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問題66|第22回 精神保健福祉士 国家試験対策 ⑤精神保健福祉に関する制度とサービス

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題

目次

問題66 次のうち,Jさんが入所したW施設として,正しいものを 1 つ選びなさい。

Jさん(36 歳,男性)は,19 歳の時に統合失調症を発症して精神科病院への入院経験がある。頻回な窃盗による逮捕歴があり,最終的には実刑判決を受けて服役した。服役中は適切な精神科治療を受けていたこともあって病状も落ち着いた。刑期が終わる時期が近づいてきたが,身元引受人のいないJさんは出所後の生活基盤もなく,再出発は極めて困難なことが予測された。そこでJさんが服役している刑事施設は,保護観察所に特別調整を依頼した。その結果,Jさんは,法務大臣から事業の認可を受けて宿泊場所や食事の提供など,自立の準備に専念できる生活基盤を提供しているW施設へ,保護観察所の長の委託により入所が決まり,刑期満了日にそのまま入所となり再出発への道を歩み始めた。
次のうち,Jさんが入所したW施設として,正しいものを 1 つ選びなさい。

  1. 地域生活定着支援センター
  2. 宿所提供施設
  3. 自立準備ホーム
  4. 自立訓練(生活訓練)事業所
  5. 更生保護施設

設問について

精神障害者&刑事施設者への支援に関する理解が問われている。
福祉と司法に関わる資源の、それぞれの内容・対象者や根拠法・制度を押さえておきたい。

各選択肢について

選択肢1:地域生活定着支援センター

×

地域生活定着支援センターは、厚生労働省の地域生活定着促進事業実施要領に規定されている事業で、入所施設の運営は行わない。

地域生活定着促進事業では、高齢又は障害により、福祉的な支援を必要とする犯罪をした人等に対し、各都道府県の設置する地域生活定着支援センターが、保護観察所、矯正施設、留置施設、検察庁及び弁護士会といった刑事司法関係機関、地域の福祉関係機関等と連携・協働しつつ、刑事上の手続又は保護処分による身体の拘束中から釈放後まで一貫した相談支援を実施することにより、その社会復帰及び地域生活への定着を支援する。

主な業務
(1) コーディネート業務:矯正施設を退所する予定の人の帰住地調整支援
(2) フォローアップ業務:矯正施設を退所した人を受け入れた施設等への助言等
(3) 被疑者等支援業務:被疑者、被告人の福祉サービス等の利用調整や釈放後の継続的な援助等を行います。
(4) 相談支援業務:犯罪をした人・非行のある人等への福祉サービス等についての相談支援を行います。

参考 厚生労働省:高齢又は障害により福祉的な支援を必要とする矯正施設退所者等の地域生活定着支援(地域生活定着促進事業)

選択肢2:宿所提供施設

×

宿所提供施設は生活保護法に基づく施設で、入所の対象は住居のない要保護者の世帯。

第六章 保護施設
(種類)
第三十八条 保護施設の種類は、左の通りとする。
(中略)
五 宿所提供施設
(中略)
6 宿所提供施設は、住居のない要保護者の世帯に対して、住宅扶助を行うことを目的とする施設とする。

e-gov:生活保護法

選択肢3:自立準備ホーム

×

自立準備ホームは法務省管轄の入所施設ではあるものの、法務大臣から認可を受けて行う事業ではない。

<制度>
刑務所等の出所者の中には、帰住先が確保できないまま出所し、再犯に至る者が多数に上ることや、帰住先がない者ほど矯正施設等への入所を繰り返し、再犯に至る期間が短いなど,生活の基盤となる「住居」を確保することは、再犯防止を図る上で欠かすことができません。これまで更生保護施設が中心となり、こういった行き場のない矯正施設等の出所者等について、国の委託を受けて収容保護し、社会生活に適応させるための生活指導等を行われていましたが、それでもなお行き場のない矯正施設等の退所者等が多数に上ることなどから、法務省では更生保護施設の受け入れ機能を強化するとともに、平成23年度から「緊急的住居確保・自立支援対策」による住居確保の施策として開始された民間施設を「自立準備ホーム」と呼び、あらかじめ保護観察所に登録されたNPO法人等が管理する施設の空きベッド等を活用して、保護が必要なケースについて、保護観察所から事業者に対して宿泊場所、食事の提供と共に、毎日の生活指導等を委託するものです。(法務省HPより参照)

日本自立準備ホーム協議会

●自立準備ホーム
自立準備ホームは,あらかじめ保護観察所に登録されたNPO法人等がそれぞれの特長を生かして自立を促します。施設の形態はさまざまで,集団生活をするところもあれば,一般のアパートを利用する場合もありますが,いずれの場合も自立準備ホームの職員が,毎日,生活指導等を行います。

法務省:更生保護を支える人々

選択肢4:自立訓練(生活訓練)事業所

×

自立訓練(生活訓練)は、障害者総合支援法に基づくサービス。

選択肢5:更生保護施設

更生保護施設は、更生保護事業法に規定されていて、法務大臣が認可するもの。

第三章 更生保護事業
第一節 事業の経営等
(継続保護事業の認可)
第四十五条 国及び地方公共団体以外の者で継続保護事業を営もうとするものは、法務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を法務大臣に提出して、その認可を受けなければならない。
一 名称
二 事務所の所在地
三 継続保護事業の内容
四 被保護者に対する処遇の方法
五 更生保護施設の規模及び構造並びにその使用の権原
六 実務に当たる幹部職員の氏名及び経歴
七 更生保護法人以外の者にあっては、前各号に掲げる事項のほか、定款その他の基本約款、経理の方針、資産の状況並びに経営の責任者の氏名、経歴及び資産の状況
(認可の基準等)
第四十六条 法務大臣は、前条の認可の申請が次の各号に適合すると認めるときは、認可しなければならない。
一 被保護者に対する処遇の方法が第四十九条の二の基準に適合するものであること。
二 更生保護施設の規模及び構造が法務省令で定める基準に適合するものであること。
三 実務に当たる幹部職員が法務省令で定める資格又は経験並びに被保護者に対する処遇に関する熱意及び能力を有すること。
四 職業紹介事業を自ら行おうとする者にあっては、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)の規定により職業紹介事業を行う許可を得ていること。
五 更生保護法人以外の者にあっては、前各号に掲げる事項のほか、経営の組織及び経理の方針が一般社団法人若しくは一般財団法人又はこれに準ずるものであって、当該事業を営むための経済的基礎が確実であり、かつ、経営の責任者が社会的信望を有すること。
2 前項の認可には、当該継続保護事業の適正な運営を確保するために必要と認める条件を付すことができる。

e-gov:更生保護事業法

更生保護施設~再出発を支える人たち~

犯罪をした人や非行のある少年の中には、頼ることのできる人がいなかったり、生活環境に恵まれなかったり、あるいは、本人に社会生活上の問題があるなどの理由で、すぐに自立更生ができない人がいます。

更生保護施設は、こうした人たちを一定の期間保護して、その円滑な社会復帰を助け、再犯を防止するという重要な役割を担っています。

法務省:更生保護施設とは

正答

5(更生保護施設)

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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