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問題50|第22回 精神保健福祉士 国家試験 ④精神保健福祉の理論と相談援助の展開

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題

事例問題 1

次の事例を読んで,問題 49 から問題 51 までについて答えなさい。

〔事 例〕
Kさん(26 歳,女性)は大学卒業後Y社に就職した。配属された部署は残業が多く忙しい職場であった。直属のL上司はKさんを熱心に指導した。生真面目なKさんは,L上司の期待に応えようと,自宅に仕事を持ち帰って仕上げるように心がけた。そのため,仕事が頭から離れず,寝てもすぐに目が覚め,食事も砂を噛んでいるようになっていった。体調の悪さを自覚したKさんは,社内報に掲載されていたY社が契約している従業員支援プログラム(EAP)機関のことを思い出し,相談に行った。そこで,Kさんは担当のM精神保健福祉士に,「他の社員に迷惑が掛かるから休めない」「眠れなくてつらい」「このまま消えたい」と涙ながらに訴えた。M精神保健福祉士は,「よくここまで耐えてこられましたね」とねぎらった上で,次のように提案した。(問題 49)
数日後,KさんはZ精神科病院を受診し,うつ病と診断され入院することとなった。1 か月を経過した頃,Kさんは面会に来たM精神保健福祉士へ,「主治医が退院を許可してくれない。休んでしまった分,早く穴埋めをしたいのに」と訴えた。面会の 1週間後,M精神保健福祉士は,主治医とKさんとL上司とで退院について協議した。
そこで,M精神保健福祉士は次のことを提案した。(問題 50)
後日,入院中であったKさんは,精神科デイケアを体験利用した。そこでは自分と同じような状況にある利用者と交流して,焦っているのは自分だけではないと感じた。退院後,精神科デイケアを利用し始めた。 3 か月後,M精神保健福祉士は,デイケアスタッフ,主治医,L上司,Kさんと仕事に関して話し合った。従業員に業務負荷を強く感じさせる労働環境の改善も必要だと,L上司も考えるようになった。
Kさんは負荷の少ない配慮された環境で仕事を再開した。それから数か月たった頃,M精神保健福祉士は労働環境の改善が必要と考え,L上司に「働き方を考える研修会」の実施を提案した。そこで,Kさんは体験談を語った。(問題 51)
研修会の後,KさんはM精神保健福祉士に,「初めは,今までのように働けない自分を弱い人間だと感じていた。でも,同じ病の人と出会い,体が壊れるまで働くのは個人にとっても会社にとっても良くないと,今は思う」と語った。

目次

問題 50 次のうち,この時点でM精神保健福祉士が提案した内容として,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 「職場適応訓練制度を利用してはどうでしょうか」
  2. 「就労定着支援事業を利用してはどうでしょうか」
  3. 「リワークプログラムを利用してはどうでしょうか」
  4. 「ストレスチェックを受けてはどうでしょうか」
  5. 「職業評価を受けてはどうでしょうか」

設問について

この時点とは

初回面談の数日後にKさんがZ精神科病院を受診、うつ病と診断され入院してから1 か月経過した頃にM精神保健福祉士はZ精神病院でKさんと面会、「主治医が退院を許可してくれない。休んでしまった分,早く穴埋めをしたいのに」と訴えられた。
その面会の 1週間後,M精神保健福祉士は,主治医とKさんとL上司と4人で、退院について協議した、その協議の場においての時点。

各選択肢について

選択肢1:「職場適応訓練制度を利用してはどうでしょうか」

窓口はハローワーク。

職場適応訓練は、実際の職場で作業について訓練を行うことにより、作業環境に適応することを容易にさせる目的で実施するものであり、訓練修了後は、その訓練を行った事業所に雇用してもらうことを期待して実施するものです。訓練を行った事業主には職場適応訓練費が支給され、訓練生には雇用保険の失業等給付が支給されます。

職場での訓練を受け入れる時は 職場適応訓練費|厚生労働省

選択肢2:「就労定着支援事業を利用してはどうでしょうか」

根拠法は障害者総合支援法。

・就労定着支援
就労移行支援等を利用して、一般企業に新たに雇用された障害者に対し、雇用に伴う生じる日常生活又は社会生活を営む上での各般の問題に関する相談、指導及び助言等の必要な支援を行います。

障害者の就労支援対策の状況|厚生労働省

選択肢3:「リワークプログラムを利用してはどうでしょうか」

医療機関で実施する「医療リワーク」、地域障害者職業センターで行う「職リハリワーク」、企業内で実施する「職場リワーク」があります。

リワークとは、return to workの略語です。気分障害などの精神疾患を原因として休職している労働者に対し、職場復帰に向けたリハビリテーション(リワーク)を実施する機関で行われているプログラムです。復職支援プログラムや職場復帰支援プログラムともいいます。

日本うつ病リワーク協会/リワークプログラムについて

選択肢4:「ストレスチェックを受けてはどうでしょうか」

ストレスチェック制度の根拠法は労働安全衛生法。

ストレスチェック制度は、定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させるとともに、検査結果を集団的に分析し、職場環境の改善につなげることによって、労働者がメンタルヘルス不調になることを未然に防止することを主な目的としたものです。平成27年12月に施行されました。

ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等|厚生労働省

選択肢5:「職業評価を受けてはどうでしょうか」

障害のある方へのサービス

職業相談・職業評価

就職や職場定着、職場復帰等の目標達成に向けて、「職業相談」「職業評価」を行い「職業リハビリテーション計画」を策定します。

職業評価・・・各種検査や作業を実施しながら現状分析をします。
職業相談・・・目標達成に向けた課題を整理し、支援方法・内容について検討します。
職業リハビリテーション計画・・・職業評価、職業相談を踏まえながらインフォームドコンセントに基づいた今後の取組方針を決めます。

東京障害者職業センター 障害のある方へのサービス|高齢・障害・求職者雇用支援機構

正答

3(「リワークプログラムを利用してはどうでしょうか」)

第22回 精神保健福祉士 国家試験 全問題はこちら

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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