こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
事例問題4
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
人口8万人の地方都市Q市は、人口減に歯止めがかからず、空き家問題も顕在化し、空き家対策の担当係を設置している。J精神保健福祉士は、隣の市の精神科病院で20年間勤務していたが、数年前にQ市唯一のW精神科病院に転職した。同病院には、実家がきょうだいに代替わりし、帰る家がないなど社会的諸条件が整わないため退院できない患者が多数入院していた。J精神保健福祉士は、それらの患者の地域移行に向けて、地域の関係機関との連携づくりを始めた。(問題55)
同時期に、Q市が設置する地域支援協議会では、精神障害者家族会代表者から、「親の施設入所や死亡により、一人暮らしになる精神障害者が増えつつある。その中には、症状が再燃し、入院となる人も出てきている。親亡き後のことを考えてほしい」という意見が出された。そこでQ市では、地域支援協議会に、W精神科病院、地域活動支援センターⅠ型、就労継続支援B型事業所、保健所、家族会及び当事者会を構成メンバーとする専門部会を立ち上げることとなり、J精神保健福祉士が部会長に就任した。初回の部会では、J精神保健福祉士がファシリテーターとなり、「Q市における精神障害者のニーズと対策」というテーマで、相互に批判をしないというルールの下で多様な意見を出し合った。(問題56)
その後に意見を整理した結果、Q市の現状としては、受入れ条件が整えば退院可能な者の対策が進んでいないことが共有された。そのような患者が地域生活を始めるためにも、また、親との離別により単身となった精神障害者が地域での暮らしを継続していくためにも、居住支援の必要性を確認した。そこで、J精神保健福祉士は、専門部会として、空き家を活用した居住支援を行っている自治体の視察を企画した。そして、Q市の精神保健福祉担当の職員だけでなく、空き家対策を担当する職員にも同行してもらうように働き掛けた。(問題57)
問題57 次のうち、この場面で、J精神保健福祉士が行った働き掛けとして、正しいものを1つ選びなさい。
- ケアマネジメント
- コラボレーション
- コミュニティアセスメント
- コンサルテーション
- リーダーシップ
設問について
精神保健福祉士の役割や業務に関する理解が問われる問題。
どのような場面でどのような働きかけをすることが何と呼ばれるのか。
正答以外の選択肢についても知っておきたい。
各選択肢について
選択肢1:ケアマネジメント
×
日本では、介護保険制度の導入に際してケアマネジメントが広く普及し、その多くは仲介型モデルで既存のサービスと結びつける傾向が見受けられた。
現在の精神保健福祉領域では、ACT モデル(包括型地域生活支援)やストレングスモデルに基づくケアマネジメントが推奨され、クライエントのニーズにより応じた実践として注目されている。
選択肢2:コラボレーション
〇
コラボレーションは「協働」を意味する。
複数の個人や機関が役割分担しながら相互に協力して共通目標の達成に取り組む活動のあり方。
選択肢3:コミュニティアセスメント
×
コミュニティアセスメントとは、コミュニティソーシャルワークの視点で地域社会を評価すること。
中央法規当該科目テキストII、p302~。
選択肢4:コンサルテーション
×
コンサルテーションとは、業務遂行上の問題を抱えたコンサルティ(個人、集団、組織、地域社会)からの相談に対して、専門性に基づき助言を行うこと。
精神保健福祉士が助言を行うこともあれば、精神保健福祉士が他専門職の助言を求めて相談することもある。
選択肢5:リーダーシップ
×
集団の維持発展や目標達成に向けて集団の機能を先導しメンバーに影響を与える一連の過程。
精神保健福祉士の業務としてはチームアプローチ上、チームビルディングや・組織論、経営マネジメント論、リーダーシップ論等に関する知識が必要となる。
正答
2(コラボレーション)