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問題13|第22回 精神保健福祉士 国家試験 ②精神保健の課題と支援

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題

目次

問題 13 次のうち,WHOが作成したものとして,正しいものを 1 つ選びなさい。

  1. DSM(精神疾患の診断・統計マニュアル)
  2. WRAP(元気回復行動プラン)
  3. ヘルシーピープル 2010
  4. メンタルヘルスアクションプラン 2013-2020
  5. THP(トータルヘルスプロモーションプラン)

設問について

諸外国の精神保健活動の現状及び対策の問題に、他項目の選択肢が混ざった問題。

日本の精神科医療は、欧米諸国から50年も遅れていると言われていますが、なぜどうなのか、どのように遅れているのか、知り理解するためにも諸外国の精神保健活動について知り理解したいと考えています。

また、精神疾患、障害のある人に対する人権侵害が病院の中でも行われていることは、病院の外における様々な差別、人権侵害と無関係ではないでしょう。
この設問の背景はしっかり理解しておきたいものです。
というわけで、下記別ページで関連事項をまとめました(当該ページ自体は当分の間発展途上)。

各選択肢について

選択肢1:DSM(精神疾患の診断・統計マニュアル)

「DSM(Diagnostic and statistical Manual of Mental Disorders)」は、アメリカ精神医学会による、精神疾患の診断分類・基準の1つ。
1952年 第1版(DSM-Ⅰ)刊行。
1980年 第3版(DSM-III)では、新しい診断法として五つの軸で構成される「多軸診断システム」と「操作的診断基準」が導入された。

コトバンク>DSM

選択肢2:WRAP(元気回復行動プラン)

メアリー・エレン・コープランド氏を中心に、精神障害のある人たちによって作られたリカバリーにつながるためのツールで、日本ではWRAP研究会が「Wellness Recovery Action Plan」という言葉を「元気回復行動プラン」と翻訳。

病気ではなく健康や元気に焦点を当て、リカバリーを理念とし、基本的にグループで実践する精神障害当事者のセルフケアプログラム。当事者自身が自らの力で生活や健康を管理することを目的として、個別に作成する6つのプログラムで構成される。

Wellness Recovery Action Plan (WRAP)の公式ホームページ(多分)

DINF(障害保健福祉研究情報システム)>事業実施報告内容 平成20年度 通番号31
古めの研究ですが、WRAPについての記載の他、勉強しておきたいことがたくさん掲載されていたのでメモ。

選択肢3:ヘルシーピープル 2010

原型は1979年の「アメリカ公衆衛生局長官報告書(Health Pople – The Surgeon General’s Report on Health Promotion and Desease Prevention)」。

2010年12月に、今後10年間の米国の健康政策の指針をまとめた「ヘルシーピープル2020」を米国保健社会福祉局が公表。理想を高くし過ぎた2010年版を教訓に、2020年版は現状に即した目標設定となっているのだとか。

医療および予防医学の専門家をはじめ、連邦や州の政府当局、2000を超える関連団体が議論を重ねたうえ、一般から寄せられた8000を超えるコメントを検討して作成されたそうで・・2010版にはなかった追加項目は、【思春期の健康、血液疾患と血液の安全、アルツハイマー症を含めた認知障害、小児期の初期と中期、ゲノムの機能や構造の解説、グローバル ヘルス、健康がらみの生活の質向上、看護関連の感染症、同性愛者・バイセクシュアル・性転換者の健康、高齢者の健康、流行疾患などの緊急事態への予防と準 備、睡眠障害などを含めた睡眠に関する健康、公共の場における健康】。

参考
約20年前と古めの資料ですが、面白そうな内容が他にもあったのでメモ。
厚生労働科学研究成果データベース>地域保健行政の再構築に関する研究
ヘルシーピープルに関連する箇所は、200401309A0012.pdf および 200401309A0013.pdf。

選択肢4:メンタルヘルスアクションプラン 2013-2020

2013年のWHO総会で採択された行動計画。
「No health without mental health(メンタルヘルスなしに健康なし)」を原則に、ビジョンや目標、分野横断的原則などを定めて、2020年までの到達目標が提案されている。
WHO加盟国すべてに、専門的な助言・指導のもと、国レベルでのアクションプラン策定が勧められている。

メンタルヘルスアクションプラン2013-2020(日本語版PDF)

コンプリヘンシブメンタルヘルスアクションプラン 2013-2030

上記「アクションプラン 2013-2020」の後継、と言えるかどうかは知らないけれども、2013年5月に第66回世界保健総会で採択されたもの。

前身の計画に基づいて構築されており、加盟国、WHO 事務局、国際的、地域的、国内的パートナーがすべての人のメンタルヘルスと福祉を促進し、メンタルヘルス状態を予防するための明確な行動を設定しています。リスクのある人々を対象とし、精神保健サービスの普遍的な補償を実現します。更新された行動計画には、新しい指標と実施オプションが含まれていますが、元の 4 つの主な目的は変更されていません。メンタルヘルスのためのより効果的なリーダーシップとガバナンス。地域社会に根差した設定で、包括的で統合されたメンタルヘルスおよびソーシャルケアサービスを提供する。促進と予防のための戦略の実施; 情報システム、エビデンス、研究の強化。

WHO>Comprehensive Mental Health Action Plan 2013-2030

選択肢5:THP(トータルヘルスプロモーションプラン)

1 THPとは
THP(Total Health promotion Plan)とは、厚生労働省が働く人の「心とからだの健康づくり」をスローガンに進めている健康保持増進措置のことです。

THPは、昭和63年に労働安全衛生法が改正されたことにより、従来のSHP(シルバー・ヘルス・プラン)を発展させ、取り組みが推進されているものです。

労働安全衛生法第69条では、第1項で、労働者の健康保持増進を図るために必要な措置を継続的かつ計画的に実施することが事業者の努力義務として定められ、第2項では、労働者は、事業者が講ずる措置を利用して、健康保持増進に努めることとされています。

また、THPの基本的な考え方や事業場における具体的な実施方法について、労働安全衛生法第70条の2に基づき「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」(THP指針)が厚生労働大臣により公表されています。(マーカーbyカエル)

厚生労働省>職場のあんぜんサイト>心とからだの健康づくり

正答

正答:4(メンタルヘルスアクションプラン 2013-2020)

第22回 精神保健福祉士 国家試験 全問題はこちら

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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