こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
問題 36 諸外国の精神保健医療福祉の脱施設化及び地域ケアの歴史に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
- イギリスでは,「精神保健に関するナショナル・サービス・フレームワーク」により,積極的アウトリーチや家族ケアラー支援等の充実を図った。
- ニュージーランドでは,「セクター制度」により,一定の人口規模ごとに,精神科病床,施設を配置し,治療と生活支援を一体的に実施した。
- アメリカでは,精神保健サービス計画「ブループリント」を策定し,リカバリー概念をサービスの基盤とすることを明示した。
- イタリアでは,「精神疾患及び知的障害に関する大統領教書」により,精神科病院を解体し,地域精神保健センターを整備した。
- フランスでは,「法律第 180 号」により,精神科病院への新たな入院を禁止し,地域ケアと外来医療中心に転換した。
設問について
諸外国の精神保健活動
主要国と比べ50年遅れていると言われる日本の精神医療&保健。
各国の取り組みは非常に参考になるものの、自国の状況に虚しさを覚えます・・。
下記記事にまとめ作成。
各選択肢について
詳細は上記「諸外国の精神保健活動の歴史と現状及び対策」の記事で。
選択肢1:〇
イギリスでは,「精神保健に関するナショナル・サービス・フレームワーク」により,積極的アウトリーチや家族ケアラー支援等の充実を図られました。
1999年に示された7つの基準(精神保健サービスを近代化するための 7つの全国的な基準)は以下の通り。
- 精神的健康の増進
- プライマリー精神保健ケア
- サービスの利用
- 専門家によるケア
- 病院と危機対応住居
- 家族(carers)への支援
- 自殺防止
選択肢2:×
セクター制度はフランスの制度。
フランス精神医療の原動力は、フランス革命において主張されてきた「自由」や「平等」といった理念にある。現在のフランスでは、セクター制度という独自の制度を取り入れて精神医療が成り立っているが、この制度もそのような理念の上に立脚している。
須藤葵「フランス精神医療法を通して見る精神医療制度の課題」(『法政理論』第39巻第3号、2007年)
選択肢3:×
ブループリントはニュージーランドのメンタルヘルスサービス計画、Blueprint for Mental Health Service in New Zealand。
ニュージーランドにおけるメンタルヘルスサービスのための修正案の要旨。 精神疾患を持つ人々に対するより良いサービスのための戦略。 マオリ族及び太平洋地域の人々へのサービスにも特に考慮している。
作成日:1998年12月
ニュージーランドのメンタルヘルスサービス計画(要旨)|障害保健福祉研究情報システム(DINF)
作成者:メンタルヘルス委員会
選択肢4:×
精神疾患及び知的障害に関する大統領教書は、ケネディ大統領による。
「精神疾患及び知的障害に関するケネディ大統領教書」は、立命館大学生存学研究所のホームページ(http://www.arsvi.com)で読めます。
精神病・精神薄弱に関するケネディ大統領教書
選択肢5:×
「法律第 180 号」と言えばイタリアのバザーリア法。
1978年にはイタリア精神科医療の方向性を大きく変える法律が制定された。180号法(バザーリア法)である。
小田晶彦「イタリア精神科医療における脱施設化を考える―イタリア精神科医療施設を視察して―」(『精神神経学雑誌』第120巻第8号、2018年)
正答
1(イギリスでは,「精神保健に関するナショナル・サービス・フレームワーク」により,積極的アウトリーチや家族ケアラー支援等の充実を図った。)