こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
第22回 精神保健福祉士 国家試験「精神保健の課題と支援」
問題 11 精神保健に関する次の記述のうち,正しいものを 2 つ選びなさい。
- 歴史的に精神衛生を発展させた概念である。
- 精神疾患の一次予防を目的とした活動を意味し,治療を目的とする精神医療に対比する言葉として用いられる。
- 精神医学の領域に初めて予防の概念を取り入れたのはアメリカのビアーズ(Beers, C.)である。
- 精神疾患に罹患している人を対象とした訪問指導は,吉川武彦が提唱した 3 側面のうちの積極的精神保健に含まれる活動である。
- 全ての人々の精神的健康を保持・増進させていく活動を含む。
「精神保健」という言葉の概念・定義と、精神保健の発達や歴史的背景に関する理解が問われています。
基本的なことについては、
・学校指定のテキスト
・受験対策の参考書
を押さえておきたいところ。
各選択肢に関する事項を下記ページにまとめました。

正答:1(歴史的に精神衛生を発展させた概念である。)
5(全ての人々の精神的健康を保持・増進させていく活動を含む。)
問題 12 次のうち,セルフヘルプグループにおけるヘルパー・セラピー原則の説明として,正しいものを 1 つ選びなさい。
- 専門家が有する専門的知識と同等の体験的知識を取得すること
- 自らが他のメンバーを援助することによって自分自身に効果が生まれること
- 専門資格の取得を目指してグループに参加すること
- 主治医と共にグループミーティングに参加すること
- 自助具などの作成プログラムにより自立を目指すこと
集団を活用する支援のなかに「グループワーク」があります。そのグループの1つが「セルフヘルプグループ(自助グループ)」。同じ悩みや問題(障害、難病、依存症等)をもつ人が集まり、特定の体験を共有・蓄積・吟味していくことで生み出される体験的知識を活用し、悩みや問題から解放される手段を自ら獲得していくことを目的とした活動。
そんなセルフヘルプグループにおける「ヘルパー・セラピー原則」とは、援助者が最も援助を受けるという意味。他者を援助する体験により、自らの存在価値や能力に気付き、自身を持つことができるというもの(Frank Riessman 「『ヘルパー』セラピーの原則」(1965))。
セルフヘルプ・グループのメンバーの人たちと接していると、しばしば素晴らしい人と出会います。この人たちは、なぜこんなに生き生きとしているのか。「ヘルパー・セラピー原則」(リースマン)は、それを説明するヒントになります。この原則は「他者を援助することは、(結果的に)援助する人が利益を受けている」ことを意味しています。「援助の受け手だった人が、援助の与え手になる経験」でもあります。つまり自分が援助的な役割を担うことによって、新しい経験を獲得し、それがその人の自信となり成長することにつながっているのです。
神奈川県社会福祉協議会.>セルフヘルプ・グループとは
正答:2(自らが他のメンバーを援助することによって自分自身に効果が生まれること)
問題 13 次のうち,WHOが作成したものとして,正しいものを 1 つ選びなさい。
- DSM(精神疾患の診断・統計マニュアル)
- WRAP(元気回復行動プラン)
- ヘルシーピープル 2010
- メンタルヘルスアクションプラン 2013-2020
- THP(トータルヘルスプロモーションプラン)
諸外国の精神保健活動の現状及び対策の問題に、他項目の選択肢が混ざった問題。
日本の精神科医療は、欧米諸国から50年も遅れていると言われていますが、なぜどうなのか、どのように遅れているのか、知り理解するためにも諸外国の精神保健活動について知り理解したいと考えています。
また、精神疾患、障害のある人に対する人権侵害が病院の中でも行われていることは、病院の外における様々な差別、人権侵害と無関係ではないでしょう。
この設問の背景はしっかり理解しておきたいものです。
というわけで、下記別ページで関連事項をまとめました(当該ページ自体は当分の間発展途上)。

正答:4(メンタルヘルスアクションプラン 2013-2020)
問題 14 ギャンブル等依存症に関する次の記述のうち,正しいものを 2 つ選びなさい。
- ギャンブル等依存症対策基本法では,ギャンブル等依存症問題啓発週間を設けることとされている。
- GA(ギャンブラーズ・アノニマス)は,ギャンブル等依存症の民間治療施設である。
- 家族への支援を開始する際には,ギャンブル等依存症本人の同意を得ることが必須条件とされている。
- ギャンブル等依存症対策基本法におけるギャンブル等には,法律の定めるところにより行われる公営競技だけでなく,ぱちんこ屋に係る遊技その他の射幸行為が含まれる。
- ギャンブル等依存症対策基本法において,都道府県は,都道府県ギャンブル等依存症対策推進計画を策定しなければならないとされている。
国をあげて行われている、ギャンブル依存症対策
ギャンブル依存症対策基本法、施行日は 令和三年(2021年)九月一日。
ギャンブル等依存症対策基本法(平成30年法律第74号)
ギャンブル等依存症対策の推進本部は首相官邸。
領域横断的な事項だからか?
ギャンブル等依存症対策基本法(平成30年法律第74号)第24条の規定に基づき、ギャンブル等依存症対策を総合的かつ計画的に推進するため、平成30年10月5日、内閣に、内閣官房長官を本部長とし、関係閣僚を本部員とするギャンブル等依存症対策推進本部が設置されました。
ギャンブル等依存症対策推進本部|首相官邸
消費者庁の下記ページは便利。
ギャンブル等依存症に関する注意事項や、対処に困った場合の相談窓口をお知らせします。相談の内容に応じ、これらの窓口をご利用ください。
ギャンブル等依存症でお困りの皆様へ | 消費者庁

自分の住む県の情報も貴重。
かながわ依存症ポータルサイト
ギャンブル等依存症問題啓発週間とは
毎年5月14日から5月20日は、ギャンブル等依存症問題啓発週間です。
ギャンブル等依存症問題啓発週間について:金融庁
(ギャンブル等依存症問題啓発週間)
ギャンブル等依存症対策基本法(平成30年法律第74号)
第十条 国民の間に広くギャンブル等依存症問題に関する関心と理解を深めるため、ギャンブル等依存症問題啓発週間を設ける。
2 ギャンブル等依存症問題啓発週間は、五月十四日から同月二十日までとする。
3 国及び地方公共団体は、ギャンブル等依存症問題啓発週間の趣旨にふさわしい事業が実施されるよう努めるものとする。
GA(ギャンブラーズ・アノニマス)とは
ギャンブラーズ・アノニマスは、経験と力と希望を分かち合って共通の問題を解決し、ほかの人たちもギャンブルの問題から回復するように手助けしたいという共同体である。
メンバーになるために必要なことはただ一つ、ギャンブルをやめたいという願いだけである。会費もないし、料金を払う必要もない。私たちは自分たちの献金だけで自立している。
ギャンブラーズ・アノニマス-GA日本ホームページ
ギャンブルの問題の影響を受けた家族・友人のための自助グループもあります。
家族への支援開始に本人の同意は必須条件ではないことは知っておきたいところ。
依存症は本人に自覚のないことがしばしばあり、家族を含む周囲への影響が大きいことから、家族に対してのサポート体制はとても重要。
ギャマノンについて
ギャンブル依存症本人のために自助グループ、GA(Gamblers Anonymous)(匿名のギャンブラーたち)があるように、ギャンブルの問題の影響を受けた家族・友人のための自助グループがGAM-ANON、ギャマノンなのです。
ギャマノン日本サービスオフィス|ようこそギャマノンへ
ギャンブル等とは
(定義)
第二条 この法律において「ギャンブル等依存症」とは、ギャンブル等(法律の定めるところにより行われる公営競技、ぱちんこ屋に係る遊技その他の射幸行為をいう。第七条において同じ。)にのめり込むことにより日常生活又は社会生活に支障が生じている状態をいう。
ギャンブル等依存症対策基本法(平成30年法律第74号)
ギャンブル等依存症対策推進計画の策定について
・政府の基本計画は義務
・都道府県の推進計画は努力義務
第二章 ギャンブル等依存症対策推進基本計画等
(ギャンブル等依存症対策推進基本計画)
第十二条 政府は、ギャンブル等依存症対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、ギャンブル等依存症対策の推進に関する基本的な計画(以下「ギャンブル等依存症対策推進基本計画」という。)を策定しなければならない。
(都道府県ギャンブル等依存症対策推進計画)
(略)
第十三条 都道府県は、ギャンブル等依存症対策推進基本計画を基本とするとともに、当該都道府県の実情に即したギャンブル等依存症対策の推進に関する計画(以下この条において「都道府県ギャンブル等依存症対策推進計画」という。)を策定するよう努めなければならない。
ギャンブル等依存症対策基本法(平成30年法律第74号)
正答:1(ギャンブル等依存症対策基本法では,ギャンブル等依存症問題啓発週間を設けることとされている。)
4(ギャンブル等依存症対策基本法におけるギャンブル等には,法律の定めるところにより行われる公営競技だけでなく,ぱちんこ屋に係る遊技その他の射幸行為が含まれる。)
問題 15 犯罪被害者の精神保健に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
- 「第3次犯罪被害者等基本計画」(警察庁)では,犯罪被害者等に関する専門職養成機関の設置計画が盛り込まれた。
- 「平成29年度犯罪被害類型別調査」(警察庁)によると,殺人・殺人未遂または傷害等の暴力被害を受けた者のうち「重症精神障害相当の状態」にある者は約1割であった。
- 犯罪被害者等基本法において,犯罪被害者等とは,犯罪等により害を被った者及びその家族又は遺族とされている。
- 「犯罪被害者に対する急性期心理社会支援ガイドライン」では,支援機関からの情報提供は被害者からの支援の要望を待つことが原則とされている。
- 全国被害者支援ネットワークに加盟している民間被害者支援団体は,市町村に各1か所ずつ存在する。
(注)「犯罪被害者に対する急性期心理社会支援ガイドライン」とは,平成24年度厚生労働科学研究「大規模災害や犯罪被害等による精神疾患の実態把握と対応ガイドラインの作成・評価に関する研究」において作成されたものである。
犯罪被害者の精神保健に関する問題。
犯罪被害者は、身体や財産等目に見える直接的被害だけでなく、心にも大きな衝撃を受けます。
犯罪被害者の精神保健に関する基本事項
犯罪被害者の精神保健に関する基本事項については、下記ウェブサイト/ページが参考になります。
犯罪被害者の支援の基本となる法律は、まず押えておきたいところ。
(目的)
犯罪被害者等基本法 | e-Gov法令検索
第一条 この法律は、犯罪被害者等のための施策に関し、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体及び国民の責務を明らかにするとともに、犯罪被害者等のための施策の基本となる事項を定めること等により、犯罪被害者等のための施策を総合的かつ計画的に推進し、もって犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目的とする。
犯罪被害者等基本計画とは
犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号)第8条により、政府は、犯罪被害者等のための施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、犯罪被害者等のための施策に関する基本的な計画を定めなければならないこととされています。
犯罪被害者等施策ホームページ – 警察庁 / 犯罪被害者等基本計画
令和3年4月1日から令和8年3月31日を計画期間とする「第4次犯罪被害者等基本計画(令和3年3月30日閣議決定)」が策定されました。
犯罪被害に関する専門職・専門家に関して
「第3次犯罪被害者等基本計画」の中に、「専門家」「専門職」に関して言及している箇所は複数ありますが、専門家や専門職の活用や養成といった事項であり、養成機関の設置については触れられていません。
犯罪被害類型別調査とは
本調査は、第3次犯罪被害者等基本計画に基づき、被害類型別、加害者との関係別に、犯罪被害者等の置かれた状況について調査を実施し、犯罪等被害が心身の健康状態に及ぼす影響、主観的な回復状況とその要因に関する認識等を把握し、各府省庁の施策の企画・立案等に反映させることを目的とする。
平成29年度犯罪被害類型別調査 – 警察庁
上記調査に、下記記載があります。
殺人・殺人未遂または傷害等の暴力被害の影響が非常に深刻であることがわかります。
(3)精神健康状態(K6)
犯罪被害類型別にK6の値を見ると、重症精神障害相当とされる13点以上の割合は、児童虐待(29.4%)で最も高く、次いで殺人・傷害(23.8%)、DV(18.8%)となっている。
犯罪被害者等とは
(定義)
犯罪被害者等基本法 | e-Gov法令検索
第二条 この法律において「犯罪等」とは、犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為をいう。
2 この法律において「犯罪被害者等」とは、犯罪等により害を被った者及びその家族又は遺族をいう。
3 この法律において「犯罪被害者等のための施策」とは、犯罪被害者等が、その受けた被害を回復し、又は軽減し、再び平穏な生活を営むことができるよう支援し、及び犯罪被害者等がその被害に係る刑事に関する手続に適切に関与することができるようにするための施策をいう。
「犯罪被害者に対する急性期心理社会支援ガイドライン」について
このガイドラインは、民間の犯罪被害者相談機関の支援員など、精神保健専門家以外の犯罪被害支援者支援者の方が利用できる被害後急性期の心理社会ケアについての指針を示したものです。このガイドラインは、既存の文献や現場での知見を基に、犯罪被害者支援に精通した専門家、相談員の方々のご意見をDelphi法という系統的集約法を用いて作成したエキスパートコンセンサスによるガイドラインです。
犯罪被害者に対する急性期心理社会支援ガイドライン|犯罪被害者のメンタルヘルス情報ページ
当該ガイドラインに、下記記載があります。
被害後間もない時期では、支援の要望を待つのではなく、支援機関から被害者に連絡し、支援の準備があることや支援情報を伝えることが望ましい。
急性期では被害者は混乱し、どこに支援を求めたらよいか分からないことが多くみられるため、支援機関から積極的に情報を提供されることが必要な場合がある。
(略)
被害者が相談したいと思えるようになるには時間がかかる場合が多いため、最初の段階では情報提供にとどめ、時期を見計らって連絡を入れ、被害者が望むときに、相談に乗ることができることを伝えるなどの工夫が役に立つ。
全国被害者支援ネットワークとは
全国被害者支援ネットワークは、8県に設置された民間被害者支援団体により、平成10年5月に設立されました。その後、全国被害者支援ネットワークの加盟団体は年々増加し、平成21年7月には47都道府県すべてに設置された民間被害者支援団体が加盟することとなりました。
犯罪被害者等施策ホームページ – 警察庁 / 公益社団法人全国被害者支援ネットワーク
正答:3(犯罪被害者等基本法において,犯罪被害者等とは,犯罪等により害を被った者及びその家族又は遺族とされている。)
問題 16 精神作用物質の乱用対策及び使用者への援助に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
- 有効な外来治療として,ワークブックとマニュアルを用いた集団認知行動療法プログラムが開発されている。
- 大麻は,麻薬及び向精神薬取締法で使用と所持が規制されている。
- ハーム・リダクションとは,薬物使用を厳罰化することで,その流通量を減らすことを目的とした政策のことである。
- 薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部執行猶予制度とは,一定期間服役させた後,残りの期間を社会復帰促進センターで処遇するものである。
- 覚せい剤取締法違反は,「医療観察法」における重大な他害行為とされる 6 罪種の一つである。
(注)「医療観察法」とは,「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」のことである。
精神作用物質の乱用対策・使用者への援助は頻出テーマだそうで。
関連する法制度、支援方法についてはしっかり押さえておきたい。
精神作用物質の乱用に関連する国の政策等
厚労省の依存症対策のページが参考になります。
行動嗜癖(ギャンブル依存)も含まれますが。
依存症対策|厚生労働省
下記サイトも勉強になります。
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 薬物依存研究部
精神作用物質とその影響に関する基本事項
物質使用障害は、一般に物質の使用により問題が生じているにもかかわらず、その使用を続ける行動パターンがみられるものです。
関係する物質は、以下のような物質関連障害の典型的な原因として知られる10種類の薬物のいずれかであることが多くなっています。
物質使用障害 – 10. 心の健康問題 – MSDマニュアル家庭版
- アルコール
- 抗不安薬と鎮静薬
- カフェイン
- 大麻(マリファナと 合成カンナビノイドを含む)
- 幻覚剤(LSD、フェンシクリジン、シロシビンなど)
- 有機溶剤(塗料用シンナーや特定の接着剤など)
- オピオイド(フェンタニル、モルヒネ、オキシコドンなど)
- 中枢刺激薬(アンフェタミンや コカインなど)
- タバコ
SMARPP(Serigaya Methamphetamine Relapse Prevention Program)
「せりがや覚せい剤依存再発防止プログラム」の略。
神奈川県立精神医療センターの旧せりがや病院で開発された認知行動療法型の外来依存症治療プログラム選択肢1の「有効な外来治療として,ワークブックとマニュアルを用いた集団認知行動療法プログラムが開発されている」はこのSMARPPのこと。
参考にされているのは、米国の薬物依存症外来治療プログラムMatrix Model。
↓これは後日読んで勉強したい。
薬物依存症に対する認知行動療法プログラムの開発と効果に関する研究 | 厚生労働科学研究成果データベース
薬物乱用に関係する法律
「ダメ。ゼッタイ。」で有名(ですよね?)な麻薬・覚せい剤乱用防止センターのホームページ下記記載があります。
薬物を取り締まる主な国内法規として、麻薬及び向精神薬取締法、覚せい剤取締法、大麻取締法、あへん法、毒物及び劇物取締法、医薬品医療機器等法があります。
薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ
覚醒剤は、覚せい剤取締法
大麻は、大麻取締法
あへん、けし等はあへん法
麻薬(コカイン・MDMA等合成麻薬・LSD等)は麻薬及び向精神薬取締法
シンナー等は、毒物及び劇物取締法
と規制対象となる薬物がそれぞれの法律で定められています。
ハーム・リダクションとは
“ハームリダクション”とは、合法・違法に関わらず精神作用性のあるドラッグについて、必ずしもその使用量は減ることがなくとも、その使用により生じる健康・社会・経済上の悪影響を減少させることを主たる目的とする政策・プログラムとその実践である。ハームリダクションは、ドラッグを使用する人、その家族、そしてそのコミュニティに対して有益なものとなる。
国際ハームリダクション協会(International Harm Reduction Association)による見解
上記引用は、国際ハームリダクション協会(Harm Reduction International)のウェブサイトから。
この協会、本文はロンドンにあって、その歴史は1990年に遡るようですが、薬物依存の問題は当時よりマシになってきたのでしょうか。改善していることを願います。
シンプルに説明すると、“リスクのある行動を全面的にやめることなく、有害な影響を軽減すること”です。
【健康コラム】知ってほしい、“ハームリダクション” | イーウェル │ 2018年11月01日
“害を取り除く、ゼロにする”ことを目指して失敗するよりも、“害を減らすこと”をまず目標にして行動を変えましょう、という取り組み
↓参考になります。
【特集】薬物依存を考える “ハームリダクション”の現場から(1) 薬物をやめることより「支援につながること」を重視 – 記事 | NHK ハートネット
いつも質の高い番組をありがとう、NHK。
薬物使用等の罪を犯した人に対する刑の一部執行猶予制度とは
刑務所を出所した人等の中には,再び犯罪をすることなく,社会で立ち直るために,出所後も比較的長い間支援を続けていくことが必要な人がいます。特に,違法薬物の使用などを繰り返す人については,薬物依存症という病気が原因の場合が少なくないため、地域社会での支援につながることが大切であると言われています。
平成28年6月から始まった刑の一部の執行猶予制度は,こうした人たちに対応するもので,裁判所での判決時点で,刑務所に収容される期間に続けて,社会内での見守りの期間を定めておくものです。
薬物使用等の罪を犯した人に対する刑の一部執行猶予制度とは – 依存症対策全国センター
↓薬物使用等の罪を犯した人に対する刑の一部執行猶予のために、法律が作られています。
(趣旨)
薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律 | e-Gov法令検索
第一条 この法律は、薬物使用等の罪を犯した者が再び犯罪をすることを防ぐため、刑事施設における処遇に引き続き社会内においてその者の特性に応じた処遇を実施することにより規制薬物等に対する依存を改善することが有用であることに鑑み、薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関し、その言渡しをすることができる者の範囲及び猶予の期間中の保護観察その他の事項について、刑法(明治四十年法律第四十五号)の特則を定めるものとする。
社会復帰促進センターとは
1993年(平成5)ころより日本の刑事施設は「過剰収容」の状態が現出した(その後この傾向は緩和されたものの、一部の刑事施設ではなお過剰収容になっているところもある)。この過剰収容状態を緩和するために、いわゆるPFI(Private Finance Initiative)方式(民間資金を活用して建設・運営される方式)の刑務所建設が行われたが、これらの刑務所は「社会復帰促進センター」という名を冠してよばれる。2010年の時点で4施設を数える。
刑務所(けいむしょ)とは? 意味や使い方 – コトバンク
「医療観察法」における重大な他害行為とは
「重大な他害行為」とは,殺人,放火,強盗,強制性交等,強制わいせつ,傷害(軽微なものは対象とならないこともあります。)に当たる行為をいいます。
法務省:医療観察制度Q&A
医療観察法を見ても分かりません。
(定義)
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律 | e-Gov法令検索
第二条 この法律において「対象行為」とは、次の各号に掲げるいずれかの行為に当たるものをいう。
一 刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八条から第百十条まで又は第百十二条に規定する行為
二 刑法第百七十六条から第百八十条までに規定する行為
三 刑法第百九十九条、第二百二条又は第二百三条に規定する行為
四 刑法第二百四条に規定する行為
五 刑法第二百三十六条、第二百三十八条又は第二百四十三条(第二百三十六条又は第二百三十八条に係るものに限る。)に規定する行為
医療観察法を翻訳すると、「殺人,放火,強盗,強制性交等,強制わいせつ,傷害」となるのでした。
正答:1(有効な外来治療として,ワークブックとマニュアルを用いた集団認知行動療法プログラムが開発されている。)
問題 17 災害時の精神保健に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
- 災害発生後 48 時間以内に被災者が呈する精神症状を心的外傷後ストレス障害(PTSD)という。
- 厚生労働省によって組織される専門的な研修・訓練を受けたチームを災害派遣精神医療チーム(DPAT)という。
- 重度の精神障害者のために考案された介入法をサイコロジカル・ファーストエイド(PFA)という。
- 被災者の治療優先順位を決める手法をデブリーフィングという。
- 被災者へのケア活動によって,被災を直接経験していない支援者に生じる外傷性ストレス反応のことを二次受傷という。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは
PTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)は、死の危険に直面した後、その体験の記憶が自分の意志とは関係なくフラッシュバックのように思い出されたり、悪夢に見たりすることが続き、不安や緊張が高まったり、辛さのあまり現実感がなくなったりする状態です。
(中略)
1ヶ月以上たってからも、その体験の記憶が自分の意志とは無関係に思い出され、その時と同じ感情、身体の感覚を感じたり、実際に当時の光景が見えたり、加害者がすぐ近くにいるように感じるというものです。(マーカーbyカエル)
PTSD|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省
下記リンク先ページも参考になります。
1か月未満で消失するものは急性ストレス障害。
急性ストレス障害とは、トラウマになる圧倒的な出来事(外傷的出来事)を経験して間もなく始まり、1カ月未満で消失する、日常生活に支障をきたす強く不快な反応です。症状が1カ月を超えて持続する場合は、 心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されます。
急性ストレス障害 – 10. 心の健康問題 – MSDマニュアル家庭版
災害派遣精神医療チーム(DPAT)とは
DPATとは自然災害や航空機・列車事故、犯罪事件などの集団災害の後、被災地域に入り、精神科医療および精神保健活動の支援を行う専門的なチームです。
(中略)
自然災害や犯罪事件・航空機・列車事故等の集団災害が発生した場合、被災地域の精神保健医療機能が一時的に低下し、さらに災害ストレス等により新たに精神的問題が生じる等、精神保健医療への需要が拡大する。このような災害の場合には、被災地域の精神保健医療ニーズの把握、他の保健医療体制との連携、各種関係機関等とのマ ネージメント、専門性の高い精神科医療の提供と精神保健活動の支援が必要である。
DPATとは | DPAT事務局
このような活動を行うために都道府県によって組織される、専門的な研修・訓練を受けた災害派遣精神医療チームが DPAT(Disaster Psychiatric Assistance Team: DPAT) である。
実際には、都道府県だけでなく、政令指定都市によっても組織されされます(災害派遣精神医療チーム(DPAT)活動要領|厚生労働省)。
サイコロジカル・ファーストエイド(PFA)とは
支援者が被災者や犯罪の被害を受けた方などと関わるとき、どのように声をかけたり、何に気をつけて接したらよいのでしょうか。PFAは、そのような疑問に応えるための心理的応急処置です。今まで世界中でいくつかのPFAが開発されてきましたが、WHO(世界保健機関)が中心となって開発したものは、もっとも広く用いられています。ストレス・災害時こころの情報支援センターでは311震災の後、WHO版PFAを導入し、積極的に研修、普及を行ってきました(研修情報は下記)。
PFA・CFS |ストレス・災害時こころの情報支援センター
PFAは、危機的な出来事に見舞われて、苦しんでいる人の心理的回復を支えるための、人道的、支持的、かつ実際の役に立つ様々な支援をまとめたものです。心理的(サイコロジカル)という言葉を使っていますが、社会的生活をささえるための支援も含まれています。また、災害弱者や支援者自身のケアもできるように工夫されています。
デブリーフィングとは
事故や災害、犯罪被害などの後で、将来のPTSDを予防するために、36時間以内に体験の恐怖を集中的に聞き出すというカウンセリングの方法です。しかしその効果は国際的に否定され、この方法を考えた心理学者も誤りを認めました。多くの被災者、被害者は、暖かなケアと保護によって数か月以内に自然に回復します。不安や不眠が強いときや、回復が思わしくないときには、精神科医による相談窓口が必要です。
デブリーフィング:用語解説|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト(厚生労働省)
被災者の治療優先順位を決める手法とは
「被災者の治療優先順位を決める手法」はトリアージを指す。
トリアージとは、災害発生時などに多数の傷病者が発生した場合に、傷病の緊急度や重症度に応じて治療優先度を決めることです。
災害時の医療救護に当たっては、現存する限られた医療スタッフや医薬品等の医療機能を最大限に活用して、可能な限り多数の傷病者の治療にあたることが必要です。
トリアージ 東京都福祉保健局
二次受傷とは
類似の概念に、二次的外傷性ストレス(STS)、共感性疲弊,代理受傷がある。
災害や事件,自己に遭遇した被害者を救援する側が心的外傷を負うことを二次受傷(secondary traumatization)という
上田 鼓「警察官における二次受傷の男女別規定要因についての研究」(『トラウマティック・ストレス』日本トラウマティック・ストレス学会4(2)、167-175。
支援をする人の傷つきとその対応
(略)被害にあった方々に援助者が継続的に安定したケアを提供するために、治療や援助において援助者側の心身に起こり得る状態を知っておくのはとても大事なことです。
支援をする人の傷つきとその対応|犯罪被害者のメンタルヘルス情報ページ
災害時の精神保健に関する参考資料
- 資料 – 厚生労働省科学研究 | DPAT事務局
「自治体の災害時精神保健医療福祉活動マニュアル」等有用な資料がたくさん。 - 厚生労働省令和2年度障害者総合福祉推進事業/精神保健福祉士の災害時の対応における役割の明確化と支援体制に関する調査研究
- 災害派遣精神医療チーム(DPAT)と地域精神保健システムの連携手法に関する研究 | 厚生労働科学研究成果データベース
正答:5(被災者へのケア活動によって,被災を直接経験していない支援者に生じる外傷性ストレス反応のことを二次受傷という。)
問題 18 成人の勤労者を対象に,職場でのストレスの大きさ,職場でのサポートの程度及び抑うつ症状の重症度について,一定の尺度を用いた質問紙調査を行った。
調査で得られた量的データを基に抑うつ症状を従属変数として,職場でのストレス及び職場でのサポートの二つの独立変数との関連性について分析を行った。
次のうち,上記のデータ分析方法の名称として,正しいものを 1 つ選びなさい。
- カイ 2 乗検定
- デルファイ法
- 重回帰分析
- 分散分析
- 因子分析
社会調査や統計の知識が必要な問題。
精神保健福祉士は、社会調査や統計の知識もないといけないというわけか・・
社会調査や統計については以前、放送大学でいくつか授業を履修したし、社会福祉士の試験のときにもさらっと勉強したのに、かなり忘れてしまっていて残念。
カイ 2 乗検定
「カイ二乗検定」は、カイ二乗分布を利用する検定方法の総称。
利用例:母分散の検定、分布の適合度検定、クロス集計表の独立性や一様性の検定、等。
デルファイ法
〘名〙 (Delphi technique の訳語。「デルファイ」は「デルフォイ」の英語名で、古代ギリシアのアポロンの神託地の名にちなむ) 技術予測などに用いられる技法。多数の専門家や個人に予測についてのアンケート調査を行ない、その結果を回答者にフィードバックして調査を繰り返し、精度を上げながら、未来についての確かな見通しを得るもの。
デルファイ法(デルファイほう)とは? 意味や使い方 – コトバンク
重回帰分析
回帰分析とは、結果となる数値(目的変数)と要因となる数値(説明変数)の関係性を数式モデルで表す手法です。説明変数が1つの場合は単回帰分析、2つ以上の場合は重回帰分析と呼ばれます。
Data StaRt データ・スタート | A(analysis、分析)データに基づく分析|総務省統計局
分散分析
観測されたデータのばらつきを、さまざまな要因の効果による変動と誤差による変動に分離し、主要因を明らかにして、その効果の大きさを推定する統計学的手法の一。英国の統計学者R=A=フィッシャーが確立。
分散分析(ぶんさんぶんせき)とは? 意味や使い方 – コトバンク
因子分析
主として心理学の分野を中心に発達した統計的解析技法の一つ。多くの変量間の関係(相関関係)を説明する因子の発見を目的としている。
因子分析(いんしぶんせき)とは? 意味や使い方 – コトバンク
正答:3(重回帰分析)
問題 19 ドメスティック・バイオレンス(DV)に関する次の記述のうち,正しいものを 2 つ選びなさい。
- 市町村には配偶者暴力相談支援センターの設置が義務づけられている。
- 婦人相談所は「DV防止法」で設置が規定された機関である。
- 「DV防止法」において配偶者には,婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むと定義されている。
- 配偶者暴力相談支援センターにおける相談件数は,2014 年度(平成 26 年度)以降,毎年 10 万件を超えている。
- 児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力は,「児童虐待防止法」において身体的虐待として定義されている。
(注)1 「DV防止法」とは,「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」のことである。
2 「児童虐待防止法」とは,「児童虐待の防止等に関する法律」のことである。
(注)1 「DV防止法」とは,「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」のことである。
2 「児童虐待防止法」とは,「児童虐待の防止等に関する法律」のことである。
DV防止法の関連情報
- 配偶者からの暴力全般に関する相談窓口
配偶者暴力相談支援センター | 内閣府男女共同参画局
各選択肢について
選択肢1:自治体の配偶者暴力相談支援センターの設置義務について
都道府県は設置義務あり、市町村は設置義務はなく、適切な施設がセンターの機能を果たすことの努力義務。
第二章 配偶者暴力相談支援センター等
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律 | e-Gov法令検索
(配偶者暴力相談支援センター)
第三条 都道府県は、当該都道府県が設置する婦人相談所その他の適切な施設において、当該各施設が配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすようにするものとする。
2 市町村は、当該市町村が設置する適切な施設において、当該各施設が配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすようにするよう努めるものとする。
選択肢2:婦人相談所の設置について
前述の通り、婦人相談所はDV防止法によって配偶者暴力相談支援センターの機能を担う施設として位置付けられたけれども、婦人相談所の設置を規定しているのは「売春防止法」。
(婦人相談所)
売春防止法 | e-Gov法令検索
第三十四条 都道府県は、婦人相談所を設置しなければならない。
選択肢3:「DV防止法」における配偶者とは
内縁関係も含まれます。
第一章 総則
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律 | e-Gov法令検索
(定義)
第一条 (略)
3 この法律にいう「配偶者」には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含み、「離婚」には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあった者が、事実上離婚したと同様の事情に入ることを含むものとする。
選択肢4:配偶者暴力相談支援センターにおける相談件数
配偶者暴力相談支援センターにおける相談件数は、
2021年度(令和3年度) 122,478(DV相談+を含めると176,967件)
2020年度(令和2年度) 129,491(DV相談+を含めると182,188件)
2019年度(令和元年度) 119,276
2018年度(平成30年度) 114,481
2017年度(平成29年度) 106,110
2016年度(平成28年度) 106,367
2015年度(平成27年度) 111,172
2014年度(平成26年度) 102,963
2013年度(平成25年度) 99,961
配偶者暴力相談支援センターの相談件数 – 配偶者からの暴力に関するデータ | 内閣府男女共同参画局より抽出。
選択肢5:児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力について
(児童虐待の定義)
児童虐待の防止等に関する法律 | e-Gov法令検索
第二条 (略)
四 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
正答:3(「DV防止法」において配偶者には,婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むと定義されている。)
4(配偶者暴力相談支援センターにおける相談件数は,2014 年度(平成 26 年度)以降,毎年 10 万件を超えている。)
問題 20 周産期の精神保健に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
- カンガルーケアとは,胎児の情緒的安定を目的とした母親の関わりのことである。
- ペリネイタルロスとは,流産・死産・新生児死亡などの周産期における喪失体験のことである。
- マタニティブルーとは,産後うつ病の別名のことである。
- ダブルケアとは,NICU(新生児集中治療室)において愛着形成を促すことである。
- マルトリートメントとは,DV被害を受けた妊産婦に対するケアのことである。
周産期の精神保健について
母子保健、不妊症・不育症|厚生労働省
↑産前・産後サポート事業、産後ケア事業に関する制度、政策はこのページに掲載されています。
周産期のこころの医療の課題|厚生労働省
↑この資料によれば、東京都23区の妊産婦の異常死年別事例89例中、63例が自殺だそうです。
同資料によると、妊産婦全体の死亡率は、イギリスより高くスウェーデンより低い一方、妊産婦の自殺率はどちらの国よりも高い。日本では、子どもと女性を巡る様々な対策が不足しているからか?
各選択肢について
選択肢1:カンガルーケアとは
• 赤ちゃんを裸のまま母親の乳房の間で抱っこするケア(「NICU等で行われる早産児に対するカンガルーケア」と「正期産での出生直後のカンガルーケア」に大別される)
第50回記者懇談会(H24.01.18) 出産直後に行う「カンガルーケア」について – 日本産婦人科医会
• Kangaroo care (KC)
• Skin to skin contact
• 直肌の抱っこ
カンガルーケアの利点のまとめ
同上
• 皮膚接触によって児の体温が維持され、呼吸が安定し、体重増加を促進する
• 母乳分泌が増し、母乳哺育の期間が長くなる。
• 母子の愛着が深まる。
• 母親の未熟児出産による喪失感を克服する。
選択肢2:ペリネイタルロスとは
ペリネイタル・ロス(流産、死産・人工死産、新生児死亡、人工妊娠中絶など、お産をとりまく赤ちゃんの喪失)は、これまで日本では語られることは少なく、タブー視する社会的傾向がありました。そのためご両親は、語る場がないどころか、早く忘れるように強いられたり、赤ちゃんの存在を無視する言葉投げかけられて傷つくなど、長いグリーフの期間を、何のサポートも得られないまま孤独に過ごされている状況でした。
日本ペリネイタル・ロス研究会
選択肢3:マタニティブルーとは
マタニティブルーズは、出産後の女性の30-50%が経験します。マタニティブルーと呼ばれることもあります。出産直後は気持ちも高ぶっていますが、産後数日から2週間程度のうちにちょっとした精神症状が出現します。多くは、ふいに涙が止まらなくなったり、いらいらしたり、おちこんだりする症状がでます。
マタニティブルーズについて教えてください – 日本産婦人科医会
選択肢4:ダブルケアとは
育児期にある者(世帯)が親の介護も同時に引き受けるという、「育児と介護のダブルケア」
育児と介護のダブルケアの実態に関する調査報告書 | 内閣府男女共同参画局
選択肢5:マルトリートメントとは
子どもに対する不適切な関わりによって、子どもの脳が変形してしまうんだそうです。
脳画像に見るマルトリートメント – 厚生労働省(PDF)
虐待とは言い切れない、大人から子どもに対する避けたいかかわりのこと。
まるとり!Q&A | 防ごう!まるとり マルトリートメント|一般社団法人 日本家族計画協会
子ども時代にマルトリを受けていると、大人になってからこころのトラブルに悩む可能性が高くなります。
正答:2(ペリネイタルロスとは,流産・死産・新生児死亡などの周産期における喪失体験のことである。)