが最近利用するようになった地域活動支援センターの職員と連絡を取り、1週間後に本人同席の上で今後の就労支援の方向性を話し合うための会議を開催した。(問題34)
話合いでは、デザイン関連につながる仕事を探すこと、障害年金の受給と合わせることで短時間労働でも経済的な自立を目指せることなどが確認された。F精神保健福祉士はこれらの条件に合う企業をいくつか訪問し、Eさんのことを紹介した。すると、就職後もF精神保健福祉士を中心としたチームが職場訪問すること、困り事などの相談や調整を継続することを条件に受入れを承諾してくれる企業を見付けることができた。働き方についてもEさんと会社、さらにF精神保健福祉士が話し合い、週3日、1日4時間から働くことになった。Eさんは職場の理解の下、継続して半年間働いている。今では週4日に日数を増やすことも考えている。(問題35)

問題35 次のうち、F精神保健福祉士が行った支援として、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 職場適応援助者(ジョブコーチ)支援
  2. IPS
  3. 職業準備支援
  4. 職場適応訓練
  5. 従業員支援プログラム(EAP)

設問について

精神障害者の就労支援におけるサービス・制度に関する理解が問われる問題。

各選択肢について

選択肢1:職場適応援助者(ジョブコーチ)支援

×

職場適応援助者(ジョブコーチ)は、地域障害者職業センターが行っている職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援事業において、障害者が職場に適応できるよう、障害者職業カウンセラーが策定した支援計画に基づき、職場に出向いて直接支援を行う。

中央法規「生活支援システム」テキスト(第3版)p150-151。

選択肢2:IPS

IPS(Indivisual Placement and Support)モデルはACTモデルを就労支援に応用したもの。アメリカで始められ、ジョブコーチ(援助付雇用)モデルに、精神障害者本人を主体としたストレングスモデルを組み込んだようなもの。

精神障害者のニーズを大切にし、それに沿って支援が展開される。支援者は職場開拓を積極的に行い、アセスメントや就業準備、雇用への移行などの支援は企業の場を多く活用する。

中央法規「生活支援システム」テキスト(第3版)p176。

選択肢3:職業準備支援

×

職業準備支援は、就職または職場適応に必要な職業上の課題の把握とその改善を図るための支援、職業に関する知識の習得のための支援、社会生活技能等の向上を図るための支援。

中央法規「生活支援システム」テキスト(第3版)p161-163「就業準備」。

選択肢4:職場適応訓練

×

職場適応訓練は、実際の職場で訓練を行うことにより、作業環境へ適応しやすくさせる目的で実施する。訓練終了後は、その訓練を行った事業所への雇用を期待して実施される。

厚労省からお金が出る。
厚生労働省:職場での訓練を受け入れる時は 職場適応訓練費

選択肢5:従業員支援プログラム(EAP)

×

従業員支援プログラム(EAP=Employee Assistance Program)は、主に従業員のアルコール依存や薬物依存などを解決する目的で企業に導入されるプログラム。近年はうつ病等による休職者の増加を受けてニーズが高まっている。

正答

2(IPS)

第21回 精神保健福祉士 国家試験 全問題はこちら

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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